2013シーズンを振り返る 町田也真人編

 思うところもあって、あえてサポコミ前に町田を持ってきました。
 2012年にジェフに加入した町田は、プロ入り1年目でリーグ戦7試合に出場。
 昨年も出場は9試合でしたが、前年はスタメン出場はなく短い出場時間ばかりでしたので、出場時間で見ると60分から658分に大きく伸ばしています。
 町田は昨シーズン終盤のジェフにおいて、ベテラン・中堅選手を押しのけてチームの中心となった選手だったのではないかと思います。



 9月15日の京都戦で、今季初出場初スタメンを記録しフル出場も果たした町田。
 しかし、その試合でのジェフは町田を中心に前半から飛ばし過ぎて、後半スタミナがもたずに1-2で逆転負けしてしまいました。
 町田がハイテンポでプレーすることによって他選手にも影響を与え、チーム全体がスタミナ切れを起こした印象があり、その時点ですでに周囲へ大きな影響を与えていたように思います。


 京都戦前半のサッカーは選手たちが運動量豊富に動けており、プレスもかけられ、パスも小気味良く回せていて将来への希望も感じたのですが、ベテランが多くスタミナに課題のある現在のジェフでは無理があるのではないか…とも思っていました。
 それでも町田は試合後にこのように話していました。

前半にハイテンポで行ったから後半に運動量が落ちた?
「というのもあるのかもしれないですけど、最初からガンガン行かないといけないと思うし、それを持続できなかったのがいけなかったかなと思います」(J's GOAL

 理想を言えば確かにその通りだけど、現実としては実現性は低いんではないかとこの時は思っていました。
 しかし、10月になってからベテラン選手たちのコンディションが回復していき、シーズン終盤にはこの時のサッカーがベースとなったハイテンポなサッカーができるようになっいていったわけですから、町田の存在はすごく大きかったと思います。
 町田がチームを変えていったといっても、過言ではないのかもしれません。



 それまで出場機会がなかったのは、夏場にハイテンポなサッカーをやるのは難しいという面と、得点力の問題もあったのではないかと思います。
 町田は飛び出しも出来て技術も正確ですが、ジェフ戦では引いてくる相手も多いですし、ゴール前ということにになればどうしてもフィジカルコンタクトが求められることになる。
 加えてクロスからのゴールも多かった昨年は、高さも欲しいという面もある。


 だから、谷澤や大塚、ナムといったパスも出せてゴールも期待できる選手を起用していた。
 実際ケンペスに得点面を頼りがちになっていた傾向を考えても、トップ下に得点力を期待するという考えは理解できる部分があったのではないかと思います。
 町田の得点力に関しても、確かに良いプレーはしていたものの、ゴールという部分に関しては物足りなさもありましたし。


 しかし、その得点力の部分をある種諦めて、町田の運動量にかけたと。
 町田を起用して、その分田中がサイドから飛び出す形にして、得点面を補う形で成立していったという印象があります。
 鈴木監督としては本来の理想とするトップ下像とは違ったのかもしれませんが、それを差し引いても町田が良いプレーを見せてくれたと。
 町田からすれば、自力でポジションを勝ち取ったと言えるのではないでしょうか。



 運動量豊富に動き回れて、止まることなくプレーし続けながら、ボールを捌くことができる。
 テクニックもあり、ワンタッチプレーなどのアイデアもあって、オフザボールの質も素晴らしい。
 単純に相手選手の間で受ける、裏へ飛び出すといった動きだけでなく、あえて相手CBに体を預けて受ける姿勢を取ってバイタルエリアのスペースを空けたり、周りを活かすためにオトリになったり、工夫のある賢い動きが出来る選手ですね。
 当初はトップチームレベルのフィジカルに苦しんでいたところもありましたが、試合を経験し短時間で相手DFとの間合いをうまくとれるようになっていったのが印象的でした。


 そういった技術面も素晴らしいですが、個人的に一番強く感じたのはチームを引っ張って行こうという意思を感じたところ。
 自分で動き回ってボールを受けて、配給して、自主的にチームを変えていこうという思いがあったのではないかと。
 ボランチで起用された時も自分でチームを作ろう・足りないところを補おうという意欲を感じましたし、先ほど紹介したコメントからも自らチームを作って行こうという意識が伺える部分があります。



 こういった『選手の自主性』というか『自分で何とかしようという姿勢』が今のジェフには大きく欠けており、現チームにおいて渇望されている部分なのではないかと思います。
 昨年は戦術も明確になりチームの約束事も作れていたからこそ、最低限の約束事を守りつつどう自分を出していくかという段階に至ったのではないかと。
 そして、現在のメンバーでそこを一番強く感じられるのが、町田ではないかという思いがあります。
 もちろんプレーに関しては、もっとゴールに直接絡むプレーを見たいですし、フィジカルに押される展開では試合から消えてしまうこともあるなど課題もあります。
 今年は相手からのマークが厳しくなり、昨年ほど自由にはプレーさせてもらえないかもしれませんし、フルシーズン戦うとなれば体力面の問題も出てくるかもしれません。


 けれども、町田のサッカーへの姿勢というのを個人的には買いたいですし、ぜひ今季は町田がチームを引っ張っていく存在として期待したいように思います。
 できればキャプテンも…なんて思いもあるわけですけど、レジェンド山口智がいることを考えると現実的ではないのでしょうか。
 しかし、精神面で山口智に依存するチームから、早く脱却していかなければいけないと思うのですけどね。


 ジェフでは珍しいメンタルを持った選手ではないかと思いますので、ぜひ昨年終盤の勢いのまま大成して欲しいなと思います。
 今年の背番号は22とかですかね?



 明日、明後日は一応お休みの予定ですが、何かビックニュースがあれば考えます。
 補強動向も気になりますが、サポコミでは確固たる方向性や今後の運営方針を聞けるといいですね。
 また今のジェフに足りないところ、必要な要素などももし聞ければ…という思いがあり、あえてその関連で町田を先にアップしてみました。
 もしかしたらそういったメンタルというのは、選手だけでなくクラブ全体に言える部分があるのかもしれませんしね。
 誰かに責任を押し付けてばかりでは、いつまで経っても先に進まないと思いますし…。