継続性を選んだからこその楽しみ方

 改めまして、16日日曜日にちばぎんカップ・ジェフ対柏戦が行われます。
 昨年は3-0でジェフの勝利。
 昨年のジェフの中でも一番良い試合だったなんていう意見も聞いたりしますが、様々な理由があったと思います。


 1つにはネルシーニョ監督になってからの柏は、あまりちばぎんカップに力を注いでいないのではないか…という観点。
 今やちばぎんカップは両チーム関係者に限らず注目の一戦となっていますしライバルチームから手の内を隠したいという思いや、開幕まで1週間空くため調整面なども考えてちばぎんカップには合わせてこないという部分面もあるのではないでしょうか。
 このあたりは勝負にこだわるネルシーニョ監督らしいとも言えると思いますし、それはそれで興味深いところもあるのではないかと思います。


 実際、柏は23日にも栃木プレシーズンマッチを行うようですし。
 まぁ、ちょっとそれは寂しい部分もなくはありませんが…(笑)
 またここ数年は柏がJ1でジェフがJ2ですから、どうしても柏の選手たちがジェフを下に見てしまう部分もあるのかもしれません。
 これに関しては、ジェフ側の問題と言えると思うのですが。



 もう1つの理由として、ジェフにとって柏は格上のチームであり、守備的に引いてくるようなサッカーをしてこないこと。
 実際にJ2でもG大阪戦や神戸戦では同様の試合が出来ており結果も残せていますし、天皇杯FC東京戦でも良い試合が出来ていた。
 逆に言えば公式戦で苦しんだのは、やはり引いてくる相手に対して結果を残すことであり、引いた相手に苦しむのはサッカーの質の問題というよりは(チームが強い・弱いという問題ではなく)また"違った種類の難しさ"だったのではないかと思います。


 これらの理由により、公式戦に向けては参考にしづらい面はどうしてもあると思います。
 昨年ブログに書いた観想でも相手が本気ではなかったこと、遅行の面の物足りなさ、ジャイールは前を切られると弱そう…なんて話をしていましたけど、実際開幕してからは苦しみましたしあくまでもプレシーズンマッチとしてみる必要はあるのだろうなと思います。
 逆に今年はジェフの方が、いろんなことをテストしてくる可能性もありかもしれませんしね。
 特に今年は鈴木監督2年目で昨年1年間の経験があるわけですから、開幕までに様々なことを試して可能性を広げるということも重要になってくるかもしれませんし。



 可能性という面においては、やはり新加入の選手に注目が集まりますね。
 特に中村、天野といった両SBにおけるスタメン候補の攻撃参加の質に関して。
 そして、田代の守備面での貢献に期待したいところです。
 個人的には、田代と誰のボランチコンビを選ぶのかが、今季のスタメンですごく気になるポイントです。
 ビルドアップの健太郎か、運動量と守備の山口慶か、飛び出しの勇人か…。


 それに関連して、ボールの運び方がどう変わっていくのか。
 昨年はボランチとSBの高橋でボールを回していただけに、ボランチと高橋が変わることになればボールの流れが変化する部分は当然出てくるはずで。
 健太郎や高橋を中心としたパス回しは正確ではありましたが、堅実すぎる嫌いもあり限界に近いものを感じたところもありますから、いい意味での変化を期待したいところです。



 もしかしたら、その変化によって開幕当初は昨年終盤ほどのパスワークが出来ない可能性もあるかもしれませんが、チームを多少いじることによって可能性を広げる必要もあると思います。
 もともとベテランが多く伸び代には不安があるチーム体制なだけに、積み重ねつつ壊しつつ…ということをやっていかなければいけないのではないかと。
 もちろん昨年のパスサッカーのイメージはチームに残っているだろうし、モデルがある分目標は明確に見えているので、一部を壊しても再構築しやすいというメリットは大きいと思うのですけど。


 チームとしての大枠は変えずに、内部を変化し向上させていくイメージになるのかなと。
 だから、その大枠のモデルである4-5-1のシステムに関しては、何かがなければ大きくは変えないだろうなと思いますし。
 逆に辛抱できずコロコロと変える指導者というのは、問題を抱えていることも多いですからね。
 オシム監督の場合は柔軟なフォーメーションというのが"システム"でしたから毎試合のように変化がありましたけど、普通はそうではないですしね。
 ファンやサポは新しさを求めて新システムを期待する傾向が強いのかもしれませんけど、むしろ現状だと変わり始めた時のほうが危ないのかなと私は思います。



 その他に気になるのは2列目の若い選手たちで、シーズンを考えれば彼らのブレイクにも期待したいところです。
 町田はチームの中心になりきれるのか。
 大塚やナム、井出がシーズンを通して活躍できるのか。
 そこにベテラン選手たちがどう立ち塞がるのか、見どころはたくさんあると思います。
 トップ下は候補が多い一方、SHはこなせる選手が少ない印象もありますから、そこも注目したいですね。


 また個人的には森本の復活(と言っていいのかどうか…)にも、期待しております。
 キャンプレポートを見る限りだとかなり精悍な印象を受けますから、今年こそはやってくれるのかなと。
 ケンペスが疲れてくる夏頃にポジションを争えるようになれば…と思っていたのですが、もっと早い段階から森本が活躍してくれればチームに大きな刺激を与えられるかもしれません。
 森本が良いプレーをしてくれれば、ケンペスのサボる時間も減ってくるかもしれませんしね(笑)



 その他にも、山口智を脅かす存在が現れるのか。
 山中はジョーカーとして活躍してくれるのか。
 谷澤の復活や田中の二桁ゴールは見られるのか…と、気になることはたくさん。


 今年は監督も継続し目立った補強もありませんでしたけど、継続性を選んだからこそこの時期からチームや選手をより深く見ることができ、上記に列挙したような観点で楽しむこともできるのではないかと思います。
 これが新規チームとなると「とりあえず開幕から数戦は様子を見てみましょう」としか、言えなくなってしまいますからね(笑)
 注目したいポイントはまだまだたくさんあると思いますが上げていくとキリがないですので、まずは第20回大会を迎えるちばぎんカップで実際に試合が見られることを楽しみにしたいと思います。
 今年のスローガン『FUN』ということですが、昨年のジェフはネガティブな雰囲気が強かったと思いますし、サポやファンも前向きに楽しんでチームを盛り上げていけるといいですね。