新体制発表会・サポコミに関する観想
【レポート】2014新体制発表会見(ジェフ公式サイト)
【レポート】サポーターコミュニケーションについて(ジェフ公式サイト)
【2014シーズン始動!】千葉:新体制会見での出席者コメント(1)(J's GOAL)
【2014シーズン始動!】千葉:新体制会見での出席者コメント(2)(J's GOAL)
先日行われた新体制発表会・サポーターコミュニケーションの議事録が、ジェフの公式サイトにて公開されました。
いつもよりも早いアップで、広報の方が頑張ったのでしょうか。
お疲れ様でした。
運営方法などに関しては先日お話しましたが、議事録を読んでの感想は文章にされたことで実際よりもわかりやすくなかったかなと(笑)
斎藤TDを含め登壇者や質問者もそうですが、緊張していたことによって伝えたいことがうまく伝えきれなかった印象も強かったですので、文章になってかなり整理された印象です。
PDFファイルでアップされた資料に「今年は意見交換の場を設ける」と書かれていますが、本当に「議論をする場」として考えるのであれば少人数でやっていく形式の方が良いのかなとも思わなくもありません。
このあたりはサポーター側も含めて、どのようなやり方が好ましいのか真剣に考えて行く必要がありそうです。
さて、新体制発表会とサポコミの内容に関してですが、先日も話した通り基本的には現状維持の体勢で臨むこともあって、お話も無難な内容が多かったのかなと思います。
しかし、その中でもいくつかの気になる点というか、個人的にフロントの方達から「聞けて良かった」と感じる点があります。
最も印象に残ったのは、島田社長から「今季のJ1昇格」という話が出なかったこと(いきなり「"聞けて"良かった」じゃないじゃん…という突込みはともかく)。
これまで毎年のように単年でのJ1昇格を掲げては失敗を続けてきたジェフですから、ようやくその反省を活かしたことになるのではないかと思います。
もちろん鈴木監督は選手同様に、J1昇格を目標と話しています。
監督目線で言えば今年昇格できなければ退団という可能性も出てくるかもしれませんし、現場としては結果に対してベストを尽くすということになのでしょう。
しかし、今回の社長と斉藤TDの発言からは、「チームの作り直し」に対する意欲を非常に強く感じました。
島田社長が「根底から変えていかなければいけない」という斉藤TDの進言を受けて、「作り直し」を目指すに至ったというのポイントで、どちらか一方ではなく社長とTDの中でしっかりと連携が取れた上で、その方向性で行こうと決めたのでしょう。
これはこれまで単年の成績ばかりを求め、補強もベテラン重視で将来性がなかなか築けなかったジェフにおいて、非常に大きく重要な変化だと思います。
今までは親会社からの要求もあって単年での結果を求めてきたのかなと思っていたのですが、フロントの考え方にも問題があったということなのでしょうか。
実際そういったプレッシャーもあったかとは想像できますし、今年はそれを跳ね除けようとしているのかもしれませんが。
斉藤TDが「年齢の高い選手の補強は考えていない」と話していることも重要ですね。
とはいえ、今オフでは中堅年代の放出も多く実際の年齢層の変化は少ないのではないかと思いますから、このあたりはもう少し突っ込んだ話も聞きたいところでしたが。
次に鈴木監督のコメントで、「選手として自立すること」「自分で考えてプレーするようになること」という話が出ていました。
これに関しては、ちょうど前日にアップした当ブログでも同じようなことを書いていただけに、個人的には溜飲が下がる気持ちでした。
昨年の選手を振り返って一番足りないのは、そこだったのではないかと。
戦術・約束事などは昨年ある程度出来ていただけに、そこからのプラスアルファとして「自分でどうにかしよう」という意識が希薄だったように思います。
しかし、実際には実績ある選手たちが多いわりには自分たちで考えているように感じないことが多く、どこか他人に責任を押し付けているようにも感じることがあるというか。
選手を甘やかしてしまう環境にあるのか、サポも何かと選手よりも監督やフロントに批判の目が向くことが多い印象ですし、ここは応援する側も変わっていかなければいけない部分がある気がします。
