今シーズン目指す三段階の攻撃
今季2試合目の土曜開催ということになった水戸戦ですけど、やはり土曜開催だと楽でいいですね。
翌日が日曜日ですから観戦するにしてもゆっくりできるし、ブログを書くのも上げるまでに1日空くし。
…後者は完全に自分のわがままですけど(笑)
まぁ、試合日程にしろ、メディアの扱いにしろ、審判の質にしろ、J2よりJ1優先となるのは仕方のないところ。
悔しかったらJ1に上がれと言われたら仕方のないことだし、、環境に不満をいう前にその悔しさを自分たちの成長につなげたいところではないかと私は思います
■兵働の直接FKで先制するも
井出が出場停止となったジェフは、田中がスタメン。
ベンチからは竹内、健太郎が外れ、田代、戸島、大塚が控えに選ばれました。
竹内、健太郎は怪我か何かでしょうか。
キャンプからここまで、コンディション不良や怪我の選手が多いですね。
状態の大小や現在進行形も関係なく考えるとナム、大塚、田代、町田、オナイウ、ケンペス、森本、碓井、栗山、山中あたりが、ここまでに怪我をしているはずです。
状態の面で考えると兵働、谷澤、キムあたりも良くなかったですし(キムは手術?)、これだけベストフォームの選手が少ないとなれば、どうしてもチーム作りも遅れてしまうかなと。
かといって、怪我を恐れて緩いトレーニングメニューを組むのも良くないでしょうし、シーズンを通して考えればある程度は怪我も覚悟していなければいけないのでしょうが、それにしても多すぎるような気がしますね。
まぁ、兵働、谷澤あたりはウェイトオーバー感もあったので、自己管理の問題なら自業自得ですが。
さて、試合の方はジェフが兵働を中心にパスを散らして、サイドアタックを仕掛ける展開。
特に前半は左サイドからの仕掛けが多く、中村のクロスからチャンスを作っていきます。
それに対して水戸は守備に重点を置きつつ、カウンターを狙う展開ですね。
水戸は前でボールを取れれば素早くそこから縦に仕掛け、後方でボールを奪った場合はFWめがけてアバウトにロングボールを蹴ってくる。
極端に後方に引くような守り方でもなかったと思うのですが、それでもかなりカウンター寄りのサッカーといった印象でした。
前半6分には、右サイドからのFKにケンペスが頭で合わせて、山口智が足元でシュートを狙うものの決めきれず。
前半10分にも、左CKから山口智がヘディングで直接ゴールを狙いますが枠外…とジェフの攻勢が続きます。
得点が動いたのは前半20分。
ゴール正面右寄りで得たFKを、兵働が直接狙います。
右隅を狙ったシュートは相手GKに触られたものの、そのままゴール。
ジェフが先制します。
その後もジェフが攻めこみます。
前半26分、後方からのロングボールをケンペスが頭で落として、セットプレーの流れで残っていたゴール前の大岩が足元で合せるもポスト直撃。
それを拾って再び大岩がシュートを放ちますが、GKに止められてしまいます。
前半33分にはケンペスが後方からのくさびのパスを相手バイタルエリアで受けて反転し、前を向きます。
そのままボールを持ち込んで、強烈なミドルシュートを放ちますが、GKがストップ。
チャンスを作るも決めきれない時間帯が続くと、前半40分。
ジェフが前掛かりになっていたところを水戸のカウンター。
ボールを奪われたところから、一気に前にパスを出されると、相手の攻撃陣が3人なのに対して、ジェフはCB2人の状況に。
馬場のシュートを一度は岡本がはじきますが、船谷に決められて同点とされてしまいます。
■後半開始直後に勝ち越し点
チャンスがあったにもかかわらず、前半終了間際に同点にされ、仕切り直しとなったジェフ。
嫌な流れでしたが、後半早々にゴールが生まれます。
左サイドで田中が抜け出してセンタリング。
先に相手DFに触られますが、ケンペスがうまく落として、谷澤が受けてミドルシュート。
前節と同じような位置からのシュートが決まって、勝ち越します。
その後も、ジェフが優勢のまま試合が進んでいきます。
水戸の攻撃機会もありましたが、ロングボールが主体で攻撃が単発になりがちでしたね。
しかし、ジェフも前半ほど左サイドの深い位置を攻め込めなくなっていきました。
水戸は後半から中村に対して、シャドーがしっかりと前を消す対策を取るようになったのではないか思います。
今後対戦するチームは、そういった対応が増えるかもしれませんね。
相手の中村対策もあって前半は左サイドからの攻撃に偏っていた印象もあったのですが、後半からは右SHの谷澤が何度か仕掛けていくなど、右からの攻撃が増えた印象もありました。
左右のバランスも考えて、谷澤が右SHで使われたのかもしれませんね。
けれども、後半10分にはジェフの右サイドからクロスを上げられ、クロスバー直撃のヘディングに繋がります。
好調に見える谷澤ですが守備では時折中途半端な動きをするシーンが目立ち、後半は右サイドを狙われていた感もありました。
谷澤は集中しているときは守備でも十分貢献できるのですが、そうでないときは守備時にフラフラとしていることがありますね。
後半25分には相手のパスミスから、町田が間でボールを受けて反転。
裏に走りこんだケンペスにパスを出すものの、相手DFに当たってしまいます。
しかし、これを田中が拾って、ケンペスに再びパス。
