要所で強さを発揮して5連勝

 更新が遅くなって申し訳ありません。
 祝日ダイヤということで一つ…(笑)


 twitterの方ではお伝えしましたが、見事に試合放送の録画を失敗しまして。
 しかも、6時からという話を当ブログでも自分で取り上げていたのにもかかわらず、7時から録画していたという…。
 再放送が今日の日中にあって、助かりました。
 まぁ、もっと早く再放送が行われる場合もあるとは思いますが。
山口智の賢さと米倉の精度
 ジェフは前節とスタメンは同じ。
 現状だとメンバーは落ち着いている印象ですね。
 兵働が復帰してどうなるかといった感じですが。
 ベンチを見るとメンバーだと、町田に代わってU-18出身の井出が入っています。
 井出は今期初のベンチ入りとなりました。



 山形は前回対戦した試合と同様、ボールサイドにぐっと人数が固まって守り、ジェフのパスワークを防ぐ形。
 ジェフは基本ショートパスをつなぐ展開を第一に考えるのは変わらなかったのでしょうけど、山形の守備もあってロングボールも織り交ぜようという形だったのかなと。
 ただ、なかなかうまくボールがつながらず、難しい時間帯が続きます。
 こういったプレスの厳しい相手を攻略するためにも、もう少しロングボールも効率よく使えるといいんですけどね…。


 守備の方もジェフのDFラインは積極的にラインを上げていたのですが、なかなか前からのプレスがうまくいかず、ボールを持ち込まれることが多かったですね。
 山形はサイドを中心に攻撃を作る展開でした。



 立ち上がりは山形ペースと言っていい展開だったと思うのですが、試合が動いたのは23分。
 山形が中盤でのファールに対して異議を申し立てているうちに、山口智が素早くリスタート。
 相手の守備が整っていないうちに、右サイドの米倉が受けてクロスを上げると、山口が大外にフリーで待っていてゴール。
 山口の賢い対応と米倉の高精度のクロスで先制点を決めた形ですね。
 コンフェデの日本代表対イタリア代表でのピルロの素早いコーナーを、なんとなく思い出してしまいましたが(笑)


 最近のジェフは一時期より落ち着いたようにも思いますけど、審判への異議は今回のように集中力の欠如を生むことになりかねません。
 この試合ではジェフ側がうまくそれを付いた形となりますけど、反面教師としてジェフも気を付けていきたい部分ですね。



 その後はジェフも多少は落ち着いて、ボールをもてるようになっていったかなと。
 しかし、それでも相手のボールを中盤で奪いきれず、山形のロングボールに苦しむ展開には変わらず、流れはなかなか良くなかったように思います。
■劣勢を跳ね除け2ゴール
 後半序盤も山形ペース。
 前半同様山形のプレスをうまくかわせず、ジェフはプレスをかけきれず、押し込まれる時間帯が長くなります。
 なかなかジェフはボールを奪いきれない。
 奪っても全体のラインが低いので、そのボールをうまくつなげずに、苦しむ展開となっていました。



 しかし、なんとかその時間帯を凌ぐと、67分に山形は山崎に変えて萬代、小林亮に変わって廣瀬と同時に2人を交代。
 ジェフはそれを見る形で、高橋に変えて大岩に交代。


 その直後、ジェフのCK。
 伊藤が蹴ったクロスにケンペスが合わせて、ポスト直撃。
 これを大塚が拾って放ったシュートが決まって2点目となります。


 このシーンでの中の動きを見ると、まず前方に数人と後方に数人の選手が待ち構えていました。
 その状況でボールが蹴りこまれると、前方の数人が若干後ろに下がり、後方からは前に飛び込んでいく形で、相手のマークを分散する…と。
 その結果、後方から飛び込んでいったケンペスがフリーになって、ヘディングシュートを打てたと。
 伊藤のボールも素晴らしかったですけど、しっかりと狙いを持ったCKからの攻撃が出来ていたように思います。
 結果的に山形は2枚変えのタイミングも、あまり良くなかったのかなと。
 勢いは山形にあっただけにこの時間帯に点を取りに行きたかったのかもしれませんけど、逆にその勢いが一瞬落ちてしまったような気がしなくもありません。



 この1点でジェフは冷静さを取り戻し、逆に山形の方は後半スタートに入れてきた気合いが落ち込んでしまったのかなと。
 山形は後半序盤にかけていた部分が大きかったのかもしれませんね。
 だからこそ、あの時間での2枚変えだったのかもしえませんが。
 ジェフが2点目を取ってからは山形のプレスも緩み、ジェフはいつも通りバイタルエリアを出し入れするパスワークが出来るようになっていきました。


