兵働「自信を持って蹴ることができました」

兵働昭弘選手「FKは前日の練習で決めていたので、自信を持って蹴ることができました。あの角度は得意ですし。」(J's GOAL

 水戸戦の前半20分にFKを直接ねじ込み、先制ゴールをあげた兵働のコメントです。
 ゴール正面右寄りPA付近でのFKで直接狙うには良い位置だったと思うのですが、逆に相手GKとしては読みやすい状況で良く決めてくれました。
 立ち上がりから攻め続けるもゴールが決まらない状況で、ちょっと嫌な空気になりかけていた印象もありましたから、良い時間帯でのゴールだったのではないでしょうか。
 まぁ、水戸の出来もあまり良くなかったですから、そこまでの危機感はなかったですけど。



 今季は優秀なプレースキッカーが多数いることもあって、セットプレーからの得点の可能性が高まっている印象がありますね。
 前半6分にはケンペスがファーで合せて山口智がゴール前に飛び出す形がありましたが、あれも狙ってやったのではないかと思いますし、ゴールを狙うパターンが増えている印象です。
 相手チームに守備を固められることが多いジェフとしては、1つの武器として育て上げていきたいポイントの1つになりますね。


 キッカーに関しては水戸戦では兵働、中村、天野といて、山中も怪我から復帰すればもう1人候補が増える可能性があります。
 昨年も兵働と伊藤大介といった良いキッカーはいましたが、ポジションが重なっていることなどもあって同時起用は少なかったですし、2人に続く目立ったキッカーもいなかったと思います。
 それを考えれば、今オフの補強によって一気にプレースキッカーが増えた印象があります。
 これだけキッカーがいると、なんとなくチームもホンモノ感というか、それだけ強くなったような印象も受けなくもありません…(笑)



 今季はテクニックの兵働、様々なキックのある中村、パワーの山中、右の天野とキッカーだけで、様々なパターンが考えられますね。
 これによって、相手としては予測が難しくなるはずです。
 また、兵働のコメントでもあるように、それぞれに得意な位置というのがあるはずですから、それに合わせてキッカーを変えることもできる。
 実際、水戸戦でも兵働が決めた後にゴール正面では中村が狙うなどバリエーションが感じられましたし、ゴール前に合わせるFKやCKなどでも状況に応じたキッカーの選択が出来そうです。
 誰が蹴るのか…ということに関しては、見ている側としても楽しみにしたいところですね。


 一方で、ゴール前で合せる選手に関しては、足りなさも感じます。
 もともと小柄な選手の多いジェフ。
 水戸戦のスタメンではケンペス山口智、大岩あたりしか、高さのあるターゲットはいなかったように思います。
 もしこれに井出や山中もスタメン復帰すれば、なおさら全体的な身長は下がることになりますね。


 強靭なフィジカルを持つケンペス、足元の技術もある山口智、勢いのある大岩など、それぞれの選手には可能性を感じますが、欲を言えばもう1人、2人ターゲットがいるとマークが分散されてゴールが狙いやすいのではないかと思います。
 SBに竹内を使うなどすればもう1人強力なヘディンガーが増えることになりますが、天野を外すと右のキッカーがいなくなりますしね。
 右サイドからの攻撃にはまだ物足りなさを感じますし、天野は攻撃参加のタイミングも良くなってきて技術もある選手だと思いますから、出来れば課題を克服して定着してほしいところではないかと。
 そのためには空中戦は仕方ないにせよ、地上戦での対人守備をどうにか粘り強くやってほしいですね。
 天野の場合、横浜FMで近年出場機会が少なかったので試合勘の問題もあるのかもしれませんし、今後の改善に期待したいところではないでしょうか。


 そうなると、やはり水戸戦で途中出場した田代あたりに期待したいところか…。
 しかし、山口慶、兵働のコンビは少なくともコンディションは良さそうですし、今年は特にボランチに縦の動きが要求されていますので、なかなか田代のスタメン出場も簡単ではないのかもしれません。
 それでも将来的にはスタメン奪取を期待したい選手の1人ですけどね。



 ともかく、セットプレーの向上。
 守備においても今季これまでのところ大きな課題が見られませんし、昨シーズン前半は攻守にセットプレーの質が課題となっていた記憶がありますので、今年はぜひセットプレーで攻守に優位に立っていきたいところではないでしょうか。