後半のサポコミでは、サポコミに鈴木監督が登壇すべきではないかという質問もありました。
しかし、それに対して社長はしっかりと否定しております。
どういった形が良いかは別として、社長は監督を守ろうという考えから、あのような発言になったのではないかと思います。
以前のサポコミでも神戸前TDへの解任を期待するような質問に対してきっぱりと断っておりますし、このあたりは島田社長に好感のもてる部分ではないでしょうか。
社長がクラブやクラブの方向性、監督やスタッフ、選手を守れるかどうかというのは極めて大事なことだと思いますし、これはクラブチームに限ったことでもないのでしょう。
試合前のサポへの選手の挨拶がなくなったことも一部で批判が出ているそうなのですけど、それもどうなのかと私は思いますし。
選手が一番試合に集中したいであろう時間に、サポの前で挨拶をさせる…。
チーム側がそれを許可して"やってくれる"形であればいいのでしょうが、サポ側がそれをある意味で"強要する"ような形というのは私はおかしいと思いますし、クラブ・チーム側は選手を守ったことになるのではないでしょうか。
その他の質問では引いて守る相手にどう戦うのか…という話もありました。
この質問をしたのが小さなお子さんで、一番ハキハキと質問されていたので、ジェフサポの将来は明るいな、私も世代交代を考えないとな…なんて思ってしまいましたが(笑)
しかし、3バックへの変更などの話に対してもそうですけど、質問の内容にどうこう言いたいのではないものの、実際問題として細かな部分での解決案というのは、そういった場で出てくるものではないですよね。
『特効薬』があるのであればジェフに限らずどのチームも既にやっているだろうし、やられた戦術・戦法には対策が取られてしまう。
それがスポーツの楽しさであり難しさであって、サッカーにかかわる世界の関係者全員がどうやって点を取り、勝点を伸ばすかに対して、同じように悩んでいるはずで。
ゲームではないのだから、必殺シュートもなければ魔法をかけらえる監督もいない。
3バックに変えたら変えたで他の問題が出てくるであろうことは見えていますし(そういえばオシムさんの頃も4バック待望論はありましたね)、フォルランだってまだJで活躍できるかどうかはわからないわけで(笑)
なにせジェフは4年間J2でほぼ同じような順位にいるわけですから、そこから一気に向上させるというのは簡単なことではないはずです。
だからこそ、今年は今までになかった"継続"を選択した。
毎年監督をコロコロと変えそれに合わせて選手も入れ替わるジェフだったけれども、今年は「"継続"という名の"変化"の道」を選んだということですね。
言葉にするとわかりにくいのですけど(笑)
…にもかかわらず、どうにも変化を求める声も多い気もします。
それが4バックから3バックへの変更希望だったり、監督批判はもちろんのこと、補強に対しても物足りないような意見が多い印象です。
私もそうなのかもしれませんが、どうにも刺激に慣れ過ぎてしまった部分があるのでしょうか…。
確かに戦力などはいて越したことはないのでしょうし、実際に継続を選んだことによるマンネリ状態に陥る可能性は否定できないでしょう。
特にベテラン選手は残留が多かったですし、今季の伸び代には不安もあります。
けれども、方向性として今までにない"継続"を選び、クラブ運営単位でも「作り直し」「若手の底上げ」などを掲げたやり方というのは、個人的に待ちに待ったビジョンでした。
チームのスタイルが維持されなければ、若手選手の育成なども難しくなる部分がありますし、補強もレジェンド的な選手は少なく地味かもしれないけれど、我慢してこつこつと積み重ねていく。
それが今のジェフには、必要なのではないでしょうか。
もちろん方向性・ビジョンを作り上げたからと言って、それが実現できるかどうかはまた別の話。
その先の細かな部分に関してはこれからやっていく部分であり、上手くいくかどうかも確定できるものではない。
けれども、方向性というか志などに関しては、ようやく地に足の着いたものが出来つつあるのかな…?と感じ取れる部分があった会だったのではないかと私は思います。