今こそ初心に帰ってサッカーを

 さて、山中の話ということで昨日の話にも組み込めたわけですが、あえてサッカーとは一緒にしたくなかった。
 というか、むしろ言葉にもしたくない出来事が岡山戦後にありました。
 今回の件は明らかに許し難い内容で、本筋に関してはそれ以上言えることもないでしょう。
 わざわざ触れたくもないレベルの内容ですが、取り上げないのも違う気がしますし、穏便に済ませるというのも嫌ですしね。


 説明するまでもなく山中は柏下部組織出身の選手で、柏に愛着もあり、ジェフに移籍する際も非常に悩んだという話だったです。
 にもかかわらず、その山中にあのようなマフラーを渡すという考えが、私には理解できません。
 もしかしたら、軽い気持ちでそのような行動に至ったのかもしれません。


 けれども、あのような行為が自然な流れで許される雰囲気があるのなら、なおさら深刻な気もします。
 普段から選手の気持ちをどこまで考えられているのか。
 選手のことを考えてこそのサポートと言えるはずではないのか。
 結果的にチームの初勝利にも、山中のゴールにも泥を塗ったことになる事件だったのではないかと思います。



 もし自分が他クラブの関係者ならこのようなチームに選手を送り出したくないし、選手としても移籍したくないんじゃないでしょうか。
 移籍した選手からすれば加入早々たった一試合でバスを囲まれるわ、山中に至ってはレンタル元を誹謗するようなものを渡されるわ…。
 サポとの関係は散々ですよね。


 だからこそ、クラブも発表を急いだのではないでしょうか。
 柏に限らず他チームとは試合となればライバルですが、移籍関係などピッチを離れれば友好関係を築いておかなければいけない相手。
 最悪、今後の補強にも影響を与えかねませんし、山中に限らず他への影響も考えなければならない。
 よって、今回のことは許せるものではなく、クラブの対応も悪かったし、柏とは今後も良い関係を維持していきたいと発表したと。
 当たり前のことですが、全面的な謝罪をしざるを得なかったと。
 山中にもわざわざこんなことを言わせて、本当に申し訳ないことですね。



 クラブは今厳しい状況にあると思います。
 観客動員は大幅に低迷し、クラブライセンスで無理な補強をすることも出来ず、増税による影響なども出てくるかもしれない。
 集客の問題はフロントの責任…と言いたいところではありますが、今回のような件が起こってしまうと一概にそうとも言えなくなるでしょう。


 厳しいクラブ状況に、サポがとどめを刺すのか。
 逆に一致団結して、ここから頑張れるのか。
 様々なものが問われるシーズンになりそうな気がします。



 さて、話は変わって、今週末は東京V戦です。
 開幕前の東京Vは資金難の影響で、中島をFC東京に、吉野を広島に完全移籍。
 その後、中島は富山に、吉野は東京Vにレンタル移籍という形になっています。
 こちらの記事などに詳しく書かれています。
 また飯尾、西、巻などが退団。
 一方で田村、平本などを補強しています。


 経営難を考慮すれば、それなりに選手を残し穴埋めも出来たのかなとは思ったのですが、実際の試合を見ると継続性はほとんど感じられない印象で。
 フォーメーションも4バックに変わり、印象的だったボランチからのサイドへの展開というのもなくなって、ほぼ一からから作り直しているようにも見えてしまいました。
 昨年も頻繁にスタイルを変えた印象のあった三浦泰年監督ですが、今年も同じような1年になるのでしょうか。



 しかし、松本山雅、群馬に敗れて開幕から2連敗となった東京Vですから、強い気持ちを持って戦ってくるのではないかと予想されます。
 ジェフとしては前節同様スタートではしっかりと守備から入り、後半途中から兵働などを使って攻撃に変化をつけていく感じになるのでしょうか。
 けれども、できればスタートのメンバーでも、もっと決定的な攻撃の形を作れるようになっていきたいところ。
 そして、あの堅い守備を保ちつつ、点の取れるチームになることが今考えられる理想なのかなと。
 そうなるとやはりケンペスは、スーパーサブ的な扱いでしか使えなくなってしまうかもしれませんが…。


 攻撃面を改善するためにも、昨日も話したように新メンバーとのコンビネーションを高めていくことが目下の目標ではないかと思います。
 具体的に言えば山中のタスクや両SBの有効な攻撃参加の形などを、より明確にしていきたいところなのではないでしょうか。
 前への動きという新たなチャレンジをしているボランチに関しては、健太郎も話しているように一方のボランチが少し下がることで、徐々にバランスが良くなってきているように感じました。
 これによってサイドチェンジも有効にできるようになっていった印象ですし、新加入の選手も今後試合を積んで向上していく可能性は十分にあるでしょう。
 今はそこに期待したいところですね。


 攻撃においては、前節途中から右SBで起用された竹内が良い動きを見せてくれていました。
 鈴木監督も攻撃のために起用したと話しているわけですが、ポイントとなったのは監督の言う「ランニング」ではないでしょうか。
 ボランチが前に出ていくことになった上、森本、町田、山中、田中と走れる選手がスタメンで起用された。
 そのため全体の運動量は増している印象があるのですけど、一方で思い切って長い距離をスプリントするような動きはまだ足りない印象もあります。
 中村、天野もまだ飛び出していく回数が少ない気がしますし、そういった動きが出てくればよりダイナミックな攻撃が出来るようになっていくのではないでしょうか。



 開幕戦に続いて第2節でも周囲が騒がしくなってしまったのは、非常に残念なことだと思います。
 ジェフ以外でも問題が起こっておりますが他人ごとではないと思いますし、今こそ初心に帰ってサッカーに集中し、純粋にクラブを応援する気持ちが必要なのではないかなと私は感じております。
 サポーターなど周囲も含めて"サッカー文化"なのだと思いますし、起こってしまったことはしっかりと対応するとして、大事なのは今後変われるかどうかがなのではないでしょうか。



 明日、明後日は更新お休み。