天野「3失点目、4失点目はあれよあれよという感じで…」
天野貴史「もっと割り切って前に蹴ったり、相手の背後に蹴ってひっくり返すとかそういうのをするべきだったのかなと思います。(J's GOAL)
オシム監督の頃のジェフも3年目、4年目となると警戒されて、相手チームに引かれてロングボールを多用されるようになっていきました。
ロングボールによってプレスを掻い潜られ、引いて守られることで、後方からの飛び出しによる効果を減少させられた…と。
それもあってかオシム監督は、徐々にカウンターからパスをつなぐ方向にシフトしていった印象でした。
まぁ、もともとそういったチーム作りの計画だったのかもしれませんが。
ちょっと早いですけど、湘南としてはこれからそういった湘南対策を露骨にしてくるチームが増えるでしょうから、そういった相手にどうやって打ち勝つかが大事になってくるのかもいしれません。
それでも今の勢いならJ2レベルだと押し勝ってしまいそうですが、チームとしては再びJ1に上がってどうなのかと言うところなのでしょうしね。
敵ながら楽しみなチームで、オシム監督の頃のジェフを見ていたジェフ以外のサッカーファンというのも、これに近い気持ちだったのだろうなぁと思います。
まぁ、正直いろいろ悔しいですけどね…(笑)
「3失点目、4失点目はあれよあれよという感じで、今日は自分たちもまだ失点の原因が良く分からないので映像を見てしっかり修正したいと思います」
「あれよあれよ」と言われると、なんとなく第3者的な印象をうけてしまいますが、本当にそんな気分だったのでしょう。
試合直後らしい、感覚が先に来たコメントというか。
実際問題として、勝敗に関しては正直なかなか厳しいところがあったと思います。
できるとしても、傷穴をあそこまで大きなものにしないように対策を打てたかどうか…といったところではないでしょうか。
それほどまでに、地力の面で差が大きかったと思います。
もっと悪い予感を持つべきでした。構築中のスタイルで湘南に挑むのはリスクが高すぎた。プライドを捨てても、スペースを消して相手の長所を封じるほうが被害は少なかったはずです。それで勝てるとはいいませんし、そうすることが本当にいいかどうかもわかりません。ただ、0-6は回避できたのではないかというだけですが。(犬の生活)
西部謙司氏のメルマガ、いつも通り始めだけ読むことができるので冒頭だけまとめると、「ジェフからすると湘南は長崎のように相性の悪いスタイルだった」、「力の差を甘く見ていたのではないか」、「湘南対策はしていたが不十分だった」といったところでしょうか。
実際に読んでいただいた方がわかりやすいと思いますが。
大量失点を防ぐには、西部さんのおっしゃるようにスタイルの変更を変えることや、単純に守備面の課題克服も考えられると思います。
昨日も言ったような局面での寄せの向上や、ボランチなどのポジショニング修正。
また、細かな部分で最近気になっているのが、最終ラインがあまりにも左に寄りすぎていないかということ。
山口智が加入してからその傾向が見られるように思うのですが、2年前は若い武田のフォローということもあって、智が左に寄っているのかな?その分、右SBの大岩や高橋が大変だな…と感じていました。
また昨年は積極的なスプリントがウリだった米倉が右SBだったこともあって、米倉の前のスペースを空ける"左寄り"には、それなりにメリットもあったと思います。
けれども、今季はそういったメリットは今のところ感じられないにもかかわらず相変わらず左に寄っており、結果右SBと右SHは広範囲をカバーしなければならない状況になっている印象です。
智を含む左サイドの選手は守備範囲が狭くなって戦いやすいというのもあるでしょうけど、あれではどうしても右サイドが不利な状況で守備をしなければならない場面が増えてしまうのではないかと思うのですが…。
また失点に関しては、単純なミスも絡んでしまいました。
後半の中村のプレー選択の問題や後方でのビルドアップのイージーミスに関しては、これまでの試合でも目についていたところがあったわけで、常日頃からの意識の問題が大きいのではないでしょうか。
相手のレベルによっては大きな問題にならないミスでも、それを改善していく意識がなければ…。
そして、最後に精神的な問題。
冒頭の天野が「あれよあれよ」といった印象を受け「失点の原因が良くわからない」と話しているのも、連続失点の際に精神的にガクッと落ちていて、選手たちが混乱していたことを意味するのではないでしょうか。
スカパー!での解説だった水沼氏にも指摘されてしまいましたが、そういった際にベテランが多いのに失点時に誰も周りを鼓舞する選手がいない。
これはもう毎年の問題であり、リーダーシップを持った選手が出てこないことが、大きな問題としてあげられるのではないかと思います。
開幕前にキャプテンがなかなか決まらなかったことも、確固たるリーダーシップを持った選手がいないからという理由があったのかもしれません。
これらの改善点を克服して、前半途中までのような戦い方が続けられれば、あそこまでの大敗にはならなかったかもしれない。
それを克服することが大変なのかもしれませんが、生き残るためにはもうやるしかない状況なわけで。
リーダーシップに関しても、もうベテラン選手が周りを鼓舞できない状況であることはハッキリしてしまっているのだから、年齢に限らず若い選手たちもどんどん出てきてほしいところです。
1つ1つ失点の原因を見直して、二度とあのような大量失点にならないように修正していってほしいと思います。
そのための題材となるシーンは、いやと言うほど多数出てしまったわけですから。