ジェフ経営情報'13前編 「入場者収入」の減少

 今年もJクラブの経営情報Jリーグから発表になりました。
 基本的にジェフは現状維持といった感じですので、敢えてこれまでの流れも踏まえて見ていってみたいと思います。



 『営業収入』は前年からほぼ横ばいですが、約1400万円の減少となっております。
 大まかな内訳を見てみると、「広告料収入」と「入場者収入」がそれぞれ減っていますね。

 ただ、「広告料収入」に関しては長いスパンで見てみると、過去2年間は大きな額になっています。
 クラブが頑張っている…と言いたいところですけど、スタジアムの広告の枚数などを見てみると、以前よりは減少している印象ですから、クラブライセンス制度導入も見越して親会社が補填してくれた可能性もあるのではないかと思います。
 今年に関してはヤクルトやエアアジアなど大手企業がついてくれましたので頑張っているんだなと思いたいところではありますけど、大事なのはトータルでの外部スポンサーを増やすことであり、もしもその分減ったスポンサーもいるのであれば素直には評価はしづらい部分もあります。
 このあたりは詳細な内訳が出ない限りは、これ以上は突っ込めないところですね。


 それよりもはっきりとわかるのが「入場者収入」で、2009年度をピークに毎年減少していることですね。
 昨年と2009年度の「入場者収入」を比較すると2億5000万円も減少しているわけですから、総収入が24億円程度のジェフにおいては大きな金額だと思います。
 入場者数が増えて注目も浴びるようになれば、外部からのスポンサーなども増えるかもしれませんし、親会社からの信頼も増すことになるとも思いますので、入場者数を増やすことが大きな課題と言えるのではないでしょうか。
 手っ取り早いのはJ1昇格ということなのでしょうが、J1に昇格しても一気に入場者数が回復すると約束されたわけでもないと思いますし、地道な努力を続けていかなければなりませんね。



 また、以前にも取り上げましたが、2009年度から『営業収入』がガクッと下がっています。
 しかし、その原因は「その他」に含まれるであろう移籍金収入が減少したためであり、移籍金の収入がなくなったということはその分選手の流出が減ったとも言えます。
 そして、選手の流出が減ったということは、本来であれば補強する必要性も薄まり、『営業費用』も減ってほしいところです。


 しかし、『営業支出』を見てみると…。

 09年度も前年に比べて大きく減らすことが出来ず、10年度も収入の割に支出が多くなってしまっています。
 09年と言えばジェフがJ2降格した年で、10年はJ2で1年目を戦ったシーズンでした。
 個人的にはジェフのチームとしての暴落は2008年のアマル監督解任から始まっていると思っており、その後の運営は難しい舵取りを強いられてたとは思うのですけど、それにしてもその後の選手の出入りが少なくはなくもう少し効率よくやれたのではないかとも思ってしまいます。
 まぁ、フロントからは移籍金収入は分割払いという話も出ていて明確には言えないところもありますけど、それなら移籍金の収入の方も分割になるはずではないかと思うのですが…。



 なお、12年度の『営業支出』は前年から3200万円微増となっております。
 11年度から内訳が変わっており、支出の部は以前の項目には当てはめにくい状況になっています。
(『営業収入』の「アカデミー関連収入」に関してはそれまでのデータから、以前は「その他」に含まれていたものと推測。)
 現在公表の内訳でのデータは以下の通り。

 上が収入の部。

 こちらが支出の部となります。
 支出の部では「チーム人件費」が3500万増加。
 その他、「アカデミー運営経費」、「女子チーム運営経費」が増えています。
 「アカデミー運営経費」に関しては、2011年度はJ1の平均が9700万円で、J2が4000万円、昨年度のJ1平均が1億1800万円、J2でも3400万円。
 ジェフは2011年度3500万円で、昨年度が5300万円と増えてはいますが、クラブの規模などを考えると決して多くはない額ではないかと思います。


 ただ、「アカデミー運営経費」に関してもそうですし、全体的な予算の割り振りもそうですけど、どのようにクラブの将来像を考えて、それに応じた経営戦略、チーム運営をしていくか。
 そこが何よりもベースとなる部分ではないかと思いますし、長期的な運営ビジョンというものが大事になってきますね。