渡邊は引退、藤本は契約満了 隆雅も鹿島復帰?
先週末、渡邊圭二、藤本修司の退団が発表になりました。
渡邊は現役引退、藤本は契約満了となりました。
2人の退団は予想していましたが、渡邊は引退という決断になったんですね…。
渡邊圭二選手 現役引退のお知らせ(ジェフ公式サイト)
ジェフにはJ2に降格した2010年から加入。
思い切りの良いオーバーラップとスピードが武器の選手でした。
特に前の選手がボールを持った時のタイミングの良いランニングが特徴で、長らく3バックで戦ってきてSBが育成できていなかったジェフにおいては、ようやく本物のSBが加わったといった印象でした。
狭いところでも積極的に駆け上がって"走りきる"ことによって相手を引きつけスペースを作る動作などは、米倉あたりも参考になるのではないでしょうか。
クロスの精度はもう1つでしたが、スタミナがあり何度もアップダウンすることによって、攻撃を活性化することのできる選手だったと思います。
2010年には左SHの結果的にオトリになることで倉田をサポートしていましたし、昨年もシーズン終盤に復帰して武田からポジションを奪う活躍を見せていました。
守備に関してはフィジカルコンタクトやドリブルへの対応は得意ではなかったとは思いますが、裏を取られてもスピードがあるので追いつけてしまう…なんてこともありました。
しかし、残念ながら怪我が多かった。
渡邊は名古屋時代から怪我に悩まされており、同年代で共にユース年代の代表にも選ばれていた本田圭佑とライバルと見る声も少なくなかったと思います。
実際には本田はサイドだけでなくボランチやFWなどいろんなポジションをこなし同時に出場していたこともあったと記憶していますが、本田がVVVに抜けた後もその穴を埋めるべく期待されていたと思います。
けれども、その後も怪我に悩まされ続けて、地域リーグのJAPANサッカーカレッジに移籍。
そして、神戸TDの伝手もあってジェフに加入ということになりました。
今季もちばぎんカップでは良いプレーを見せていましたが、それ以降は負傷のため試合に出場できず。
高橋が左SBに起用され馴染み始めたのは夏頃でしたし、渡邊の負傷で本職の左SBがいなくなった影響というのはかなり大きかったと思います。
もともと毎年のように怪我をしてしまう選手ですから、戦力として考えるのは無理があるのではないかと思っていました。
それが数週間単位ならともかく、毎年数ヶ月間も離脱してしまうとなると…。
そして、今季はついに1年間公式戦には出場できなかったわけですから、契約満了はやむなしだと思っていました。
しかし、現役引退とまでは思っていませんでしたし、状態はかなり深刻ということなのでしょうか。
勝手な憶測ではありますが、毎年のように大きな怪我を負ってしまうということになると身体的にだけでなく精神的にも辛いものがあるのではないかと思いますし、引退してその悩みから解放されるというのであれば本人にとって悪いことばかりではないのかな…とも思います。
実力は十分にあった選手でした。
怪我さえなければ…と言いたいところですが、怪我がちでなければジェフにはいなかったかもしれませんね(笑)
28歳とまだ若いですが、次の舞台が決まっているということで、本当に良かったと思います。
ご苦労様でした。
契約満了選手のお知らせ(ジェフ公式サイト)
ジェフユナイテッド千葉では、2013シーズンをもって契約満了となる選手をお知らせいたします。
契約満了選手
藤本修司選手
藤本は2011年にジェフへ入団。
1年半リーグ戦での出場機会はなく、昨年の7月久保とともに鳥取に移籍。
移籍してからすぐにスタメンで出場しプレースキックも任されるなど、かなり期待されていたのではないかと思います。
しかし、8月下旬、試合中に右膝前十字靱帯断裂と大きな怪我をしてしまいます。
これにより鳥取での出場は5試合にとどまりジェフに復帰。
今季シーズン序盤にようやく練習試合に復帰しましたが、鳥取がジェフでもプレーした同ポジションの武田をレンタルで補強したことを考えると、怪我さえなければ鳥取で翌年以降もプレーする可能性もあったのではないでしょうか。
藤本もまた怪我に悩まされた印象です。
練習や鳥取での数試合しか見てはいませんが、個人的には長い距離をスプリントするというよりは細かく動けて左足の技術がある選手といった印象で、中盤でも面白いのではないかと思っていました。
鳥取は4-4-2だったのでSHと分担してやれたでしょうけど、実際ジェフの練習でも昨年CB、今季はボランチで試されていました。
さすがにCB起用は驚きましたが(笑)
左SBはジェフも手薄なポジションですし残しておけば…と思う一方で、SBとしては計算されていないのかな?とも思いますし、何より藤本も来年で26歳。
もう若手とは言えない年齢ですから、今後の人生を考えれば出場機会を求めていかなければいけない状況だと思います。
鳥取では試合に出場できていたわけですし、本人にあったクラブが見つかれればきっとチャンスはあるはずで。
まずは良いクラブを見つけられるように、頑張ってほしいと思います。
これでジェフは左SB候補2人が抜けたことになります。
しかし、高橋は浦和にレンタルバックする可能性があり、キムはCBとして頑張ってもらわなければいけないし、大岩も左SBとしては不安もある。
そう考えていくと、鈴木隆雅は残留してほしいところでしたが、茨城新聞によると鹿島に復帰へ見込みとのこと。
そう考えると2人の退団は痛い気もします。
しかし、考えてみれば今季は高橋、キム、大岩、鈴木隆雅が左SBでプレーしており2人は公式戦に出場できませんでしたから、戦力的にはマイナスとは言い難いのかもしれません。
人数だけを考えれば残しておくべきだったのかもしれませんが、ここ数年のジェフは中途半端に数だけを合わせていった結果、力を伸ばしきれなかった印象もあります。
今年出れなかった2人に頼るようでは、チームとしてスケールダウンすることにもなりますしね。
現実的に考えると理想を言えば高橋を残してもう1人補強したいところですが、難しいのであれば武田、高橋、隆雅のようにまたレンタル補強もありえるのでしょうか。
しかし、育てたところでレンタルバックというのは怖いですし、出来れば完全移籍や契約満了選手を獲得したいところです。
祖母井さんの頃はそれが嫌で、レンタルでの補強はしていませんでしたしね。
とはいえ、実際問題として今のジェフに良い選手が獲れるのかという問題もあるのでしょうし、契約満了選手も実力があれば競合ということになるでしょう。
現在の選手構成を考えれば、できれば実力だけでなく年齢の若い選手を取ってジェフの将来を担ってほしい…というところまで考えると、ますます難しくなる。
そう考えていくと、大塚のようなケースを期待してレンタルで有望な若手を…ということになるのか。
補強がダメなら育成で一から…と言っても育成年代でも選手の取り合いは活発なのでしょうし、結局はどこかで頑張るしかないとも思います。
難しいところではありますが、ジェフも来年でJ2・5年目。
ある程度のリスクも覚悟してチームを変えていかなければいけないところはあると思いますし、そういった姿勢の表れであるということであれば今後に対して前向きに期待したいところではないかと思います。