先に得点を奪いきれず残念な失点から敗戦

 録画した負け試合を見直してブログを書くのは精神的に大変…とtwitterでつぶやいたら、なぜか私が恋愛小説を書く話の流れになりましたが、そんなことはしません(笑)
 というか出来ませんから!


 ということでジェフ対徳島、連勝中のチーム同士の対決は、1-2で徳島の勝利ということになりました。
 プレー内容は悪くはなかったのですが、人生そう上手くはいきませんね…。
■相手を押し込んでチャンスを作る
 徳島はジェフのビルドアップを研究してきた印象でした。
 ジェフのビルドアップの基本は、CBやボランチから相手バイタルエリア付近に向かって縦にパスを出す形。
 バイタルエリアにボールが入れば理想だけれど、入らなければバイタルエリアの前…ようするに相手ボランチの手前でボールを受けて、パスワークのリズムを作る。
 そして、そのパスワークからサイドにテンポ良くつないだり、ボランチに落として再びバイタルエリアを狙う感じで。


 それに対して徳島は2トップがジェフのCBあるいはボランチの前に立ち、簡単に縦パスを通さない守り方をしてきました。
 そして、MFラインはDFラインとコンパクトに守って、バイタルエリアのスペースを空けないのが基本的な陣形。
 特にバイタルエリアを空けないことに関しては、しっかりと守備バランスを大事にやって行こうということだったのかなと思います。


 バイタルエリアが空いていないため、ジェフは徳島ボランチの前でボールを受ける回数が増えます。
 そこに対して徳島はボランチの1人が付いていって前を向かせず、もう1人がバイタルエリアをカバー、FWが戻ってボランチなどへの落としをケアし、サイドハーフが絞ってサイドへの展開を防ぐ…という守り方をしてきた印象です。
 ようするに、ボランチ、FW、SHなどで、ジェフの下がってきた2列目、あるいはボランチをと囲む形になります。



 それでもジェフはその狭いエリアで細かくパスをつないで前を向き、ボランチ前からパスを展開するシーンは作れていたと思います。
 けれども、徳島はそれでもバイタルエリアだけはスペースを空けず、ジェフは徳島ボランチの前からボールを展開することが多かったかなと。
 そうなると、サイドに展開するにしても、相手の裏を狙うにしても距離が出来てしまって、なかなか決定的なチャンスにならない…という流れになっていたかなと思います。



 しかし、前半折り返しあたりから、徳島の動きが落ちていき、間へのプレスが弱まっていきました。
 33分にはジェフのチャンス。
 左サイドでつないで行って相手を押し込み、右サイドに展開。
 大外の田中が中央に戻して、谷澤が相手守備陣の前で受けて、中央寄りに入っていた米倉へスルーパス
 これは相手に跳ね返されますが、再び拾って田中がクロス。
 スピードのある良いクロスだったと思うのですが、これもゴールには結びつきませんでした。


 しかし、ワイドに攻めることで相手を押し込み、それによって相手ボランチのポジションを下げる。
 そこから谷澤などが受けて、ラストパスを狙う…という形は良かったと思います。
 相手を押し下げることで、危険なエリアでボールを受けられるし、相手も疲れさせることができるという感じですね。
■もったいない失点で敗戦
 前半終盤も相手を押し込んでチャンスを作るジェフでしたが、なかなか先制点は奪いきれず。
 もう少し左サイドの高橋が決定的な形で、ラストプレーに絡めるといいんですけどね…。
 クロスでなくてもラストパスでもいいし、そのために中に入ってくるプレーなどを増やしてもいいのかもしれないし。
 チームとしては攻撃の形は悪くなかったし、相手に疲労が見えた前半のうちに、得点を奪っておきたいところだったのですが、そのままハーフタイムへ。



 後半に入ってからもジェフはサイドを中心にパスを繋いで行って、惜しいチャンスを作ります。
 中央からのパスワークが出来なければ、サイドから攻めていって、そこから中央を覗くパスを出していく…
 こういった形がチームとしてよりスムーズにできていくと、パスワークにも深みが出来てきますね。


 しかし、徳島の方も運動量を息を吹き返した印象で、運動量が戻っていきました。
 あまり良くない流れが続く中、61分。
 何でもないロングボールを米倉がヘディングで伊藤にクリア、これを伊藤はキムにバックパスしたところ、キムがクリアできずドウグラスチェイスにボールを奪われ、最後は大崎がゴール。


 気の抜けたシーンでしたね。
 まず、米倉のクリアが伊藤に行ったわけですが、ここにはすでにドウグラスが付いていたわけで、体勢的に苦しかったかもしれませんけど、米倉がサイドにクリアすれば何の問題もなかった。
 伊藤もキムにバックパスするわけですが、キムに対して伊藤あるいは隣の山口がクリアの声をかけていれば、簡単にボールを出せたかもしれない。
 また、一度クリアした米倉もそれで落ち着いてしまって、キムのフォローに行く体勢を取っていなかった。
 もちろんキム自身もワンタッチでクリアすればよかったのでしょうけど、それまでの流れや周りのサポートも足りていなかったと思います。


