ジェフがUAEアル・ナスル森本の獲得に動く?

 こちらは現在発売中の『サッカーダイジェスト』に掲載されていた内容ではありますが、ジャイールのように複数の海外メディアに報じられていた状況とは違いますから、話半分で聞いておいた方が良いのかなと。
 サカダイの記事によると、ジェフが現在UAEアル・ナスルに所属する森本貴幸獲得に興味を示しているとか。
 アル・ナスルには1月から加入し、リーグ戦で13試合6ゴールだったそうですが、先月もJ復帰を検討するような記事が出ていました(報道元の報知はリンク切れでツイナビなどで記事の冒頭だけ読めます)。
 しかし、以前にも森本獲得の報道は出ていたように思いますが何もなかったですし、今回も先日ユナパには遊びに来ていたようですが菅澤コーチに会いに来ただけだったようで、それで今回の報道がされているのでは…という見方もあるようです。


 ただ、補強ポイントの1つではあるのかなとは思います。
 G大阪戦の試合後、大塚がこのような話をしています。

大塚翔平ボランチのヤットさん(遠藤保仁選手)と今野(泰幸)さんがボールを受けてリズムを作るので、そこを自由にさせたら相手のペースになるからそこを抑えようとケンペスと話をしていました。多少はうまくいったかもしれないけど、ほとんど相手にやられました(苦笑)。」(J's GOAL

 実際には日本代表相手に、献身的に頑張っていたと思いますけどね。
 ボールを奪うようなことは多くなかったけれども、ともかく中央にグラウンダーの縦パスを通させなかったというのが非常に大きい。
 守備時のスピードだとか次を予測するような守備などに関しては、まだまだ成長できる部分もあるのかもしれませんけど、しっかりと守備で貢献していたと思います。


 ジェフ公式サイトの試合後のコメントでは、ボランチの健太郎が田中、谷澤、大塚の守備を絶賛しています。
 実際には田中、谷澤あたりはサイドに戻って4×4のブロックを作っていて、守備時は健太郎の言うような「1つ前」という感じではなかった気もしますが、前へのチェックとブロックに戻ってくることが大きかったのかもしれませんね。
 昨日の続きで言えばジャイールにあの守備は出来ないし、あの守備が出来たからこそG大阪戦での素晴らしいサッカーができたわけで、守備の大切さを感じる部分です。



 その中でケンペスですが大塚は「下がって守備をしてくれた」と話していたそうですけど、実際に下がって守備をしていたのは前半の途中くらいまでで、そこからは運動量も落ち守備での貢献度はあまり高くなかったように思います。
 健太郎が3人の選手の名前を上げたのにケンペスの名前をあげなかったのは、そのあたりもあるのかなと。
 悪意はもちろんないでしょうけど。
 1トップが相手ボランチまで下がって守備をするか、相手CBへチェイスをかけるのかはチームの狙いもあるでしょうから、戻らなかったことは一概に問題だとは言えません。
 しかし、相手CBへのチェイシングも少なくなっていましたし、単純に疲労の問題も大きかったのかなと思います。


 まぁ、この試合は他の選手がG大阪戦ということでいつも以上に気合が入っていた中、ブラジル人のケンペスにとってはそこまで盛り上がるシュチュエーションではなかったのかもしれませんが…
 G大阪のライバルであるC大阪の元選手なはずなんですけどね(笑)



 ジャイールとは違って動けさえすれば守備は頑張れるし、体の寄せ方や追い込み方など守備も非常に上手い選手だとは思います。
 よって、前半中頃から動きが少なくなっても、目の前にボールホルダーがいる状況ではしっかりとプレスに行けていました。
 しかし、ここ数か月のケンペスはあまりにも動けない状況に早くなってしまうことが多く、健太郎の言う「後追い」も出来ていなかったし、結果パスコースも限定できないことが多い。
 守備時のポジション修正が少なく、フラフラと歩いている時間が長くなってしまったため、プレスの穴になってしまうことも少なくありません。



