ベース作りの段階から勝利にこだわるステージへ

 昨日、一昨日と取り上げた監督、選手のコメントを読んでいると、サッカーに対する共通理解は出来ている印象なんですよね。
 無論、解決方法だとかニュアンスやディテールは違ったとしても、ベースとなるベクトルは同じ方向を向いているというか。


 何度も言っているように、今年のサッカーのベースは「相手の間を取って崩していく」ということだと思います。
 こうやって、シンプルに説明できるということが、やっているサッカーの明確性の証明につながるのではないかなと。
 ここ数年は、なかなかなかったことだと思いますし。



 もちろんこれまでにも倉田が仕掛ける形だとか、オーロイを狙う形だとか、米倉がサイドを攻める形など、選手を中心とした狙いはあったとしても、組織としての崩しの狙いはどうなのか…という部分がありましたし。
 論理的に作られたチームは課題や改善点も見つけやすいだろうし、そうなればチームの安定した成長も期待できる…と。
 まぁ、実際徐々に改善されてはいると思うんですよね。
 谷澤と兵働を2列目に並べてボールの受けどころを増やしたり、田中を起用して運動量を増したし、米倉や高橋のSB起用など選手選択の部分も含めて。


 ただ、その成長度合いが遅ければ、それはそれで問題になってしまいます。
 加えてどちらかを取れば別の部分を失うことも少なくなく、良い方を選んでも別の課題が出てしまったり。
 単純に攻守に貢献できる選手が少ない問題だとかもあるでしょうし。


 そして、あまりにも組織の部分を尊重しすぎて、個の部分が出せていない問題も…。
 だから鈴木監督はジャイールに、まだ期待している部分があるのかなとも思います。
 まぁ、単純に勝利への思いだとか、自分が試合を決めるんだという決意だとか、個々の選手のメンタル的な部分がもう少し足りていないような印象もなくはないのですが…。


 戦力的には今年レジナウドがいたらなぁ…と思うことが結構あったりします(笑)
 シンプルにパスも出せてタメも作れそうでクロスも上げられ、体格もあるから前線にも飛び込んでいける。
 まぁ、昨年の段階でもったいないなと感じることが多かったですけどね。
 かといって、昨年ケンペスジャイールがいても木山監督は使わなったんじゃないかと思いますが。



 さて、今週末は徳島とアウェイで対戦です。
 徳島とは明日6月22日に戦うわけですが、7月27日にはホーム・フクアリで再び対戦するんですね。
 J2に降格してから徳島戦は毎年シーズン序盤に当たって、最終節や残り数試合のところで試合が組まれることが多かったのですが、その反動でしょうか(笑)


 しかし、ほぼ1か月後に同じチームと対戦するというのは、なんとなくやりにくい気もしますね。
 まぁ、明日の試合にしっかりと勝てれば、良いイメージのまま来月の徳島戦にも臨めると言えるのかもしれませんが。


 徳島は現在8勝9敗2分で勝点26の13位。
 順位は低いですけど、G大阪が独走状態になりつつあることもあって、中団チームは接戦となりつつありますし、勝点29のジェフはその中断チームの先頭あたりの位置取りになっています。



 ここから抜け出すためにも、より勝利に、より得点ににこだわっていく必要があるのかなと。
 ベースを作る部分としては細かなボール回しだとか約束事が大事になってくると思うのでいいのですが、最終的には得点、勝利というのが大事になってくるわけで、今はそこが足りないのかなと思います。
 もう一歩ここからチームが成長できるかどうかが、今現在のジェフに問われているところですね。