イギリスGPとタイヤゲート裁判
今週末は伝統あるシルバーストンでイギリスGPが開催されます。
…が、その前に現地時間の明日20日、大事な出来事があります。
メルセデスの今年度マシンを使ってピレリタイヤのテストを行った問題…最近ではタイヤゲートと言われていますが、それに対するFIA国際裁判所での裁判がついに行われます。
F1ではアメリカでおこったウォーターゲートになぞらえて、ウィリアムズの契約があったもののホンダが多額の資金を使ってBARに移籍させたバトンゲートや、フェラーリとマクラーレンの主要スタッフ間で情報のやり取りをしていたとするスパイゲートなど、「〜ゲート」と名付けることが多いですね。
抜け道を狙う感じがゲートという言葉と合致するということなんでしょうか。
今回の件では、テストを許可したのではないかとされるFIAのチャーリー・ホワイティングが失職するのではないかという話や、メルセデスのロス・ブラウンが責任を取らされることになるのではないかという噂も出ています。
メルセデスは多くの主要スタッフを外部から補強していることもあって、ロス・ブラウンを放出しても構わない…というか、むしろチーム内の政治的な争いが解消されるのではないかという話もあります。
大きな罰則をメルセデスチームかピレリタイヤに与えてしまっては、今後のF1活動に問題が生じる可能性もあるかもしれない…。
メルセデスはエンジンメーカーとして多くのチームにエンジンを供給しているし、ピレリタイヤも評判は良くないですが今から他のタイヤメーカーを探すのも簡単ではない。
そこでFIAやメルセデスのトップに責任を取らせて、話をまとめる…という可能性も出ているということだと思います。
まぁ、個人的にはそういった発想はいかがなものかと思うのですが。
週末のイギリスGPでも、タイヤ問題がレースのカギになってくる可能性があります。
そもそもタイヤの持ちが悪いということでテストを強引に行ったと思われるピレリですが、その後本来はイギリスGPから新しいタイヤを投入する見込みとなっていました。
しかし、カナダGPの金曜日にテストしようとしていたものの雨天でドライタイヤがテストできなかったこともあって、新タイヤ投入に必要だった全チームの承諾を得られず。
まぁ、ピレリの持たないタイヤを見越して、タイヤにやさしいマシン作りをしてきたチームにとっては、賛同しづらい状況ということですね。
ピレリは協力的ではないチームに不満を隠さず、今後も4ストップのレースが増えても我慢してほしいとコメント。
…ただ、そもそもそのようなタイヤを作ってしまったことが問題であり、いわゆる"逆ギレ"のようにも見えなくはないですが(笑)
ということで、イギリスGPでもいかにタイヤが持つか、持たせるかがポイントになってきそうです。
まぁ、その前にどういった判決が下るのかが気になるところですが。
最後にちょっと訂正的な内容になりますが。
「パドックではエイドリアン・ニューウェイが2014年末で辞めると推測されている。この天才デザイナーは、制約が増え続けるレギュレーションにしばしば不満を示してきた。それに彼は、新しいターボ時代がF1をエンジンフォーミュラにしてしまうのではないかという懸念を抱いている」 (F1-Gate)
こちらはドイツのAuto Motor und Sportが伝えた内容です。
以前私はホンダの参戦時において、現在のF1はコスト削減のためレギュレーションが厳しく、エンジンの性能差が少ない。
よって、あまりエンジンメーカーが目立たない状況であるという話をしてしまいました。
しかし、レギュレーションが来年から大きく変わりV6ターボエンジンになる上、エネルギー回生システムも変更されるため、エンジンメーカーの重要性が高まっていくということのようです。
ニューエイのこの噂に関しては、フジテレビCSのF1GPニュースなどでも取り上げられていましたし、少なくともパドックでは話題に上っているものなのでしょう。
そうなってくれば、エンジンメーカーにとってはやりがいが増えてくるのかもしれません。
その分、難しさも当然増えては来るのでしょうし、マシンデザイナーとしては悩ましい部分も増えるのかもしれませんが。
ともかく、基本的にはホンダには頑張ってほしいと思っていますし、報道の通りだとやりがいもありそうですから、まだまだ先は長いですけど応援していきたいと思います。