たかが2連敗で数年もの悔しさを無駄にしないように…
今週末の栃木戦が今季ジェフのリーグ戦ホーム最終節ということになります。
櫛野の引退挨拶なども気になりますが、プレーオフに向けた重要な試合ですしキックオフの笛がなかったらピッチに集中したいところです。
櫛野もそれを望んでいるでしょうし、試合に勝つことによって良い形で送り出したいですね。
対戦相手の栃木は前々節の長崎戦で敗れ、クラブの経営難を発表し来期の規模縮小化を明らかにしました。
長崎戦での敗北により、J1昇格が厳しい状況になったことを受けての発表ということだったのではないかと思います。
しかし、翌戦となった前節北九州戦でも3-2で勝利。
最近のJ2の中でも、最も成績の良いチームの1つといえると思います。
そのキッカケとなったのが監督の交代。
栃木を指導して4年目を迎えていた松田監督が今年9月に解任され、松本育夫監督が就任。
そこから実に6勝1敗1分という好成績を収めています。
ちなみに松本監督は71歳での監督就任となり、70歳以上の監督はJリーグ初となるそうです。
先日72歳となられたわけですが、オシムさんやファーガソン元監督と同じ年に生まれたことになります。
宮崎駿監督や富野由悠季監督も同年生まれなんですね。
1941年は監督の当たり年…?
松本監督が就任してからの栃木は、攻守においてより流動的になった印象です。
守備では松田監督の頃の綺麗なDFラインを維持しつつも、それより前は人に付く意識を高め。
攻撃でも守備に戻るために縦へ直線的に走りこむイメージが強かった以前のチームから、サイドに人数をかけてパスを回して逆サイドに展開するパターンも見せるなどの変化が見られます。
今まで松田監督が培ってきたものを残しつつ、若干硬さも見えた戦術に柔軟性を与えていこうということなんでしょうか。
長崎戦では前半は抑え気味でサビアにロングボールを当てて、クリスティアーノなどが受ける形で。
後半から運動量を増して、パスもつないでいく展開になりました。
前半のうちに点を奪われてその作戦は失敗に終わったわけですが、長崎が後半スタミナ切れを起こすであろうという読みもあっての狙いだったのでしょうし、勝負にこだわったサッカーができる状況なのかなと感じました。
その中で文字通り舵を取る存在が、キャプテンでもあるボランチのパウリーニョだと思います。
パウリーニョが前に出ていけば攻撃的なサッカーが出来て、引いて守れば守備的なサッカーとなる。
今季パウリーニョは怪我で長期離脱を余儀なくされたわけですが、復帰したのがちょうど9月末ということでここ数試合良い結果が出せているのもパウリーニョの復活というのが大きいのではないかと思います。
対するジェフはリーグ戦3連勝の後、ここにきての2連敗。
結果が出てきて勢いをつけたかったところでの失速ということで、何よりも精神的な影響が心配かなと思います。
札幌戦は内容は悪くなかったと思うのですが、0-1で敗戦。
しかし、長崎戦では相手の堅守に攻撃が封じられ、0-2で2連敗となっています。
ただ、長崎程の守備が出来るチームが(上位を含めても)J2にいるのかと言うと疑問ですし、あの試合は相手を褒めなければいけないところもあると思います。
気になるのは長崎のあの出来があの試合だけのものなのか、次に戦ったときにもあの守備を90分間やり通せるのかどうかというところですが、まずはそこまでの試合をやりきることが大事ですね。
考えてみれば、守備に関しては札幌戦でバックパスを奪われて失点。
長崎戦でも1失点目はオフサイドだったようにも見えましたし、2失点目はなぜか米倉と高橋がサイドチェンジしている間に、高橋がボールを奪われ米倉が絞りすぎて難しいボレーを決められてやられてしまった。
なんだかんだでミス絡みというか、完全に崩された場面は少なく、集中力の欠如によってやられた印象があります。
個々の集中力の方が戦術的な穴よりも修正は難しいとも考えられるかもしれませんが、残り試合も少ない状況での選手1人1人の気持ちの入れ方に期待したいところではないかと思います。
心配なのは攻撃の方で、何度も言ってきたようにアバウトなボールが多すぎることが気になるところかなと。
今までもショートパスをつないで行って最後はクロスからのゴールという展開が多かったと思いますし、焦らず自分たちのサッカーを丁寧にやっていくことが求められているのではないでしょうか。
そのためにも、攻守において我慢すること。
最後は精神論になってしまいますけど、実際にここからは相手も気持ちの入った試合が増えてくると思いますし、気迫負けしないようにしていかなければいけません。
そうなってくると、サポーターの応援や雰囲気作りというものが、今こそチームに必要なのではないかと思います。
ジェフはJ2に降格してからの4年間…いや、もっと言えば降格争いをしていた6年近くもの間、苦しいシーズンを過ごしてきたわけです。
その悔しい思いを、たかがこの2試合での連敗で無駄にしてはいけません。
実際、そこまでの数試合は、内容も結果も悪いものではなかった。
神戸にも勝ち、FC東京戦も互角の内容で、リーグ戦でも3連勝。
今シーズンを振り勝っても上位2チームには負けていないわけで、相手が前に出てくるからこその戦いやすさなどはあったにせよ、そういった結果が出せる力があるというのは紛れもない事実だと思います。
実力を出し切ればプレーオフ出場からの昇格の可能性は十分にあるはずで、2連敗くらいで気持ちを落とさないようにしなければ。
最後まで自信を持って、前を向いてプレーしてほしいところだと思います。
クラブ関係者1人1人が悔いの残らないシーズンにするために、最後まで戦っていきたいですね。