青木良太が熊本、ジェフで契約満了に

青木良太選手、期限付き移籍期間満了のお知らせ(熊本公式サイト)
契約満了選手のお知らせ(ジェフ公式サイト)

契約満了選手
青木良太選手(今シーズン8月よりロアッソ熊本期限付移籍)

 今夏ジェフから熊本にレンタル移籍していた青木良太ですが、レンタル期間満了で延長されずジェフでも契約満了となりました。


 2008年にG大阪からジェフに移籍した良太は、CBが本職ながらもSBをこなすなどDFラインのユーティティープレーヤーとして活躍。
 その器用さは大岩やキムなどよりも上なんじゃないでしょうか。
 決してスピードがあるわけではないからSBでも縦に仕掛けられるのは苦手でしたし、ドリブルなど技術力があるわけではないですけど、それでもうまくカバーしながらSBをこなしてしまう賢さがあったと思います。
 右足でのクロスやフィード、長い距離のシュートなどにもパワーがあり、センスを感じるものでした。


 CBとしてもDFラインを統率できる選手だったと思います。
 高さもある選手で、少し距離を置いて相手FWにボールが入る瞬間を狙ってガツンと潰しに行くのが特徴で、奪えなくても前を向かせないように対応。
 自分にスピードがないことをわかった上で先手を打とうという意図を感じる、クレバーな守備だったと思います。
 自分の間合いを持っているCBで、DFラインを統率できる立場になれば面白いのではないかと思っていました。
 このあたりはG大阪出身のCBらしい選手なのかなとも思います。


 しかし、相手に裏を取られないように間合いを取るからこそ、DFラインが下がり気味になってしまうという課題もありました。
 これは山口智も近いところがあるのでしょうけど、それでも熊本に行ってDFラインのリーダーになれれば良太の良さがよりはっきり出せるのではないかと期待していました。
 けれども、熊本でも元々はボランチだった吉井がリベロの位置に入って良太がストッパーに回ることもあり、確固たるリーダーというところまではいかなかった…ということなのでしょうか。
 まぁ、シーズン途中からのDFラインへの加入は簡単でないと思いますし、その中でレギュラーを勝ち得たのは事実だったわけですから、それだけでも十分立派だったと思います。


 それでも熊本残留となりえなかったのは予算の問題や、来季から小野監督に変更になるといった影響もあるのかもしれませんね。
 この辺りは選手にはどうしようもないところもあるとは思います。



 ジェフでは2008年から徐々に出場時間が減ってはいましたが、それでも一昨年までは28試合出場していました。
 それが一気に昨年2試合出場にまでとどまったのは、大岩、武田といったSB補強もあったのでしょうが、山口智補強の影響もすごく大きかったと思います。
 一昨年には竹内、昨年は山口智といった高さがあってカバーのできる良太と近いタイプのCBが次々と加入して、良太の立場がなくなってしまったと。


 今季の竹内の出来を見ると良太も見てみたくなることもなくはないですが、来年で山口智が35歳、竹内が31歳で、良太も30歳ということを考えると、明らかに年齢構成が高くなりすぎている。
 タイプは違いますが同ポジションとしてはフィジカルがあってまだ若いキムの加入もありましたし、ベテラン3人の契約がいつ切れるのかというタイミングの問題もありますが、基本的には昨年のレギュラーだった二人の方が優先順位は先になり、良太の契約延長は非常に難しくなってきますよね。
 まぁ、このあたりは熊本へレンタル移籍した時点で、わかっていたことではありますが…。



 良太が加入したのは2008年ということで、勇人、羽生などを筆頭とした主力選手の大量流出があった年でした。
 チームの成績もそこから低迷していっただけに、良太の明るさにはファンやサポーターも助けられた部分があったのではないでしょうか。
 プレーだけでなく、チームを取り巻く雰囲気の部分でも貢献した選手だったのではないかと思います。


 ベテラン補強が多かった分選手の出入りが増えたここ最近のジェフにおいて、長く貢献してくれた選手の1人でした。
 寂しさもひとしおといった感じではありますが、今回の退団が良太の明るい将来に繋がることを祈りたいと思います。
 個人的にはプレーにクレバーさを感じる、好きなタイプの選手でした。
 次のクラブが見つかることを期待しております。