これが通ってGKと一対一になりますが、決めきれず…。
しかし、ショートカウンター気味の良い攻撃だったと思います。
ケンペスは前半26分、33分にも攻撃に絡み、2点目のゴールでも体を張って落とすなど、ゴール前の大事なところで良い動きが出来ていたと思います。
ただ、自身のゴールに関しては遠い印象で、昨年ほどの決定力というか神通力のようなものは感じませんね…(笑)
それでもゴール前での強さというのは、自分が決めなくても大きな武器になる印象です。
後半38分、相手が得た長めのFKから放たれたボールは直接岡本がキャッチしますが、大岩が相手選手を倒してPK。
前を取られた後に倒した流れでしたので、PKを取られても仕方がないでしょう。
この日のジェフはそれまでにも2度相手選手をPAで倒していましたし、危険なエリアでの対応には課題も感じました。
しかし、このPKを途中出場の鈴木隆行が蹴るも岡本がセーブし、なんとか同点の危機を脱します。
その後、ジェフは完全に守備固めにシフトしていきます。
それまでは追加点が欲しい気持ちもあったでしょうし、変に守備に回ると全体が後手に回ってしまう可能性もあり、動きにくかったと思います。
加えて選手たちの動きは悪くない上に、健太郎、竹内といったカードも不在だった影響もあったと思うのですが、このPKでやることははっきりしましたね。
守備に課題がある天野を下げて高さのあるキムを投入し、町田に変えて勇人を投入し前方のプレスを強化。
そして、ロスタイムには谷澤に変えて田代を投入。
田代、キムは今季初出場で、2人とも長めのボールを蹴ってくる水戸対策という意味合いもあったのではないでしょうか。
しかし、後半ロスタイムも4分を回ったところで、大岩がジェフのファール後にボールを蹴って遅延行為を取られ、2枚目のイエローで退場。
前節も山口慶や岡本が遅延でイエローを取られていましたが、ベテランのよくないところを学んでしまったんでしょうか…。
何でも審判のせいという流れで、自分たちの行為を反省しない雰囲気というのも良くないなとは常に思っているところですが、その影響もあったのか。
しかも、このカードはイエロー2枚目。
キムなど他にCBが出来る選手がいて、試合にもそのまま勝ったから良かったものの、反省してほしいプレーでしたね。
■コンディションの維持がベースに
試合内容からすれば、もう少し点差がついても良かったのかなといった印象をうけました。
言い方を変えれば、もう何点かはゴールを決めるべきだったろうとも言えるわけで、そこは大きな課題とも言えるでしょうが。
とはいえ、それだけ内容は良かったと思います。
1つは単純にコンディションが良くなっているということ。
前節から調子が上がってきた兵働、谷澤は、開幕からは見違えるほどの状態になっている印象で。
それに加えてケンペスも90分を通じてサボる時間がかなり短くなり、最後まで守備をしていました。
また田中も一時期より状態が良くなってきているように感じ、特に後半は良く動いて攻守に貢献してくれました。
また、今季やりたいサッカーも、ピッチ上で明確に見えてきたように思います。
まずは前でボールを奪って、1トップと2列目のアタッカーを中心にハーフカウンターを仕掛ける。
それがダメならボランチなどを中心にパスを展開しつつ、サイドからクロスでチャンスを作る。
この試合では前半に中村から良いクロスが上がっていましたし、徐々に中村もうまく周りの選手と絡めるようになってきましたね。
中村の前は谷澤のほうが良いのでは?と思ったのですが、この日左SHで使われた田中も意外とSBを使うのがうまいところもあるので、あれでよかったのかもしれません。
もう少し右も使えるといいのでしょうが。
そして、ショートカウンターもサイド攻撃もダメなら、セットプレーを狙うと。
サイドを深く攻め込むことが出来ればCKも取りやすいし、今年はプレースキッカーも豊富。
もう少しターゲットが多いといいのでしょうけど、昨年よりは可能性を感じるようになったのではないでしょうか。
欲を言えば、後方でのビルドアップのミスを減らすことでしょうか。
この試合でもCB2人と兵働あたりでつないでいて、何度か危ないシーンになってしまうことが何度かありましたし、そこは気を付けないと。
また、攻撃においては、右だけでなく中央からの崩しが足りないですね。
町田が良いタイミングで動き出し、そこにボールが展開は何度か作れたのですが、そこでうまく収めきれなかったり、そこから町田のパスがずれてしまったり…。
もう少し町田がそこでの精度を上げていけば、中央からの展開も作れるようになると思うのですが。
とはいえ、プレスからのショートカウンター、サイドからのクロス、セットプレーからの攻撃…という三段階の攻撃が今年のやりたいサッカーなのでしょうし、結果も出始めてきました。
まぁ、始めの2つはもともと鈴木監督が目指していると公言していたサッカーですから、それにより近づいてきたとも言えるのではないでしょうか。
良いベクトルに乗り始めてきていると思いますので、この流れを維持するためにもそれぞれの選手がコンディションを維持することが、今はすごく大事なのではないかなと思います。
やりたいサッカーがはっきりしていても、動けなければ元も子もないですからね。