ナム、キムがひさびさに公式戦に出場

ジェフユナイテッド市原・千葉 3-3 京都サンガF.C.（ジェフ公式サイト）

　今回の試合から監督、選手のコメントに顔写真がつくようになっていました。
　頑張りどころはそこなのか？と思う一方で、選手の顔を覚えてもらうという意味ではいいのでしょうか。

　コメントはあまり関係のない話ですけど、京都戦では負傷で離脱していたナムが途中出場で公式戦に復帰。
　鋭い攻撃でいくつかのチャンスを作りました。
　まだ若い選手ですけど、韓国人選手らしく体幹がしっかりとしているため、細かいステップでも踏ん張りがきいて正確なタッチでプレーできるし、強く精度の高いボールを蹴ることができるのかなと思います。
　また、状況に応じてあえてその場に止まってボールを受け、前を向くプレーなども出来ている印象で。
　ボールを持った後だけではなく、オフザボールの動きで周りの状況がわかっている、視野の広さを感じました。
　だからトップ下の位置でも、効果的な受け方ができるということなのかなと。

　ただ、京都戦では怪我から復帰直後ということもあって、試合勘はまだまだのようで決定的なチャンスでのシュートも大きくふかしてしまいました。
　思い切り蹴るところでは、まだフィットしてないところがあるんでしょうか。
　復帰直後の高橋もそんな感じなのかな…？と感じる部分がありましたが。

　また、ジェフが勝ち越し点を決めて3-2になってカウンターでナムがボールを持ち、右サイドを駆け上がったシーン。
　まだ試合終了までは数分の時間があったとはいえ、簡単にセンタリングを上げてしまった。
　ナムとしては京都が攻撃意識を高めており、裏を取れるチャンスだと思ったのかもしれませんけれども、中にはあまりジェフの選手はいませんでしたし、時間を使ってもいいのではないかと感じたシーンでした。
　このあたりの判断力が若さなのかなぁと…。
　とはいえ、ナムのそのプレーが失点につながったというわけではないですし、その他の選手も含めて時間の使い方、試合の終わらせ方などの部分はジェフ全体の課題だと思いますが。

　ともかく、ナムが戻ってきたというのは心強いことだと思います。
　タイミングからしてもちょうどゴールデンウィーク連戦期間で、これから気温も上がってくる中で、兵働、谷澤といった攻撃の軸となるべき選手の代わりというのがなかなか出てこない状況でしたからね。
　2人ともスタミナには問題がある印象ですし、まずはスーパーサブ的な使い方になるのでしょうか。
　うまくトップチームに再合流して、チームに勢いをもたらす存在になってほしいところです。

　一方でキムも途中から久々の公式戦出場。
　山口智の怪我による交代でしたが、短い時間ということもあって、あまりプレーは見られなかったですね。
　山口の状態も気になりますが、試合後の記者からの質問に応じているところを考えると、そこまで大きな怪我ではないのかなぁとも思います。

　個人的には連戦ということもあって、少し休ませてあげるというのもありなのではないかなぁと思うのですけどね。
　今シーズンのプレーはいまいち精細を欠く部分がある…というか、昨シーズンの途中からあまり良いプレーはできていないのかな？という印象があって。
　もともと加入当初から深く守る傾向は感じていましたが、それでもゴール前では跳ね返せていました。
　しかし、現状では相手の細かな動きやスピードに、ズルズルと押し込まれてやられることが増えている印象です。

山口智「（横谷選手が山口選手の弱点について『僕なりにあります』と話していましたが）それはお互い知っているんでね。それはもちろんそうだと思いますし、僕もいろんなくせを知っていたりで、駆け引きが上手くいったり、いかなかったりというのはあった。知ってる選手というのは、そういうところの楽しみもありますしね。でも今日は完敗かなという気がしますけど」（J's GOAL）

　横山はG大阪から京都にレンタル移籍しています。
　その横山はこのようにコメント。

山口選手と対戦してどうでしたか？
横谷繁「そうですね…、止まってプレーしたら（相手の）体が強いので食われるかなと思って、動きながら周りを見ながら、ターンも点。」

　はっきりと弱点を言っているわけではないですけど、このあたりが狙いだったのだろうなぁと思います。
　それに加えて早いタイミングでのクロスへの対応で、ポジショニングがずれることも多い印象で。
　特にグラウンダーでのクロスに対しての対応が心配で、このあたりがジェフの守備の課題にもつながってしまっている印象です。

　まぁただ、良太も引いて守ってしまう印象は強いですし、大岩はSBでプレーしている状況で。
　栗山もキムもプロの公式戦では、まだ経験不足という部分もあるでしょうし。
　そう考えていくと、あまりその他の候補がいないというところも大きい問題なんだろうなぁとは思います。
　個人的にはキムも右SBでのプレーなどを思い返すと、一度見てみたい気はするのですけどね。
　明らかにSBよりもCBのほうが向いている選手だと思いますし、京都戦に途中出場したように編時点での第3CBなのでしょうし。

　考えてみればG大坂時代も割と引いて個人で守り、DFの前には明神という潰し屋がいたからこそ、うまく成り立っていた印象もあって。
　いっそ山口に合わせて引いた守備をメインに戦った方が守備は安定する気もしますが、攻撃などでは高い位置に軸を合わせたチーム作りをしている今期のジェフですから、守備の軸の位置を後方に下げてしまうのはあまり得策ではない気がします。
　京都戦の得点後などは意識的に守備エリアを下げて戦う形になりましたが、やはりその分攻撃の勢いもなくなり、攻守において悪い状況になってしまいましたしね。　

　このあたりの攻撃と守備のジレンマが、悩みの種ですね。
　山口も今期の途中から頑張ってジェフが攻めているときはラインを上げようとしている印象もあったですが、攻め込まれると下がりがちになってしまう部分は変わらずといった感じで。
　それと試合の後半に進むにつれ、スタミナの問題でラインが下がってしまいますね。
　もちろん山口だけが守備の問題ではなくて、竹内もあまり調子はいいように見えない上、同タイプのCBということで相性の問題もあるように思いますし、個々の粘りだとか中盤に潰し屋がいないことなども含めてなんでしょうけど。
　ともかく、1つ1つ少しずつでも改善していくことが大事なのかなと思いますね。