 続く70分。
 相手ロングボールに対して裏を抜け出したドウグラス
 並走したキムは一度オフサイドフラッグをチェックしていましたし、角度のないところだったので油断したのか競りきらなかったところで、同グラスは思い切ってシュートを選択。
 岡本もカウンターだったためかシュートに対する準備が遅れた印象で、ループ気味のシュートが決まって2失点目を与えてしまいました。
 まぁ、これはキムにも課題が見られたシーンだったかなと思いました。
 ただ、テレビ放送で見直した感じだとオフサイドのように見えましたし、パスの出しどころにケンペスチェイスに行っていないことも気になりましたけどね。


 その後、ジェフのチャンスもありましたが77分。
 雨が強まる中、伊藤のバックパスが止まってしまい大崎にボールを奪われると、キムが後追いで相手を倒した形になってしまってレッドカード。
 これもキムが悪いように見えますけれども、伊藤のバックパスが短くならなければ…。
 試合途中から雨が降ってきたとはいえ、伊藤がそれに対応しきれていなかった、不用意なパスだったと思います。
 


 88分には高橋のクロスを相手が跳ね返したところ、途中出場の兵働が拾ってミドルシュート
 これが決まって1点返しますが、反撃はここまで。
 1-2でジェフの敗戦となりました。
■ゴール前での質や落ち着き
 ジェフはここ数試合よりも、良いプレーが出来ていたと思います。
 守備でもこれまでよりはコンパクトに戦えていたと思いますし、攻撃も選手の距離感も悪くなく良い形が出来ていたんじゃないでしょうか。
 しかし、だからこそ、この試合は勝ちたかったですね。
 徳島も連勝中ということもあって、さすがの粘りを見せていましたが、試合内容全体を見るとそこまで良くはなかったように思いますし。
 まぁ、連勝していて自信があるからこそそういったゴール前での粘りがあるというか、そういった粘りがあるからこそ勝てているんだろうなぁとも思いましたが。



 失点2つは残念でしたが、崩されたといよりは判断ミス、連携ミスでやられた印象で。
 修正できる範囲…というか、修正してもらわなければいけない部分だと思うので、残念ではありましたけれども、今後に大きく響くようなものではないと信じたいと思います。
 それよりも、その前に得点しきれなかったこと。
 1失点目もジェフが攻め疲れて、動きと集中力が落ちていった時間帯だったと思いますし、そこまでに点を取れなかったことの方が



 中央からだけでなくサイドも絡ませたパスワークで相手を押し込み、最終的に相手の中央のプレスを弱めて、チャンスを作る。
 そこまでの展開は出来ていたと思います。


 ただ、押し込むことによって、相手ゴール前のスペースはなくなってしまう。
 それによって、なかなか得点が出来なかったという部分はあったと思います。
 カウンターならもっと確率の高い攻撃ができるのでしょうけど、相手が出てくる機会も少ないですし、これは仕方のないところ。


 ビルドアップの方とはできて、良い形でラストパスを出せるシーンまでは出来ている。
 ここまできからもう後はラストパスの精度、ラストプレーの質、そして、ゴール前の強さなどの問題になってくるんじゃないかなぁと思います。


 まぁ、安易にラストプレーの質、精度の話にばかり話を集約すると、結局は個人能力の問題というだけで終わってしまいますからあまり言いたくはないのですけど、ここまでパスワークが作れていると、そこに注目せざるを得ないのかなと。
 特に狭いエリアでのプレーの質ですね。
 徳島がコンパクトに守っていたからこそ、ボールを受けるエリアが狭くなっていたわけですけど、そこで焦ってしまうことが多かったかなと。


 それに対して落ち着いて対処する。
 素早い展開もいいですけど、時にはキープをしてためを作る。
 そういった精神的な余裕なども足りず、それができる人材も少ない気がしますね。



 また、ゴール前に関してはケンペスに必ず2人がついていましたから、ケンペス以外の選手の得点能力も期待したいところで。
 ケンペス自身もオトリになるプレーを増やして、それ以外の選手もゴール前に入って行く回数と質を増やしていかなければならないように思います。


 タメに関しては兵働にも期待したいところですけど、兵働も決して落ち着きを作れるタイプかというと、そこはまだ課題というか向上できる部分だと思います。
 復帰してゴールをあげましたから今後に期待は高まりますけど、まだまだ本調子ではない印象もありましたし。


 それ以上に得点シーンで前向きに思えたのは、1人少ない状況で2点ビハインドにもかかわらず、あきらめずにゴールに迎えたこと。
 そして、それが1点とはいえ実ったことも含めて、もしかしたら今後につながるかもしれない。
 試合内容はひどいものではなかったと思うしミス絡みの敗戦だったからこそ、最後に点を取れたことはポジティブに考えてほしいところではないでしょうか。


 もちろん勝ちたかったし最低でも勝点1は欲しかったですけど、連勝が途絶えたからといって悲観するような試合ではなかったはずで。
 前向きに課題を克服して、ミスを減らしていって欲しいところです。