ピッチ上で失ったものはピッチ上で奪い返す

 思う通りに行かないのもサッカーの醍醐味とはいえ、それにしてもなかなか厳しい状況の続いているジェフ。
 昨年からメンバーも一部変わって新たなチャレンジを始めたこともあって、開幕戦ではうまくかみ合わず。
 それでも徐々に新加入選手との連携も含まっていき、熊本戦、水戸戦で2連勝。
 今季の戦い方も見えてきて、ゴールデンウィーク連戦までに熟成し、勢いを付けていければ…といったところで迎えた首位湘南戦で、0-6の大敗。
 そして、大敗のショックを引きずって先週は富山相手に1-1で引き分けと、残念な試合が続いてしまいました。


 個人的には富山戦における結果によって、継続性や方向性に関して問うのは少し違うのではないかなと思っております。
 あの試合は湘南戦によるダメージが大きすぎて、選手たちが全く動けていなかった印象をうけました。
 選手たちが動けない状況では、戦術やスタイル云々をいう段階以前の問題ですから、まず前提となる『戦う準備』が整っていなかったのではないかと。



 ただ、その中でもボランチや右サイドの守備など、この2試合で課題は見つかってきた。
 …というか、それらの問題は兵働がボランチ起用された熊本戦や、それ以前から抱えていたものだと思います。
 それが強敵だった湘南を相手にした試合やジェフの出来の悪かった富山戦で、より浮き彫りになっただけのこと。
 勝ち試合の中でも意識を高く持って行くことの重要性を改めて感じましたし、そういった点におけるジェフの甘さも再確認することができました。


 しかし、問題はわかったとしても、なかなか解決は簡単ではないかもしれません。
 守備の改善のためにボランチに守備的な選手をおけば、今度はビルドアップ面で課題が出るかもしれない。
 攻守両面で活躍できる選手が少なく、一方を獲れば一方が苦しむという状況になっている印象です。
 この辺りは個の能力における課題も大きく、個人能力に関しては湘南戦との大きな差を感じた部分でもあります。


 また、富山戦ではその湘南戦でのショックを引きずり、選手たちが自信を失っているような印象もありました。
 0-6での敗北など経験したことのない選手が多かったのかもしれませんが、それによって動揺した面があったのかもしれない。
 湘南戦での連続失点もそうでしたが、精神的な脆さも感じた部分があります



 まずは、ここから精神的に立ち直れるかどうかが、問われるところではないでしょうか。
 そして、立ち直ったとしてそこからより上を目指せるかどうかというところが、更なる問題ということになりますね。


 昨年はナム、キム、大塚、町田、高橋など若い選手たちが徐々に出場機会を得て、今季も山中や井出などが出場しており、町田に至ってはレギュラーの座を固めてきている印象です。
 それぞれに可能性を見せてくれていると思いますし、ジェフの将来において少しずつでも光を見せてくれているとは思います。
 けれども、実際問題としてそれぞれトップチームレベルでは不足分も感じるところがあり、現在のジェフを大きく変えるような救世主とはなり得ていない。
 ですから、若手選手に期待するのは大事ですが、過大評価するのは違うでしょう。


 例えばとして佐藤祥の出場を望む声もありますが、現時点でサポートの少ない右SBで起用されては相手に狙われ、蜂の巣にされてしまうかもしれない。
 思い起こすのは江尻監督初陣となった磐田戦での右SB益山起用で、益山はミラー監督の下でブレイクしかけていたにもかかわらず、あの試合で村井に何度も突破されその後の将来も変わってしまった印象があります。
 ですから、単純に若手を起用すればいいというものではないはずで、本人の実力・サポート両面において準備できた段階で起用しなければ、潰れてしまう可能性もある。


 同じように新戦力だとか監督交代などは目に見えて大きな変化を感じるので、打開策として好まれるところがあるとは思います。
 大きな変化は見る者にとっての閉塞感やマンネリ感を打開し、新鮮さを与えることにはなるのでしょう。
 けれども、実際にチームとして強くなっているかどうかはまた別の話で、ただ闇雲に目新しさばかりを要求しても意味はない。


 ともかく今のジェフは上積よりも地力を付けなければいけないというのは、湘南戦で痛いほど感じだところ。
 そのためには近道ばかりを探しても意味はないわけで、地味であっても我慢する部分は我慢する必要があるのでしょう。
 もちろん、どこを我慢すべきかは悩むべきところですが、今はつらくとも耐えることによって見えてくる部分もあると思います。
 大きな変化を求めるばかりではなく、着実に1つ1つ課題を修正していくことをまずはしてほしいと私は思います。
 今週末の試合でもスタメンは若干変わる可能性もあるようなので、それで問題が少しずつでも解決されればいいのですが…。



 まぁ、まずは富山戦でも引きずっていたように見えた、湘南戦のショックを払拭できるかどうか。
 そこに関しては、選手たちがピッチ上でやり遂げるしかないと私は思います。
 もしそのショックを払拭しここを乗り越えることができれば新しい何かが見えてくるかもしれないし、それがチームにおける成長・進化のきっかけになるかもしれない。
 けれども、逆にそれができなければ、このままこのチームが終わってしまう可能性もあるのかなとも感じています。
 チームが終わる…監督交代などだけではなく、ベテラン選手やTDなどもどうなるかわからない。
 またゼロからの…いや、もしかしたらマイナスからのスタートになるかもしれない。


 個人的には今のクラブに対して、非常に大きな危機感を感じています。
 けれども、それくらいの危機意識が今は必要なのではないかと思いますし、このクラブは一度崖っぷちに追い込まれた方が良いのかもしれない。
 ともかく、月曜日にも話した通り、ピッチ上で失ったものはピッチ上で奪い返すしかない。
 選手たち自らの手でそれをやり遂げてほしいと思います。



 明日は更新お休み。
 クラブの広報、群馬戦に向けて頑張っていますね。
 観客動員数の減少が激しく、それこそ危機感を持ってやってくれているのでしょうか。
 もっと早くから積極的なPR活動が出来ていれば…とも思ってしまいますが、今の姿勢のままその後も頑張ってほしいところです。


 5月3日の群馬戦『フクアリ満員大作戦!』の詳細はこちらから。
 これで私もPR部員になったことになります(笑)
 ブログをやっている身としては配布ロゴとかあると便利なのですけど、twitterなどがメインになりそうですから、これでいいのかな。
 けれど、twitterボタンとかもないし…と内容に関してはツッコミどころも多いのですけど、頑張っている印象は感じられるのでそれがまずは大事なのかもしれませんね。
 でも、何度でも言いますが、この1試合だけでなくこういった活動を続けていくことが大事なんだと私は思います。