札幌戦からのバージョンアップ
ここ数日一気に気温が高まってきて、夏のような陽気となっております。
ジェフ対愛媛戦は19時にキックオフ。
ここまでずいぶん遅い時間のキックオフの多かったジェフですが、19時キックオフはフクアリでは今季初で、ジェフでは今季2試合目の試合。
それでもここまでの練習なども含めて体力面への不安はあると思いますし、この暑さがどのように影響するか心配された試合でした。
■CKからケンペスが先制ゴール
ジェフは出場停止明けのケンペスがスタメンに復帰し、町田はベンチスタートに。
また、控えのメンバーからは戸島と勇人が外れて、高卒ルーキーで2月に右足を骨折したオナイウ阿道がベンチ入りしました。
勇人は練習試合にも出場していませんので、怪我などがあったのでしょうか。
また怪我人が増えてしまいましたね。
なお、公式HPでは当初ナムではなく佐藤祥が記載されていましたが、その後修正されました。
先日、6月からの公式サイト運営会社変更が発表になりましたが、今までもミスが多かった公式サイト、最後までやらかしてくれましたね…。
まぁ、So-netではなくジェフ側の問題であれば、運営会社が変わったところで、ミスが多いところは変わらないことになりますが…。
そういった意味で、独自ドメインとなった新公式サイトも出来が大きく問われることになりますね。
試合展開はジェフがボールをつなぎ、愛媛が守ってカウンターという展開。
序盤からサイドで数的優位を作って、フリーな選手を作ってくジェフ。
右では井出、大岩、兵働、左では谷澤、中村、健太郎…あるいは大塚やケンペスと、サイドにおいて2人だけでなく3人の選手が絡んで、1人飛び出す形を狙っていた印象です。
サイドでダメなら中央へ戻してミドルシュートか、中盤を経由して逆サイドへ。
前節もパスワークはある程度作れていましたが、ケンペスという最終ターゲットが明確になったことにより、ゴールに逆算するボール回しが出来て、前節よりも迷いがなくなった印象です。
しかし、愛媛の守備も試合序盤は、組織的に守れていたと思います。
前節湘南戦同様に、等間隔にポジショニングして連携して守る。
ラインコントロールも細かく制御して、守備からチームを作ろうというチームなのだと思います。
攻撃時は3バックですが、守備時は5-4-1気味のシステムで、無理にプレスをかけていかない。
サイドもやられてもOKといった印象で、それでもゴール前を統率して穴を作らないという狙いではないでしょうか。
そこから縦にスピードあるカウンターで、チャンスを作っていくと。
特に試合序盤はスピードに課題がある山口智を狙われていた印象もあり、一時的にそこで押し込まれてしまった印象もありました。
しかし、愛媛の時間帯をしのぐと、ボールをつなげなくなり、流れが悪くなっていきます。
そして、徐々に愛媛でもポジショニングや局面の対応での甘さが目立っていきました。
前半18分には、大岩のクロスからニアで井出がダイレクトで狙ってシュート。
これがこの試合、初めての決定的なシーンだったと思います。
前半27分には、井出からケンペスがヘディングシュート。
その直後には、中村から井出がボレー気味のシュート。
この時間帯から、ジェフが圧倒的に攻める時間が長くなっていきます。
そして、前半34分。
ジェフ左サイドからのCK。
中村が蹴ったボールがピタリとケンペスの頭に合って先制ゴール。
そこまでの中村はクロスは積極的に蹴るもなかなかあいませんでしたが、この場面では見事なボールが上がりましたね。
■相手GKに止められ追加点はならず
ハーフタイムを挟んで、愛媛も若干修正しようという意図は感じたかなと思います。
サイドで簡単に数的不利を取られないように、サイドの選手が開き気味に守ったり。
攻撃では大岩の裏を狙おうという意図も感じました。
しかし、大勢は変わらず。
前半同様、ジェフが攻める時間帯が長く続きます。
後半14分、谷澤のクロスをフリーの井出がヘディングでゴール狙うも決めきれず。
その直後にはCKから中村が拾って、中央の智で落として大岩がシュートを放つもGK児玉が連続でセーブ。
児玉が当たってきてしまったような感じでしたね。
後半21分、兵働からのボールを大塚が受けて反転し、前のケンペスへスルーパス。