 そして、86分。
 ケンペスが左サイドで相手からボールを奪うと、独走状態となりそのままボールを持ち込んで、冷静にシュート。
 これが決まって3-0となりました。


 後半開始から途中まではちょっとしたポストプレーでの落としのずれや、ボールロストも目立っていたケンペス
 運動量が落ちて守備面での問題も気にはなっていたのですけど、こういった場面での正確なシュートだとか局面での強さなどを見ると、やはり残しておきたくなる選手なのでしょうね。
 これでジェフは山形にとどめを刺した格好になります。
■大外からのサイド攻撃に対して
 ジェフが苦戦したように見えるのは、大きな原因は2つかなと。
 プレスがうまくはまらず、山形がサイド攻撃を多用してきて、ラインが下がってしまったこと。
 そして、相手のプレスに苦しみ、パスをつなげなかったこと。 


 攻撃側からすればサイド攻撃というのは、中央に比べてボールを奪われにくいし、奪われてもあまり問題は生じないエリアであって。
 しかも、サイドを攻撃して縦に攻め込めれば、相手のラインを楽に押し下げられ、この試合でもジェフは全体のラインが下がり、攻守に選手の距離間が広がってしまったと。



 ただ、もしかしたらジェフとすればサイドにボールを持ち込まれる分には、ある程度は仕方がないと判断していた部分はあったのかもしれません。
 一番肝心なのは中央をやられないことですから、そこに関してはボランチがしっかりと穴を作らない。
 相変わらずボールを奪いきるという意味においては物足りなさも感じるジェフのボランチですが、スペースを与えないことを第一に考えて守っているという評価もできるのかもしれません。


 また、サイドの攻撃を受けて、奥深くまでボールを持ち込まれることも少なくはなかったですけど、サイドの大外に相手選手を追いやることはそれなりに出来ていた。
 クロスを上げられても大外からなら精度に問題が出やすいし、相手の攻撃の選択肢が少なくなるので予測もしやすい。
 中央ではしっかりとキムがクロスに対して準備していましたし、クロスに対してはそこまでの怖さはなかったかなと。
 もちろんボールを深くまで持ち込まれるのは嫌だし、全体のラインが下がってしまうのは苦しいですけど、見た目の印象ほど失点の可能性は高くなかったのかなとも思います。


 単純に山形のゴール前での精度の問題もあるとは思いますが、相手がサイド攻撃ばかりだったということもあって、慣れていった感もあった気がします。
 それでも以前のジェフならこういった試合を落としていたと思いますけど、セットプレー絡みで点が取れるようになったというのはすごく大きいですね。
 得点シーンはそれぞれゴール前でのプレーに自信を感じるプレーでしたし、これが連勝による成果とも言えるのでしょうね。
 対照的に山形の方はこれで3連敗とうことで、集中力の欠如やミスも少なくはなかったように思います。
 連敗しているチームにありがちな状況だったかなと。



 今後に関しては、選手の距離感を改善したいところではないかと思います。
 ボランチバイタルエリアを空けないように引き気味で守る…というのはわかるのですけど、もう一歩でも前に出れればもっとパスワークでも高い位置でボールを持てて、相手のプレスにも対応できたのではないかと。
 守備でも後手を踏むケースは少なくなったのではないかと思いますし。
 この試合では前線の選手がバイタルエリアで受ける…あるいはポストプレーをしても、この試合ではボランチが近くにいなかった。
 そのため、バイタルエリアを攻略しての得点というのが、生まれてこなかったんじゃないかなぁと思います。
 G大阪戦ではもっとそこが出来ていたわけで、コンディションの問題や相手の攻撃の違いというのもあるのでしょうけどね。


 そして、ボランチなどを前に出すためにも、プレスを改善していきたい。
 相手を囲んでボールを奪いきるところまでは行かなくても、簡単には前にボールを運ばせないプレスをできるようにしていきたい。
 そこが目下の課題なのかなと思います。


 とはいえ、劣勢でも変に慌てず、要所で落ち着きのあるサッカーを見せてくれたとは思います。
 攻撃では相手のミスを逃さないことが大事ですし、守備も押し込まれながらも安定していたんじゃないでしょうか。
 攻撃でもゴール前やラストプレーの精度の高さを見せてくれましたし、攻守にゴール前で強いチームというのはやはり勝点を稼ぎやすいですよね。
 決して快勝とは言えない内容でしたけど、問題点は解決しながら次に進んでほしいところだと思います。