3バック対策としての新たな狙い
昨日のエントリーに関して、多くの反応をしてくださいまして、ありがとうございました。
少しあの話の続きをすると、07年のジェフは非常に雰囲気が悪かった…。
キックオフ前からブーイングが起こり、試合中にも多くの野次が飛び交うなど、異様な状況だったと思います。
しかし、自分は心のどこかでその雰囲気に「さすがにおかしいだろう」と気付いていたところもあったはずなのに、当時のブログではっきりとそれを書いていなかった。
そんな中、「このような雰囲気では結果が出るはずもない」という文章を他サポのサイトで読んで、ハッと気付かされたことがありました。
自分は数少ないアマル監督支持派だったにもかかわらず、あの雰囲気の異様さをそれまで指摘することができずにいた。
当たり前とも言えることを他サポに気付かされ、それまで自分が指摘できなかったということは、すごく悔しく、恥ずかしく、残念なことでした。
本来ならばそういった問題に対しては、"ジェフ"の内部で気づき、自分たちで解決すべきことなはずで。
そのような想いが根底にあって、昨日のような文章を書かなければいけないのではないかと思った次第です。
もちろんそれが実際にどこまでの効果を生むのかというのは判断しがたいところがあり、自分が正しいのかどうかもまだわかりませんが、「おかしい」と思ったことを素直に言わないというのはある種の「逃げ」ではないかと…。
また07年のように後悔するのではないかと。
ですから、個人的には他チームの内部事情にかかわるような繊細なことにはあまり土足で突っ込むようなことはしたくないし、他所でもそういった文章を読むのはあまり好きではありません。
あくまでも第三者として、他サポ目線で他チームを見る場合は別だとしても。
一方で07年当時は私も行き過ぎた文章を書いてしまったこともあり、関係者に不快な思いをさせてしまいました。
それに関しては今でも反省しております。
当たり前のことながら、どういった立場だとしてもどのような相手にしても周囲への尊敬の念は失わないようにしなければいけないと思います。
現状のフクアリの雰囲気は、当時ほど荒れたものではないと思っています。
けれども、今後あの頃のような状況になる可能性はあるのではないかと感じますし、今は素直に心配しております。
もちろんチームやフロントに対して、いろいろな意見があってしかるべきでしょう。
しかし、試合終了の笛がなるまでは、雑念など捨てて試合に集中し応援すべきではないかと私は思っております。
さて、話は変わって、明後日開催される岡山戦に向けてのお話。
開幕戦での岡山はホームで富山を迎え撃ちましたが、スコアレスドローに終わっています。
ジェフから加入した久保は、ベンチにも入っていませんでしたね…。
荒田は途中出場、竹田はスタメンフル出場となっています。
岡山の基本的な戦術は、昨年までと同じだと思います。
竹田を中心に3バックからサイドへ斜めにボールを展開し、サイドを起点として、裏へ飛び出す前線へ斜めにラストパスを出す。
この斜めの展開が、岡山の特徴ではないでしょうか。
ウイングバックが前を向けないときは、シャドーやボランチなどがフォローに入り、サイドで数的優位を作ってチャンスメイクを狙うというのも特徴だと思います。
ジェフの守備はDFラインの裏への対応に課題がありますから、そこが1つの勝負どころになるのかなと思います。
大岩は前への潰しや空中戦では強さを見せてくれていますが、キムほど後方への純粋なスピードはないので、その分うまく先手を取るポジショニングや予測能力が求められるのではないでしょうか。
一方でサイドの守備にも不安があったジェフですが、開幕戦のように山中、田中がスタメンとなれば、サイドの守備は昨年より計算できるところがあるのかなとも感じる部分があります。
また、攻撃面においては相手が3バックですから、両サイドの裏が1つの狙いになるのではないかと思います。
しかし、昨年のジェフは5バック気味に守られることも多く、そこへの攻略が1つの課題でした。
昨年は1つの狙いとしてスルーパスがあったわけですが、5バックだと4バック以上に選手間の横の距離が狭まりますから、スルーパスを通しにくくなるという問題がありました。
今年の開幕戦でも兵働からのスルーパスやケンペスから田中へ決定的なスルーパス(しかし、田中が転んでチャンスにはならず)がありましたから、今年もそこは継続して狙っていくのでしょう。
開幕戦ではもう少しスルーパスの数を増やせればよかったのでしょうが、その前のパスワークの時点で課題が見られてしまいました。
ただ、開幕戦は相手が4バックだったので比較的スルーパスも狙いやすかったですが、今回の相手は3バック。
昨年苦しんだ「3バックをどう打開するのか」…というところが1つの見どころとなるわけですが、今年は引いた相手に対してサイドからのクロスをより積極的に狙っていこうというサッカーになっています。
もちろん去年も米倉の高精度のクロスは大きな武器となりましたが、今年は中村、山中、天野と精度の高いクロスボールを蹴ることができる選手が増えたこと。
しかも、米倉は前にスペースを消されると弱いため実質5バック相手には苦しみましたが、中村や山中といった選手は強引なドリブルも持っているため、スペースがなくてもチャンスを作れるかもしれないということ。
そのあたりが3バック対策として、新たな狙いになる可能性を秘めているのではないでしょうか。
ただ、もちろん狙い通りに事が運ぶとも限らない。
3バックの柏相手にはむしろサイドからの展開を狙いすぎて、攻撃のバランスが悪くなってしまった印象も受けました。
また、昨シーズン終盤は右SH兵働、左SH田中である程度固定され、連携も深まっていったため、兵働が少し下がってパスの出し手となって、田中が前に飛び出すという役割分担がはっきりとできていった。
その結果、ゴール前にも厚みが増し、決定機におけるケンペスのフォローが明確になっていました。
しかし、今年は可能性を求めて(あるいは兵働のコンディションもあって)、クロスを出せる山中を起用している。
山中自身のポテンシャルがかなり高く、サイドに回れば高質なクロスを出せる選手だと思うのですが、まだチーム内においての役割分担は明確ではなく連携も不足している部分を感じる。
山中はいろんな仕事が出来てしまうからこそ、明確な役割が決まりきれていないというところもあるのかもしれません。
それでもどちらかと言えばサイドも含めて前に出ていく選手だと思いますから、それもあって今年はボランチが前に出ていき、途中からの兵働ボランチ起用も有効に機能したところがあるのではないかと思います。
ならばスタートから兵働をボランチで…とも思うのですが、それだと運動量やスタミナ、守備面で不安が残る…といったところが悩ましいですね。
ボランチが出ていく形も柏戦に比べれば確実に連携は深まっていた印象ですが、まだ完全にはモノにし切れておらず、山中の使い方・使われ方も含めて完成度を高めていかなければいけない。
しかし、個人的にはこのあたりが、逆に伸び代とも言えるところだと思います。
完成度を早めるに越したことはないですけど、完成度と可能性は反比例する場合もあり、完成度ばかりを急いでは可能性を打ち消すことにもなりかねませんからね。
幸か不幸か、第2節もホーム・フクアリでの開催です。
不穏な雰囲気のまま試合を迎えるのか。
それとも様々なものを払拭して、結果が残せるのか。
ホーム連続開催が良い方向に出るといいですね…。
明日、明後日は更新お休み。