 攻撃においても、相手のマークが厳しく一時期ほどの強さだとかキレなどが見られず、相手DFに吸収されることも多くなっている印象です。
 早い時間帯にスタミナ切れを起こしている印象ですし、単純に夏場に入ってきてコンディションが厳しくなってきたのでしょうか。
 それでもポストプレーはしっかりとしてくれるし、前線で難しいボールをキープしてくれることもある上、ケンペスが前線で張ってマークをひきつけることによって、2列目の選手がプレーしやすい状況になる…という部分は大きいと思います。
 

 しかし、これから夏にかけてより一層コンディションが悪くなる可能性も否定はできないし、CFWの代役がいないため怪我や出場停止によるケンペス不在の状況にも不安があります。
 大塚、ナムによる2トップ気味の布陣もそれはそれで魅力がありますけど、2人ともシャドー的な選手なので前線で戦える選手がいないのは物足りなさを感じる…。
 例えば米倉からの攻撃が1つのストロングポイントになっているジェフですけど、ナムと大塚ではそこに合わせる動きと言うのはもう1つなのかなと。
 まぁ、ここ数試合はケンペスもお疲れ気味で、あまりいい飛び込みが出来ていないようにも思うのですが‥。



 そこで森本ということになると、確かに選手としては納得できなくもないのかもしれません。
 欲しいのは体が張れて、守備ができ、ポストプレーも出来て、クロスに合わせるのがうまく、スルーパスにも反応できる選手…。
 贅沢な部分もあるかもしれませんけど、森本なら十分期待できるのかなと。
 最近はプレーを見ていないので、守備やポストプレー等はどうなのかはわかりませんけど、ポテンシャルを考えれば十分こなせる選手なはずだと思いますし。


 ただ、サカダイの記事によると年俸は1億円以上とのこと。
 そんな金額を出せるほどジェフに余裕はない…というか、Jリーグでもトップレベルの年俸ということになります。
 なかなかそれを簡単に払えるようなクラブないんじゃないでしょうか。


 ※追記と訂正。
 年俸1億円以上と書いてしましたが記事を読み直したところ、正確には現在森本のパスを持っているカターニャとの違約金=移籍金が約1億3000万円とのことでした。
 誠に申し訳ございません…。
 ちなみに昨年9月のガゼッタ・デロ・スポルトによると2012-2013シーズンの森本の年俸は200万ユーロ(現レートで約2500万円)、今年1月の夕刊フジによると約4000万円と書かれているので、大凡それくらいの年俸のようです…。



 それなら、緑のチームからあの選手を補強するとか…(笑)
 細かなポストの技術などは劣りますけど、怪我などがなければケンペスのスタメンは変わらないでしょうから、途中出場での守備の活性化やパワープレー要員としては期待できるでしょうし、チームの雰囲気の良い今ならフクアリも盛り上がるかもしれない。
 そして、来期以降は久保を戻して、ケンペスと競わせる…と。


 予算がないのであれば、それだけでも補強になるように思いますけどね。
 そもそもケンペスも動ければ戦力としては十分なわけで、あくまでも必要なのは代役的な補強だと思いますし。
 もちろんそれを超えられる選手が補強できればそれは嬉しいですけど、戦術的にはケンペスがはまっているわけですし。
 だから、外国人選手の補強もここは難しいんじゃないかと感じますし、外国人選手を同じポジションで競わせるというのもどうかと思うし、獲るのなら外国人ボランチなのかなとも。



 ともかく、チームはいい流れにきているだけに、今は補強するにしてもうまいことその流れを崩さないような形にしてほしいところですね。
 あくまでも文字通りの補強というか。
 シーズン中ですし今までのチームを大きく変えるのは無理があると思いますから、補強できる予算的な余裕があったとしても現戦術に沿った補強というものを期待したいですね。


サッカーダイジェスト 2013年 7/23号
サッカーダイジェスト 2013年 7/23号 [雑誌]