鈴木監督「運動量勝負になったらダメ」
このあたりが、ここ数試合の個人的なメインテーマですね。
運動量については?
鈴木淳監督「ウチの運動量が落ちましたね。そこの勝負になったらダメだと思ったので、ボール動かしたかった。この暑さが、今年初めてできつかったと思います」(J's GOAL)
J's GOALはこのように書いていますけど、ジェフの公式サイトの方を見ると若干書き方が違って。
記者のコメントも「運動量で後手を踏んでいたと思うが」と、より厳しめなコメントになっています。
確かにオシム監督ではないですけど、走ることがサッカーの基本ではあります。
ただ、鈴木監督も言っている通り、運動量勝負になったら勝てない可能性は高かったわけで、その分相手を走らせるサッカーをするしかないんだと思います。
オシム監督で言えば、ジェフ時代のサッカーと言うよりは、日本代表時代のサッカーということにもなるのかもしれませんが。
だから、ある程度「運動量で後手を踏む」のは仕方のないことで。
その分パスワークなど「ボールを走らせる部分で先手を取る」というサッカーを目指しているのだと思います。
それは選手構想などや年齢層などを考えれば間違いではないと思うし、長崎戦の前半途中まではそれがうまくいっていたと思います。
まぁ、相手の守備も前からのプレスをかけつつではあったものの、基本的にはこちらの縦パスを待ち構えるサッカーをしていましたから、「相手を走らせる」までにはうまくいっていなかったかもしれません。
しかし、無理にジェフの選手が走ることなく、ボールを走らせるサッカーにはある程度なっていたと思います。
ただ、それでも後半の早いん段階で、足が止まってしまった。
プレスも効かなくなり、DFラインが下がって、中盤で拾えなくなり、攻撃でも選手間の距離が開いていってしまった…。
それが現実であり、辛いところですよね。
これが相手が運動量で結果を残してきた長崎だったから、相対的に足が止まって見えたのか。
または、13時キックオフで気温が高い日に行われた試合だったからなのか。
あるいは、移動距離の長いアウェイ開催で、コンディション的にきつかったのか。
すべての要因が絡んだ可能性もあるし、分析も難しいところだとは思うのですけど、大事なのは今後も同じような状況が続くかどうか…というところですよね。
今後はキックオフ時間は遅くなりますが、梅雨の時期になって湿度も上がってくる。
考え方によっても違うかもしれませんが、暑さ以上に湿度のほうが体力開府においては厳しいという考えもどこかで読んだことがあるような気がしますし。
それにもちろん蓄積した疲労も考えられる。
昨年の山口智のけがも前後のプレーを見ていると疲労による影響もあったんじゃないかと思わなくもないですし、少なくとも竹内は夏の終わり頃、明らかにコンディションを落としていたように見えました。
どうせ足が止まることがわかっているのであれば、いっそ足が止まった時に引いて守る形を作れれば…とも思うのですけど、長崎戦も後半の5分過ぎにはすでに動きが落ちたようにも見えましたし。
前半から無理をしないスタイルで、そんなに早い時間に動きが止まってしまうのであれば、そういった策も取りにくいでしょう。
そうなってくると選手を入れ替えるのか…ということになるわけですけど、それも口で言うほど簡単ではない。
鈴木監督は開幕前に戦術をしっかりと付くることで、選手を入れ替えることのできるチームを…というような話をどこかで言っていましたが、特に後ろの方は連携面が大事ですし(もちろん運動量の低下は後ろだけの問題でもないのでしょうけど)。
かといって、あれだけ動きが落ちる選手が多いと、途中交代だけでは賄えないようにも思いますし、今から若い選手を積極的に起用して育て上げる…なんていうのも、難しい部分があるのでしょう。
結局のところここ数年、中途半端に中堅からベテラン選手ばかりを補強して若手が少ないことのツケが、ここにきて出てしまっているんじゃないでしょうか。
"1年でJ1復帰"ばかりを主眼に置いて、じっくりとチームの成長を見ていくことができない…。
山口智を補強して1年目は良かった部分もあったかもしれないけれど、それが2年目になると持たなくなってくる(これは茶野などもそうだったはずで)。
これはチームというよりもクラブレベルの問題ですね。
やたら両SBだけ元気なのも、結果的に若い選手を使えているからなんじゃないかなぁとも思いますし(笑)
今後J2を勝ち抜いていくだけでなく、J1に上がった以降も考えるのであれば、どこかで世代交代を考えなければいけないのだろうなぁと思います。
前にも言ったように大きな成功も成し遂げていないのに、世代交代を考えなければいけないというのも悔しい話ですが。
ただ、実績のあるベテラン選手を外す…というのは、プレーの面以外でも様々な影響も考えられるでしょうし、監督にとっても難しい決断だと思います。
それを監督にやらせざるを得ない状況を周りが作り上げてしまっているかもしれないという状況を考えると、なんとも複雑な思いがありますね。
まぁ、長崎戦も足が止まったとはいえ、終盤にチャンスも作れたわけですし、決して絶望するような内容ではなかったはずで。
ただ、早い時間帯に足が止まったという課題は明確にでたわけで、それに対してどう考えていくかが悩ましいところです。
"戦術"的な問題というよりは"個"の問題であって、むしろ"戦術"面ではそれを補おうとする努力は見えるだけに、難しい課題だと思います。
夏の補強といても予算は限られているし、今年は補強動向が昨年ほど活発でもないし、外国人枠も埋まっていますしね…。
さて、どうしたものか…。