群馬戦、チームのベースを確実なものへ

 今週末の対戦相手はザスパクサツ群馬
 今年からチーム名を改名。
 ザスパ草津からザスパクサツ群馬となりました。


 チームは発足時こそ草津を中心に活動していましたが、Jリーグ加入時に規定に沿ったスタジアムがないということで、前橋市の現スタジアムに移転。
 その後は草津で発足したクラブという形になっていました。
 そこで今年からザスパクサツ群馬に変更。
 ザスパクサツまでカタカナにしたのは、ザスパ群馬と略さないようにするためだとか。
 ジェフの場合、ジェフユナイテッド市原からジェフユナイテッド市原・千葉に改名した際は、当初から略称として『ジェフ千葉』を発表していたと思いますが、ザスパクサツ群馬の場合略称はないということなんでしょうか。



 群馬はこれまでのところ1勝2敗3分。
 ここ2試合は神戸に1-4、栃木に0-3と大敗が続いてしまっています。
 前節、北九州にも6-1で大勝したジェフとしては、この試合もしっかりと勝ちたいところ。
 ただし、群馬としてもホームですし、2試合連続で大敗した後ですから、かなり気持ちを入れて試合に入ってくるのではないでしょうか。
 まずは守備から入ってくるのではないかと予想しますし、ジェフとしてはそこをこじ開けられるかどうかが求められてくる展開になるのかなと思います。


 今年の群馬はこれまで3バックメインで戦っています。
 4バックで戦う可能性もあるようですが、昨年中頃のジェフは3バック相手に苦戦。
 基本2トップを前に走らせてそこにパスを出す展開だったので、2ストッパーとカバーリングでスペースを消されるとかなり苦労していた印象がありました。
 逆にシーズン終盤は右ウイングの米倉を走らせるサッカーでしたので、3バック相手には強くなっていた印象がありましたが。



 群馬には元ジェフの青木孝太が加入しています。
 開幕戦では今シーズンのチーム初ゴールをあげましたが、直後に負傷退場してしまいました 
 しかし、その後もレギュラーポジションをキープし、これまでのところ公式戦6試合全試合でスタメン出場。
 ここ2試合はスタメンフル出場を果たしており、神戸戦でも1ゴールをあげ、計2ゴールの結果を残しています。


 某所では守備面での頑張りを驚かれていたようですけど、もともとジェフでも守備能力は高い選手で。
 体も張れるし運動量もあってサイズもあり、性格も真面目な選手。
 それよりも仕掛けの部分が課題で、特に一昨年の孝太は精神的にも迷いがあったように思います。
 それだけに6試合で2ゴールを上げているというのは、すごくうれしいニュースですね。
 もちろん、週末は対戦相手ですけど、頑張ってほしい選手の1人です。



 ジェフとしては北九州戦で良かった攻撃面を、もう一度今週末の試合で発揮して、自信を確実なものにしたいですね。
 右サイドではウイングの谷澤がチャンスメイクをして、SBの米倉を前に走らせて。
 中央ではケンペスポストプレーによって高い位置で起点を作り、ナムは前を向いてスルーパスを狙い。
 左からは大岩のオーバーラップをオトリとしてジャイールが中に入ってきたり、自分で仕掛けたり…。
 どこかを変えてくる可能性もあるのかもしれませんけれども、基本的にはピッチの全面で攻撃を作れたこの形をベースとして、熟成していってほしいように思います。


 一方で守備に関しては、またも全体のラインが下がったところから高い位置で展開されて失点してしまいましたし、中盤のチェックも甘く、全体的なポジショニングも悪かったと思います。
 攻撃面を重視することに関しては賛成ではありますけれども、最低限の部分は作ってほしいと思いますし、今はまだ守備の穴の大きさが目立っていますね。



 これまでのジェフの結果は2勝3分1敗。
 良い成績とは言えませんけど、順位で言えば7位と決して悪い位置にいるわけではありません。
 もちろんまだ順位のことを言うような状況ではありませんし、昨年プレーオフで戦った横浜FCなどは20位と低迷していますから、ここから上がってくるチームも十分あり得るのでしょう。


 とはいえ、ジェフもまたここからの上昇を目指すチーム。
 昨年まではともかくその場の勢いや目先の結果に囚われて戦い、中・長期的な視野が不足していた印象のあるチームでしたが、それだけでは昇格にいたらなかったわけで。
 現状維持だけでなく、どこかを変えなければいけなかった状況で、個人的に足りないと感じていたのは我慢をしてじっくりとチームを作ることでした。


 安定感のある結果、実力を身に付ける必要性を感じていましたから、まずはチームスタイルのベースを作らなければいけない。
 そのベースが北九州戦で見せたスタイルと言えるのかどうか。
 それがチームの目指すべきものであって、伸び代が期待できるのかどうか。
 そのあたりがこれから問われる部分なのかなと思います。



 基本的な戦い方に関しては今までと変わっていませんから(FWのポスト、トップ下のパス、右SBの攻撃参加、ジャイールの個人技…)、北九州戦では曖昧だったところ、うまくいかなかったところを整理しただけとも言えるわけですけど(逆に言えば軸はぶれていないとも言える)、これが1つの答えになっていくのかどうかが注目だと思います。
 ここからチームを熟成していって、反撃に転じられるといいですね。