町田「やりたい攻撃ができなかった」

 町田のコメント、ジェフの公式サイトとJ's GOALの方で若干内容が違いますね。

町田也真人「思っていた以上に自分たちがやりたい攻撃ができなかったというのが今日の印象です。前半から相手の裏を狙う攻めをしていて、なかなかチャンスができなくても焦れないでやろうと思っていたけど、自分や(大塚)翔平が下がってボールを受けすぎたところがあったと思います。例えば(第13節)山形戦の時は『3人目』の動きで相手を崩して得点したけど、今日はそういう攻撃がほとんどできなくて2人だけの関係の攻撃が多かったと思います。もっとコンビネーションで崩したかったです。」(J's GOAL

 ジェフの公式サイトでは、「もったいないプレーが多かった」と話しています。
 そして、距離感に関して「一人、二人はよかったが、3人目がよくなかったり、タイミングが合わなかった」とも。
 札幌戦では近くでパス交換をしている間に、ファーに選手が飛び出していってそこにボールが出せていました。
 その飛び出しが横浜FC戦では足りなかった印象です。


 距離感といっても、良いバランスを作るには簡単ではないですよね。
 例えばサイドでパスをつなぐだけなら、サイドに人数を固めればいいけれども、ゴール前に人がいなければ最終的なゴールにはつながりにくい。
 あるいは、左サイドでパスをつないでいるときに、右サイドでうまく受ける動きをする選手がいなければ大きな展開は作れない。
 だから、距離感は「長い」、「短い」以上に、良し悪しが問われるのでしょうが。


 また、どういった形で、良い距離感を作るのが理想なのかという部分もある。
 例えば札幌戦では両SHが外から中に入ってきて、大塚も状況に合わせて低い位置で受けていた。
 それによって相手ボランチの位置でジェフが数的優位を作れて、そこからの飛び出しやラストパスも狙えた。
 SHが良いタイミングで中に入ることで、SBも前に出ていけたと思いますし、それこそ良い距離感が作れていたと思います。
 まぁ、札幌のボランチエリアの守備が甘かったというのも大きかったのかもしれませんけれども、弱点を付けたとも言えるのかもしれません。


 横浜FC戦ではSHがうまくボールを中で受けられなかった印象で、プレーエリアが中途半端だった印象もあります。
 町田の言うとおり、大塚と町田も下がり過ぎたこともあって、ゴール前で受けられる選手も少なかった。
 ただ、中央にターゲットが足りないからこそ、サイドを確実に崩したいという狙いもあったかもしれないですし、そうなればそこから中に入って行く選手が少ないことが問題だったのかもしれない。
 この辺りはバランスが求められるところですから、難しいところだと思います。



 町田にとってはチャンスだったと思うのですが、プレーは物足りなかったですね。
 バイタルエリアでボールを受けても前を向けなかったし、仕掛けの部分もたりなかった。
 やはりフィジカルに課題がある分、囲まれると弱いところがあるのか…。


 また、この日はサイドでボールを受けるプレーが、多かった印象があります。
 相手のスペースを見定めて、そこにポジション取りしてボールを受けるのが得意な町田。
 そのため相手のボランチはフィジカルが強いと見て(あるいは自然とそう感じて)、相手のSBとSHの間あたりで受けるプレーが多かったのかな…とも。
 けれども、そこでボールを受けても相手にとって怖さはない。
 結果的にではありますが、相手の圧力の厳しいところから逃げてしまっているようにも見えなくもありませんでした。


 先週井出の話をした時にも言いましたが、昨年終盤から出場機会が増えて公式戦での怖さも知ってしまった部分があるのでしょうか。
 昨年終盤は思い切ってプレーして、周りをプレーで引っ張っていくような姿勢すら感じた部分があったのですが、それは「怖いもの知らず」だったからこそできたのか。
 どちらにせよ横浜FC戦での町田は、消極的だったように感じてしまいました。


 技術面やフィジカル面での課題はあるにせよ、その分素早く判断して素早くプレーすることによって、相手の網目を突くプレーが得意だったはずで。
 それをもう一度思い出して、やっていくしかないんじゃないかなと私は思います。
 確かに今年は主軸としてスタートしたからこそ自分の得意なプレーだけでなく、様々なことをやっていかなければいけなくなる必要性はあるのだと思います。
 その分の難しさを感じているところではあると思うのですが、そこであまりにも消極的になるのは良くないですね。

 このままだと、町田の将来も苦しくなってきてしまうように感じます。
 ぜひこの壁を乗り越えて、もう一度レギュラー争いに加わってほしいところではないでしょうか。