テストゲートの罰則は軽度なものに

 ピレリメルセデスの今年度マシンを使って、タイヤテストを内々に行ったテストゲート問題。
 FIA国際裁判が開かれ2日にかけて検討された結果、ピレリメルセデスに勧告を与えられ、メルセデスは7月に行われる若手ドライバーテストへの参加禁止を言い渡されました。
 多くの人々が話しているように、非常に甘い罰則となりました。



 裁判でわかった内容としては、メルセデスが個別にFIAチャーリー・ホワイティングに電話でテストが可能かどうかを確認。
 ホワイティングはピレリが全チームを招待すれば、テストは可能であるという回答をなしたそうです。
 しかし、裁判によるとピレリは全チームを招待せずに、テストを敢行。
 この辺りが問題になっているということになるはずです。


 一方でピレリは、FIAから依頼を受けてタイヤを供給しているだけであって、チームのようにFIAのレギュレーション下にはいないと主張。
 もともとFIAに裁かれる立場ではなく、今回の裁判にかけられたことに関しても反発しており、場合によってはFIAを提訴する構えも見せています。
 この辺りが1つのポイントになっている気もしますね。
 FIAとタイヤサプライヤーとの規約と、FIAとチームとの規約が違うから話が複雑になっているという部分が。


 メルセデスは自分たちが主導で行ったテストではなくピレリ主導で行ったものであり、自分たちに責任はないと主張。
 テストで得た利益もない…という話をしていますが、これはちょっと無理があるような。
 加えてレギュラードライバーによるテストではないことを偽装するため、いつもとは違うデザインのヘルメットを使用しているなど、今回のテストに何らかの落ち度があることをわかった上で行った可能性があります。
 メルセデスは警備上の問題と話していますが、それも無理がある話ですね。


 そういった経緯もあったためか、今回の若手ドライバーテストへの参加禁止も、メルセデス側が申し出た模様です。
 これで手打ちにしてほしいということですね。



 甘い処分になったのも、ピレリにもメルセデスにもF1から撤退してほしくないという理由があるからではないかなと思います。
 ピレリはなかなか来期以降の契約が進まずにもめているという話がありますし、メルセデスはエンジン供給元として優秀ですが、以前から株主の一部はF1参戦に反発しているという背景もあります。
 もちろん他チームからは反発の声が上がっていますし、もしたしたら難からの動きもあるのかもしれないですけれど、これで一応の終結となったといえるのでしょうか。