イタリア相手に3点取るも4失点…

　前半から日本代表はブラジル代表戦とは見違えるほど、動けていましたね。
　攻撃の時の動きはもちろん、プレスも素早くかけ続ける。
　一番の変化はコンディションだと思うのですけど、よく気持ちの面も含めて初戦から立て直したなぁと。
　ブラジル代表戦は、初めから諦めて調整していたんでしょうか。
　ということは、ザッケローニ監督はブラジルはダメでも母国なら勝てるとみていた？(笑)

　逆にイタリア代表は、前半終盤まで全く動けてなかった。
　1日、日本代表より日程が厳しかったとはいえ、ひどい内容だったと思います。
　こちらは日本代表をなめてかかっていたんでしょうか。

　戦術というか、ボール回しにおいて変化を感じたのは、積極的に左サイドの香川をビルドアップで使っていったこと。
　前戦までの日本代表は本田にボールを集中して底から縦に…という流れが多かったですけど本田、香川、遠藤、長友の左サイドでボールを回して、チャンスを作る。
　これによって相手の守備の的が絞りにくくなり、パスワークの幅が大きく広がった印象です。
　ジェフが谷澤1人で受ける形から、兵働も2列目に起用して受け所を2つ作りボールを回せるようになったのと、非常に似たような状況ではないかなと感じました。

　日本代表が2点先にとって試合を優位に進めていたものの、前半終了間際からイタリアが猛攻を仕掛けていきます。
　そうなってくると、日本代表守備の脆さが出てしまいましたね。
　プレスが効いている時間帯はいいけれども、それを掻い潜られてしまうと、跳ね返せない、潰せない…。

　そういえば南アフリカW杯の時は阿部のアンカーだけでなく、駒野の存在も守備で大きかったですね。
　もちろん中澤、闘莉王という跳ね返せるCBコンビの存在も重要だったと思いますが、全体的に守備が軽すぎるというか守備に強い選手が少ない。
　これまでのアジア予選突破のためにはテクニカルで攻撃力のある守備陣でよかったと思うのですが、ここから先はどうなのかと感じてしまう部分もありました。

　イタリア代表は日本代表のミスも手伝って短い時間3点を返し逆転。
　しかし、そのあとのイタリア代表は守備に転じて、スペースを消す形。
　特に香川の左サイドのスペースを消して、高い位置へのボール運びを食い止めていた印象もあります。
　イタリアらしいといえばらしいのかもしれませんけど、プレスなどは緩く甘さもあったと思います。
　やはり基本的にはイタリア代表のコンディションの悪さが目立つ。
　それでもあの時間帯は本気になって、3点も取って逆転するまでの力はあるというのだからすごいなと逆に感じてしまいましたが。

　その後、日本代表が1点取り返し同点にした後も日本代表が攻め続けましたけど、イタリア代表のカウンター一撃で3-4に。
　やっぱりこのチームの課題は守備だよな…と改めて感じました。
　それもこの試合を見る限り、戦術以前の何かもっと大事なものが足りていないような気がしてしまいます。
　それこそちょっとアジアレベルに慣れ過ぎているというか、世界モードになれていないのかなぁとも。　
　果たして1年で世界モードになれるのかどうか、そういった選手がいるのかどうかという問題もあると思いますが。

　ブラジル代表戦で落胆しただけに、良いところも見れて良かったとは思います。
　しかし、それだけにもったいなさすぎるというか。
　可能性を感じただけに、これがW杯本番だったらどう思うかな…と感じた試合でした。
　可能性だけを感じるチームというのは、逆に言えばそれだけ完成度は低く、詰めの甘いチームということになるんじゃないかと思いますし。

　また、この日のイタリア代表が、どれだけの力を出し切れたのかというのも疑問です。
　イタリアという名前だけでチームを見てはいけないと思いますし、本気度が違ったというか。
　そして、この大会も大事な国際大会だったわけで、せめて勝点1は欲しかったところではないかなぁと思うのですが。
　そういう意味でも、非常に残念。
　あぁ、ともかく最後となるメキシコ代表相手に、日本代表としての意地を見せてほしい。
　それができるかどうかで、今後のチーム編成の方向性も変わってくる可能性もあるんじゃないかなぁと思います。

　明日、明後日の更新はお休み。
　今週末イギリスGPと書いてしまいましたけど、来週末でした！
　ごめんなさい。