チャレンジャー精神を感じた試合

 セルビアベラルーシに敗れた日本。
 オランダ相手ならもっと良い試合ができるんじゃないかとは思っていましたけど、ここまでいけるとは思っていませんでした。
 まぁ、オランダの出来が悪かったという面は大きいと思いますけどね。
 キックオフ当初などまったく試合に入れていなかったですし、日本代表を舐めていた部分は大きいのではないかと。
 思ったより日本の動きが良く前半途中から巻き返しては来ましたけど、うまく試合に入れない状況だと一時の加速は出来たとしても、そこから完全に戻していくのは簡単ではない気がします。
 むしろ2点取ったことによって、より日本に対して舐めてかかったところがあったのかなと。



 日本代表では大迫と山口螢が良かったですね。
 大迫はポストプレーが正確で守備でも大きく貢献できるだけでなく、この試合でもゴールを決めて見せた。
 ポストと守備は出来るけど決定力は…というタイプの選手が多かった日本において、柿谷とは違う意味で未来を感じるFWではないかと。
 個人的にはタイプ的に大迫の方が好きですけどね(笑)


 山口はスタミナとアプローチの速さはもちろん、ミスもあったけれど正確にパスもつなげる。
 ベースはやはりカバーリング能力の高さだと思うのですけど、すごくパスコースを消すのがうまいですね。
 アプローチが少し遅れたとしてもじりじりと相手に詰めていって、角度を消して行ったり。
 中盤にいると助かる選手だなぁと感じました。



 前半は遠藤をスタメンから外した分、サイドからの展開が多かったですけど、その分シンプルに清武や長谷部がビルドアップに絡んで、良い方向に進んだのかなと。
 後半はその前半の流れを維持しつつ、オランダのガス欠があった上で、遠藤、香川といった加速装置が入ったことによって、さらに勢いを増した印象で。
 遠藤の途中起用というのは相手にとって厄介でしょうね。
 ビルドアップがダメだと感じたらボランチで使えばいいし、前がダメならホンダに変えてもいいかもしれない。
 それとやはり左ウイングが中に入って行って中盤をサポートする形は、賛否両論あったのかもしれないですけど正解じゃないでしょうか?


 遠藤という供給元がいなかったせいか、前半の本田はいいところなく。
 後半から要所要所で一発を見せ始めた印象でしたが、全体的には悪い出来だったと思います。
 それでもゴールは決めてしまうんだから、やっぱりそういった星に生まれた人間なのかなと感じましたが(笑)



 そんな選手起用や戦術的な動きもあったかもしれませんけど、一番の違いは相手の名前なのかなぁとも思いました。
 セルビア戦やベラルーシ戦ではそこまで気持ちもこもっていなかったけど、オランダという強豪相手だったから思い切り戦えたと。
 オランダ戦では根本的に日本代表選手の動きが、これまでの2試合とはまったく違いましたものね。


 ジェフも格上相手ならいい試合ができる印象ですけど、それも戦術的な部分もあるのかもしれないけれど、気持ちの部分もなくはないでしょう。
 基本的な動きもそうだし、集中力や諦めない精神にもかかわってくる…。


 日本人ってそういった格上相手に燃えるというか、チャレンジャー精神で強豪に立ち向かうなんてシチュエーションが好きなのかなぁなんて思ったり。
 漫画やドラマなどでも良くある定番のストーリーだし、逆にスポーツなどでは巨人や一時期の浦和など"金満強豪チーム"は当然のように嫌われる対象だったりして。
 まぁ、日本人に限ったものなのかどうかまではわかりませんけどね。



 そう考えていくと、ここから本番にかけて、しっかりとした準備をした上でチャレンジャー精神を持って戦っていければ、それなりのサッカーは出来るかもしれない。
 ただし、その"それなりのサッカー"でどこまで行けるかはまだ未知数で、このオランダ戦も勝ちきれなかったという事実もしっかり受け止めなければいけません。
 兎にも角にも、このサッカーが本物なのかどうか。
 そこがベルキー代表戦の焦点になりそうですね。