健太郎欠場で中盤の陣形は？

　長崎戦で2枚のイエローカード受けてしまったため、次節は佐藤健太郎が出場停止。
　確固たるレギュラー選手の1人だっただけに、健太郎抜きでどういった布陣になるか気になるところですね。

　最も考えられるのが、兵働がボランチに戻される形でしょうか。
　シーズン途中まではボランチでプレーしていましたし、ここ最近も試合途中、点を取りたい場面で勇人をジャイールに変え、兵働をボランチに移すことが多くなっています。
　ただ、兵働の右サイドも機能しているだけに、ちょっとそこがもったいなく感じるところではあります。
　兵働が相手左サイドと相手ボランチの間あたりでうまくプレーすることで、相手が捕まえきれずそこからチャンスを作るということも。
　相手ボランチは谷澤やケンペスを、相手左サイドは米倉を見る形にしておいて、うまく兵働がその間をつけているのかなと思います。　

　それに加えて兵働、勇人のボランチになると守備にも不安が残ります。
　ただまぁ、1試合だけになるはずですから、そこは何とか誤魔化せれば…という感じになるんでしょうか。
　兵働が次戦でボランチに入るのであれば、うまくビルドアップなどの攻撃面を活かせるようにして、守備面の不安に対しておつりがくるような状況ができるといいのですけどね。

　兵働がボランチに移れば、ナムがトップ下でしょうか。
　チームの軸となるトップ下の位置で前を向いてパスを出すという点では、ジャイールなどよりナムでしょうし、守備においてもナムのほうが期待できます。
　右サイドに谷澤が入って、谷澤が兵働の代わりになれれば、そこの穴も多少は埋められるのかなと。
　

　その他に大塚などにも期待したいところではありますが、これまでの起用方法を見ると鈴木監督は大塚によりゴールの部分を期待しているのかなと感じます。
　試合終盤の細かなビルドアップなどは求められない状況で、フィニッシュに集中させる形で、大塚の攻撃センスを活かそうということなのかなと。
　実際、長崎戦でも一度よい形でシュートまで入って行けましたしね。
　ジャイールは守備に関して大きな穴がありますし、スタミナも90分持たないことが多かったですから、両チームの選手が披露した状況で起用する今の形のほうが良さそうですね。
　周りが疲れているからこそ、個人能力で突破できるジャイールの良さが出ますし、守備の穴もそこまで目立たない。
　深井に関しても同様なのかなと思います。

　健太郎の穴をそのまま埋めることを考えれば、タイプ的には山口慶が一番近いように思います。
　健太郎ほど短・中距離のパスは出せないかもしれませんけど、運動量やカバーリングにおいては健太郎に近いところがあるはずで。
　山口慶を起用し兵働をボランチに下げなければ、2列目のメンバーが変わらずそこの連携が保ちやすいというメリットもあるはずです。
　現状維持を第一に考えるのであれば、山口慶がベストなのかなと思わなくもありません。

　その他の候補を考えると、今年これまでボランチ経験のない選手ということになると思うので、その分リスクは大きいのかなと。
　ナムなども韓国ではボランチだったそうですが、フィジカルを駆使してマークの厳しいエリアで前を向いてスルーパスを出す能力、ドリブルで持ち込んでのシュート…などを見ていると、攻撃のセンスを強く感じます。
　その良さを引き出し、今後伸ばしていくことを考えるとすると、2列目に固定したほうが良いのかなぁと。
　能力的にはボランチでもやれそうな気はしますが、本人の成長を考えればトップ下に集中させた方が良いのかなぁとも思います。

　本当はキムあたりをボランチで起用して、これを期に守備の改善を期待するという展開も見たかったのですけどね。
　こういった出場停止や主力選手の欠場から、世代交代が進んだり、チームが好転したり…ということはありえないことではないと思いますし。
　しかし、残念ながらキムは負傷中なのか、ここ数試合ベンチにも入ってもいない状況です。
　代わりの良太は器用な選手ではありますがスピード面などには課題もあり、ボランチという感じではないかなぁと…。
　キムの寄せの早さだとか球際の強さ、ビルドアップのセンスなどを考えれば、広範囲に動き回るのは難しいにしても、フォアリベロ的なアンカーは出来そうな気もするのですが。
　キムがアンカーの位置でボールを跳ね返せれば、CB2人のサポートにもなると思いますし。

　もう1人、密かに期待しているのは伊藤大介。
　開幕直後は勇人の負傷などもあって途中出場も多かった伊藤ですが、ここ最近は出場機会もなくベンチ入りも出来ていません。
　運動量などの問題もあるのかもしれませんが、非凡なパスセンスなどはこのチームのベースにもあっているはずで。
　しかも、伊藤が試合に出場できるようになれば、セットプレーのキッカーとしても期待できる。
　左のキッカーには兵働がいますけど、右の伊藤も加われば幅が広がりますし、課題であるセットプレーからの得点能力問題においてもプラスに働くのではないかと…。
　今期花が咲かなければ今後が心配な選手でもありますし、今後の巻き返しに期待したい選手です。
　年齢で1つ下にあたる米倉はブレイクし始めてしまっていますし、実は正念場を迎えているのではないかと思うのですが。

　ともかく、カバーリングでチームを支えてきた健太郎の出場停止は、チームにとってピンチではありますが、逆に他の可能性が広がるチャンスでもあるはずで。
　レギュラーメンバーが固まってきた今だからこそ、控え選手の奮起に期待したいところです。