1つ1つ積み重ねて3位にまで浮上

 J2も前節が終わったところで15試合が経過。
 今年は全42試合ですので、4分の1から3分の1が終わったところといったところになります。
 意外と早い気もしますね。


 現在4連勝のジェフは、この間に順位を上げて3連勝。
 昨日の話の続きではないですけれども、目先の勝利だけにこだわらず、しっかりと自分たちの目指すべきサッカーを貫いてきた結果、ようやく"目指すサッカーで勝てるサッカー"に近づいてきたといった感じではないかと思います。
 もちろん守備の穴だとか得点力の部分などまだまだ課題はあるわけですけど、チーム作りにおいて1つ1つ積み重ねていく感覚というのはジェフにとっては本当に久々で、それだけでも応援し甲斐があるというか、今後の発展に期待したくなってしまいます。


 ここまでのJ2は神戸が独走、そこに地力のあるG大阪が巻き返してきて2位に…というイメージでした。
 しかし、実際のところは首位の神戸が勝点33、2位のG大阪が勝点30で、3位のジェフは勝点27と、決して上位2チームに圧倒的な大差をつけられているわけではなく、数字上では挽回のチャンスは十分にあるといえそうです。
 けれども、一方で前々節終了時まで3位だった長崎が1試合で一気に6位に後退するなど混戦状況が続いており、ジェフも1つ負ければ多く順位を下げる可能性のある難しい状況になっています。



 ジェフは、その長崎と今週末アウェイで対戦。
 長崎は開幕からの3試合こそ引き分け、負け、負けと苦戦しましたが、そこからはJリーグ初年度のチームとは思えない成績をあげます。
 前節京都に負けるまで、実に11試合負けなしという素晴らしい成果で、順位を上げてきました。


 チームスタイルとしては、ともかく運動量の豊富なサッカー。
 決して有名選手がいるわけではないですが、守備的なサッカーではなく、積極的に前へ圧力をかけていって、運動量で相手を押し込むチームなのかなと思います。
 前節の京都戦も0-1で敗れはしましたが、決して悪い内容ではなく。
 シュート本数でも長崎が9本で京都の2本を大きく上回っており、長崎が攻め込む時間帯も短くない試合となりました。


 有名選手不在と言いましたけれども、それが逆にメンタル面でうまくいっているのかなとも思います。
 Jリーグのひのき舞台に立つことを渇望した選手たちが、思いっきりサッカーを楽しんでプレーしている…。
 それに11戦無敗という結果もついてきて、自信を持ってプレーできているのかなと思います。



 運動量豊富なチームと、技術で相手を走らせようというチーム。
 実績は少ないけれども頑張る選手たちと、J1でも主力だったベテランの多い選手構成。
 もちろん今年Jリーグ1年目のクラブとオリジナル10ということも含めてそうなのですけど、その他の状況も含めて両極端な2チームの対戦ということになるのかなと思います。


 長崎としては11戦無敗から京都に敗れて、ここでガタっと一気に崩れたくないという思いが強いのではないでしょうか。
 戦力的には決して恵まれているとは言いづらいチームなのでしょうし、今後夏場に向けて走るサッカーでは苦しむ不安というのあるかもしれない。
 その分、メンタル面が非常に大事になってくるのでしょうし、ジェフ戦はホームでもありますから、強い気持ちを持って戦ってくるのでしょうか。
 逆に言えばジェフはそこをうまくついて、相手を焦らせるような状況に持っていきたいところなのかなぁと。



 ジェフに関して言えば、ここまで4連勝でここからコンスタントに結果を残していきたいところです。
 こちらにも毎年30節前後に失速する不安はあるものの、それまでにチームのスタイルを明確に作り上げて、安定感のあるチームを目指したいところです。
 ここまで4連勝とはいえ、中位から下位チームが対戦相手でしたし、真価を問われるのはここからでしょう。


 どちらにとっても大事な試合だと思いますが、ジェフとしては新興チーム相手にオリジナル10の意地を見せてほしいものだと思います。