2位神戸との対戦を刺激に変えて

 W杯最終予選の盛り上がりも冷めやらぬまま、今週末はJ2が開催されたりします。
 やっぱりW杯出場を決めて驚いたのは、サッカーファン以外の方からの注目ですね。
 大なり小なり反応されている人が多いようで、ちょっとびっくりというか。


 私も本田に関してちょこちょこ聞かれることが多かったりするわけですが、たぶんこのサイトを読みに来ていただいている方には、そういった経験がある人も少なくないんじゃないでしょうか…。
 当然エピソードなどに関してはそこまで詳しくないので、とりあえず秋津で見た五輪直前の練習試合はやる気がなさそうで酷かったとだけ言うようにしております(笑)
 基本大舞台…というか自分が大舞台と思う試合にすごい力を発揮する選手じゃないかと思いますしね。


 話を戻しますが、結局普段からのサッカーファンにとっては、サッカーとは"日常"にあるものであって。
 もちろん日本代表がW杯出場権を決める試合というのはサッカーファン…というか、日本代表ファンではなくJリーグファンなどにとっても大事な試合ではあるわけですけど、サッカーが行われ、サッカーを見ること自体は"特別"なことではなく。
 だから、比較的冷静に見ることができるというか、ここまでサッカーで国全体が盛り上がっていることに驚きを隠せないというか、何らかの小さなギャップを感じる。
 サッカーファン以外にとっては、この大一番だから見てみようと。
 一発勝負で、成功条件もわかりやすく、国内開催だから時差もなくて、スタジアムも凄く盛り上がってるぞと。
 これは何かすごいことになりそうだぞと。


 もちろん、そういった状況というのはJリーグファンなどにとっても悪いことではなく。
 サッカーなどに限らず、新しく何かを始める…ということになれば、一歩目を踏み出すハードルの高さというものが、どうしてもあるはずだと思います。
 サッカーへの入門編として日本代表の試合というのは、簡単でわかりやすくノリやすいものなんじゃないかなぁと思います。
 しかし、入門編だけで終わってしまうことも多いはずで、そこから先はJリーグ関係者などの努力が求められるところということになるのでしょうね。



 さて、世間ではそんな動きがある状況で、ジェフは2連敗中と決していい状況とは言えないのが実際のところですね。
 しかも、今週末はアウェイで現在2位の神戸が相手となっています。
 注目度においては良いカードだとは思うのですけど、相手として手強いですね。


 今期好調な神戸ですが、やっているサッカーはシンプルなのかなと。
 守備では4-4-2で対人のディフェンスをしっかりとして、縦にボールが入った瞬間にDFラインや中盤が激しくアタックに行く。
 多少最終ラインのスピード等に課題があるのかもしれませんけれども、強さや高さを感じるディフェンスだと思います。


 そこからボールを奪って、直線的に勢いよく前に選手たちが出行って、攻撃を仕掛ける。
 そこでポイントになるのが、外国人選手の3人。
 特に新加入のエステバンとマジーニョはパワーとスピードあるドリブルを持っていて、技術もある良い選手ですね。
 この2人がチームを大きく支えている印象です。


 また、イ・グァンソンや田代など、高さもある印象で。
 ジェフの苦手なセットプレーにも注意が必要ですね。


 …と、ここまで書いていて、やはり昔からの神戸っぽいなぁと感じました(笑)
 4-4-2で外国人選手ががんばって、高さもあって…と。
 一部選手が流出しても、その神戸っぽさを残せていることが良い結果に結びついているのかもしれませんね。
 安達監督も続投していますし。
 それに加えて、今は橋本というバランサーがいることも大きいのかもしれませんが。



 ジェフは前節山形戦で1-3の敗戦。
 ただ、大敗はもちろん前向きにはとらえられませんけど、戦術的に大きく何かが崩れたわけでもないと思っています。
 攻撃に関しては健太郎が出場停止で、兵働をボランチに下げてジャイールを起用したことで、バイタルエリアで前を向いて、パスワークで崩す形が出来なくなってしまいました。
 しかし、これに関しては健太郎が復帰して兵働を一列前に戻せば、元に戻る部分はあるかもしれない。
 

 また、守備に関しても、セットプレー、PK、山口智が目測を誤ったところからの失点…と、ミス絡みの失点が多く。
 ミスからの失点ばかりが続くと、見ている方としてはなえてしまいますけど、はっきりと崩されていないだけに、改善はしやすいのかなと。
 まぁ、セットプレーに関しては、しっかりと修正してほしいところではありますが。



 そう考えていくと、まだシーズンも先が長いわけで、そこまで大きく落ち込むことはないのかなとも思わなくもありません。
 しかし、戦術的にはともかくとして、選手個々の動きはあまりよろしくないのかなと。
 特に山口智を中心としたDFラインの落ち込みはひどいものがあるように思います。
 失点に絡んだミスというのも、ようは戦術的な問題というよりは個々の問題の方が大きいと思いますし。


 けれども、ここで木山監督を続投すべきだったという声と、ようやく出てきた山口智に問題があるという意見が同時に出ているのは意外かなと。
 もともと山口智は木山監督の希望もあって、獲得した選手だったはずですし。
 かといって、今年は戦力があまり入れ変わらず、むしろベテラン選手が多い中での戦力維持はマイナスを意味する上、それを補う唯一の希望が外国人選手たちだったわけですが、木山監督は外国人選手を起用するのが得意ではなく…。
 昨年は戦術的に何かがあったわけではないチームで、本当に継続したほうが良かったと胸を張って言えるのかどうか。


 今年のチームはモータースポーツで言えば昨年型のマシンをそのまま使って、監督とエアロパーツを変えたような状況であって。
 わからない人には全然わからないのかもしれませんが…(笑)
 その状況でチームに伸び代がない、昨年よりライバルと差がついている、と言うようになるのは当然な気もします。



 思いきって山口智を外すべきというのも、外からは簡単に言えるかもしれませんけど、怖さというのも当然あると思います。
 代表で言えば遠藤や長谷部を、若い選手と簡単に切り替えられるかどうか…というような話ですし。
 まぁ、ジャイールを起用する勇気があるのなら、後ろも変えてみてほしいとは思いますけど、後方のほうがいじりにくいというのは実際あるのでしょうね。
 他に有力な候補がいないという点も含めて。




 そうやって考えていくと選手起用というか、戦力の面での不安というのはあるとは思います。
 このところよくないように見えるコンディションに関しても、心配な部分はありますし。


 そのような状況で神戸とやるわけですから、怖く感じる部分もなくはありません。
 しかし、これが逆にいい刺激になれば。
 相対的に伸び代は少ないであろう中堅からベテランのジェフですけど、そういった選手たちが変われるのは、こういった格上とも思える相手との試合なのかもしれない。
 チーム全体としても、ここで神戸に勝てば再び自信と勢いを取り戻すかもしれないですし。


 選手構成というのは今後も大きく変わらず、個人的にはそこが一番の問題点だと思っていますから、厳しい状況は今後も続くかもしれません。
 けれども、まだいろいろなことを諦めるにしては、時期が早すぎる。
 可能性がある限りは、限られた中でも試行錯誤をして、昇格を目指していかなければいけないと思います。



 明日、明後日は更新お休み。