新加入の田代、中村、天野が主力候補組に

 先日のFC琉球戦では、田代、中村、天野と新加入の選手たちがスタメン候補の多かった2試合目に出場。
 いくら期待されている選手たちとはいえ、練習で良くなければ主力候補組では起用されないのではないかとも考えますし、まずはチームにとっても新加入の選手たちにとっても明るいスタートと言えるのではないでしょうか。
 今年は補強の数が少なかったとはいえ、その分質が伴っていれば悪くはないと思いますし、この調子でチームにプラス面をもたらしてほしいところです。



 ちょっと古いネタになりますが、沖縄キャンプ前にウェブ上に出ていた新加入選手のコメントを取り上げたいと思います。
 J's GOALは今年、どこのキャンプにもいかないんですかね…。
 予算が厳しいのか、海外キャンプも増えてきたからなのか。
 ちょっと残念です。


 始めの2つは、西部謙司さんの犬の生活メルマガから。
 ただし、ご紹介するのはエルゴラの片村光博さんが、今年の練習初日を取材されたもののようです。
 片村さんは栃木担当ということでしたが、今年はジェフも担当されるのでしょうか。

天野貴史「みんな明るくて雰囲気も良い。キツかったけど、楽しかった。(中略)(見てほしいプレーは?)攻撃の部分。飛び出しだったりクロスだったり、サイドハーフとトップに絡んでとにかくゴール前に顔を出していけたら。もう一つは戦う姿勢、ファイティングスピリット。最後まであきらめない姿勢を見てもらって、感動してもらえるようなプレーがしたい」(犬の生活WEBマガジン

 まずは天野に関して。
 高木などもそうですが、今年は性格の明るい選手が何人か入ってくれましたね。
 ジェフは比較的真面目で静かな選手が多いイメージがありますし、チームの雰囲気を盛り上げるという意味でもこういった選手たちは大事ではないかと思います。
 試合でもコーチングなどが足りていない印象がありますから、天野にはぜひとも早期にチームに馴染んでもらって、気持ちの面で他の選手に良い影響を与えてほしいところではないでしょうか。


 こういった選手のキャラクターの部分というのは、ポジションやプレースタイルとは別視点で見なければいけないところがあると思います。
 チームを多面的に見ていかなければらないのが補強の難しさを感じるところでもありますが、少なくとも天野はポジションにおいても右SBということで足りていないところでしたから、ちょうど良い補強となったのかもしれませんね。
 あとは守備面で、どれだけ頑張ってもらえるかどうか…というところはありますが。 

田代真一「(ボランチでのプレーについては話した?)(佐藤)健太郎さんとどういうタイプなのかという話や、監督にどういう理想があるのかという話をした。」

 田代はキャンプレポート Vol.9でも「いろいろなポジションの人の話を聞いて学んでいる」という話をしていますし、勉強熱心な選手なんでしょうか。
 このチームは昨年1年間やってきてベースはできているわけですから、ボランチのタスクも基本的には大きく変わらないはずで。
 昨年戦ってきた選手からしっかりと情報を聞き出して、ボランチの軸として戦ってほしいと私は思います。



 続いては千葉日報から。

中村は「山形の時は判断悪く仕掛けて、ボールを取られることもあった。メリハリをつけてプレーしたい」と意欲を語った。(千葉日報

 中村に関しては前にも話しましたけど、狭いエリアでもドリブルで突破できる部分を期待したいですね。
 よく米倉と左右を逆にして…という話をしていますが、米倉は相手選手が前のスペースを消してくると一気に弱さが出るなどの課題がありました。
 スピードに乗った状況でボールを受けた時のプレーの質というのは目を見張るものがありましたが、スペースがないと良さを出せない分、左でためてからの展開というサイドチェンジの形を作ってあげる必要があった。


 しかし、ドリブルで仕掛けられる中村などがその役割を果たせれば、そこまでスペースは必要ないかもしれないし、相手が後方に引きこもった時でも打開できるかもしれない。
 U-22アジアカップでの山中もそうでしたが、前に選手がいたとしてもタッチライン際を走っていってクロスを上げる…なんてことも、本職のSBならより期待できるかもしれません。
 もしかしたらこのあたりが、昨年苦しんだ「引いた相手を崩す」という点においての1つの答えになるかもしれないと期待しております。
 その仕掛けの部分をより効果的に使うためにも、プレーの判断や仕掛けのタイミングという部分を向上させていく必要があるのかもしれませんね。



 それに加えて昨年は高橋が左SBで起用されていましたが、クロスの質には課題がありました。
 しかし、今年は右に天野、左に中村か山中ということで、左右から質の高いクロスを上げられるかもしれませんから、それも打開力改善につながる可能性があるのではないでしょうか。
 1トップ候補ケンペス、森本はヘディングで合わせる上手さがあることがわかっているからこその、今オフのクロッサー補強という面もあったのかなと思わなくもありません。
 そうであるのなら、これも1つの継続性がなせる業ではないかと思うのですが。


 そう考えていくと、レギュラーだった両SBが抜けた今季ですが、SBでプラスが作れる可能性も十分あるのではないかと思います。
 もちろんビルドアップ面、守備面は心配ですし、中村だと判断の部分だとか天野だとサイズとパワーの部分だとか、それぞれ個々の課題はあるかもしれません。
 しかし、クロスや仕掛けの部分は今年の方が期待できるかもしれないし、それによってよりサイドをえぐれる形が作れれば、毎年の課題である「引いた相手を崩す」部分が克服できればプラス面は大きいかもしれませんね。