岡本の「J1でやりたい」という気持ちを叶えるためにも

 今週末、アウェイでジェフは山形と対戦します。
 ここまでの成績と順位を確認すると、山形は現在10勝10敗3分で勝点33の9位。
 ジェフは、11勝4敗8分の勝点41で5位となっていますね。


 前回6月1日にホーム・フクアリで対戦した際は、1-3で山形に敗戦しています。
 その時の試合では、ジェフをしっかりと研究してきた山形の守備に苦しめられた印象が強くあります。
 4-4-2で中盤の両サイドが絞り気味に守り、FWの二人も中央の縦パスを警戒して、ボランチとともに前の6人で中盤中央の守備を固めてきた印象。
 これにより、CBやボランチからトップ下やFWへの縦パスが封じられてしまいました。


 ジェフはその試合で健太郎が出場停止となっており、代わりに兵働がボランチに下がってプレーしました。
 そして、右サイドには田中、左サイドにはジャイールが起用されています。
 そのため、攻撃のスイッチともなっているDFラインとMFラインの間で受ける縦パスのターゲットが、トップ下の谷澤だけとなってしまいました。
 それもあって、山形の中央を固める守備がカチッとはまって苦しんだ印象です。



 現在は左サイドの谷澤もトップ下の大塚もボールを受けられるだけでなく、右サイドの田中も間で受ける動きがうまくなってきていますから、当時に比べてパスワークの幅が広がっていると思います。
 これがジェフが調子を上げてきている1つの要因というか、組織的なパスワークがよりスムーズに出来るようになった大きなポイントだと思います。
 以前は前回の山形戦に限らず、トップ下の位置を厳しくマークされるとそれだけでビルドアップに苦しむことが多かったですけど、今は両ウイングが相手のSB-CB-SH-ボランチの間あたりを狙って、そこでボールを受けられるようになっています。
 これによって縦パスのターゲットが増えて2列目のマークが分散し、相手にとっては読みにくくジェフにとってはパスを回しやすい状況になったと思います。


 G大阪戦などでもポンポンと素早く2列目とボランチの2人で回していって、相手の間やサイドを攻略する形が出来ていましたし、そういったパスワークを今後の試合でもコンスタントにやれるようになっていくことが目標かなと思います。
 2列目の3人もパスワークの中心となりつつある伊藤もシンプルにパスを回すことで良いリズムが出来ている印象ですし、怪我の兵働が復帰した時にすぐにスタメンに戻れるかどうかもわからないかもしれない…。
 もちろんアクセントをつける意味においては兵働も大事だとは思いますが、連携面などもあると思いますし、兵働が怪我から復帰したら嬉しい悩みができる可能性もあるのかなと思ったりします。



 ただ、G大阪戦は選手のモチベーションが高いだけでなくコンディション良かった印象ですから、現段階であの試合内容が毎回できるかどうかは難しいところかもしれません。
 それでもあの試合を参考に考えると、大事なのはしっかりと選手の距離感を近づけることではないかと思います。
 これまでも攻守において良い距離間が保てたときはいい試合が出来ているし、そうではないときは苦戦することが多いですしね。


 まぁ、それだけ走らなければいけないわけですけど、それだけなく攻守においてコンパクトさを保って、局面ごとにサポートの意識などを高めていくことが大事なのかなと。
 もちろん非常に熱い日々が続きますから、コンディション調整もより一層大事になってくると思いますが。
 明後日の試合も18時キックオフと、若干早いのが気にならなくもないですし…。


 また、前回の山形戦ではセットプレー、PKで失点した後にジェフがハイテンションモードに入って1点を返したものの、その後裏を取られてとどめを刺されてしまいました。
 セットプレーの課題は徐々に解決しているのかなとも思いますが、ゲーム運びに若干の不安があるようにも思います。
 難しいところではありますけど、1点取っても満足せずにしっかりと追加点を奪う。
 時間帯によっては無理をしない…というような考え方も大事なのかなと思います。



 G大阪に勝ったとはいえ、それに浮かれてここから結果が続かなければ、前節の勝利も全く意味のないものになってしまうわけで。
 いい意味であの試合をターニングポイントとして、自信を持ちつつ、より上を目指してほしいところだと思います。
 岡本もこのように話していたそうですしね。

いわばJ1レベルの実力を持つG大阪と対戦したことにより、「G大阪と戦うのはおもしろかった。たとえやられたとしても、その駆け引きがおもしろい」と話すと、「やっぱりJ1でやりたいですね」。(BLOGOLA

 実際見ている方としても、いつもよりも90分間気が抜けない展開が続いて、楽しかったと思います。
 J1に上がればああいったレベルのサッカーが経験できるはずですし、そのためにも残りの試合で結果を出して昇格を目指したいところです。
 逆に昇格できなければ、選手がJ1クラブへの移籍を考えてしまうケースも出てきてしまうかもしれないわけですし…。


 また、山形には前回負けているわけですから、それもモチベーションとしてしっかりと戦ってほしい。
 今年のリーグ戦での山形へのリベンジの機会は今回しかないわけですから、強い気持ちを持って戦ってほしいと思います。