ケンペスは見事にボールを足元に納めてゴール左隅を狙ったシュートを放ちますが、これもGKに止められてしまいます。
後半25分には愛媛の攻撃。
渡辺の胸トラップの落としから、河原がシュート
この頃からジェフの運動量が落ちてきます。
後半33分には愛媛中盤からのボールを河原が受けて、そのままシュート。
決定的なシーンでした。
このシーンではDFラインの裏を河原が回ってきて、キムの対応が遅れてしまいました。
ジェフの運動量低下もあってこの時間帯は愛媛が攻め込んでいましたが、愛媛の攻撃もそこまでの怖さは感じず。
ジェフは谷澤に変えて山中、井出に変えて田中、大塚に変えて町田と次々にメンバーを変えていきます。
後半44分にはジェフが左サイドからのCK。
中村の蹴ったボールがキムにドンピシャで合ったものの、これもGK児玉にストップさせられてしまいました。
最後もボランチからのミドルシュートを児玉がキャッチしたところで、試合終了となりました。
■サイドでの数的優位とボランチからの展開
気候に関しては大きな影響は感じず、むしろ19時キックオフということで選手たちは動けていた印象があります。
1-0だったとはいえ、内容的にはもっと差がついても良い展開だったのではないかと思います。
1つには、愛媛の出来があまり良くなかったこと。
前節湘南戦で燃え尽きてしまったのか、前半早々に守備のほころびが出てきてしまったと思います。
けれども、それを差し引いても、ジェフがやりたいサッカーはできていたのではないでしょうか。
ケンペスを欠いた横浜FC戦を除くと、札幌戦の延長戦に見えた、良い内容だったと思います。
もう1つは札幌戦同様に、ケンペスを軸にその他の選手が前に飛び出せていたということ。
井出を中心にクロスに飛び込めていましたし、前半終了間際には中村からのクロスに大岩が反応してゴールを狙うようなシーンも
ケンペスが復帰したことによって、チームとしてゴールを狙う"型"がもう一度確認できたことになります。
まぁ、結局は「ケンペスがいないと…」ということになるのは残念ですけど、ケンペスに攻撃を頼っているわけではないですしね。
また、前線からのプレスが機能しており、高い位置でボールを奪えていたこといたこと。
そして、ダブルボランチからボールを回せており、ゲームを作れていること。
ケンペス、兵働、健太郎あたりのコンディションが非常に良いことも、大きなポイントになっているようにも思います。
それに加えて、この試合ではサイドで数的優位を作れて相手を崩せていた。
これまで左サイドでチャンスを作っていたことが多かったですが、この試合では右サイドからもクロスを上げられていたことが大きかったと思います。
また、サイドがダメならボランチを経由して、逆サイドへ展開。
あるいはその位置でミドルシュートや、縦へのパスというものも狙えていた。
そこが札幌戦よりも優れていた部分だと思いますし、多くの選手が1つの攻撃に対して効果的に絡めていたのではないでしょうか。
サイドでの数的優位は横浜FC戦でもできていた部分だと思いますし、逆に行き詰った時のミドルシュートは横浜FCでの教訓をうまく活かせていたのかもしれません。
そうやってみると、前節も悔しい試合だったものの、チームは順調に成長しているように捉えられるのかもしれません。
これらがうまく機能したのは、相手の守備の問題というのもあったでしょう。
特にボランチにおける愛媛の局面の守備は、甘さがあったと思いますし。
しかし、サイドで数的優位を作れたのも、ボランチの位置で優位に立てたのも、相手がゴール前を固めてきたからこそ。
ゴール前を固めてくる相手に弱さのあったジェフですから、1つの大きな指標になるのではないでしょうか。
欲を言えば、もう1点、2点と取りたかったところで、そこが大きな課題。
シュートだけでなくクロスの質なども含めて、やはり最後の精度が問題ですね。
けれども、やりたいというのは更に明確に見てて来たように思いますし、試合内容に関しては前向きにとらえてよいのではないかと思います。
サイドにおける数的優位やサイドを覗いてからの中央経由のサイドチェンジやミドルシュートは、さらに連携を深めていってほしいところですね。