似た者同士の戦いは1-1の引き分け
久しぶりにG大阪と対決。
本当はJ1で戦いたかったですけどね…。
ナビスコ杯決勝で両チームが対決した2005年前後は、J1でも上位で戦っていましたし、ライバルチームだと捉えていました。
他にも浦和だとか磐田などとの試合も盛り上がりましたしけど、個人的にはライバルといえばG大阪というイメージが強い。
まぁ、人それぞれでとらえからは違うのかもしれませんけど、共に攻撃的サッカーを志向していてオリジナル10の中でなかなかタイトルに手が届かないチームであったことなど共通点も多かったですしね。
とはいえ、現在ではだいぶ事情も変わっていますが。
また、J1でレベルの高い試合をできるようになりたいもので…。
そのためには、1年や2年でどうとなるものでもないでしょうし、やっぱり長い目で見ていく必要があるのかなと思いますが。
■シーソーゲームで前半は1-1
ジェフはケンペスに変えてナム、キムに変えて大岩を起用してきました。
大岩はそのまま左SBに入ってキムと同じ役割を任されていた印象でしたから、注目は前線の方かなと。
ケンペスがいるときはケンペスはポストプレーの割合が強い動きをしますが、ナム、谷澤、米倉の場合は3人がそれぞれポスト、パス出し、裏への飛び出しを狙う流動的な形になる感じでしょうか。
対戦相手のG大阪は日本代表に遠藤、今野といった飛車角が選出されて不在に。
まぁ、遠藤は飛車か角かというより、王将といったイメージですが(笑)
岩下、西野のCBコンビで、ボランチに明神と武井、2列目に阿部、倉田、二川といった布陣になっていました。
試合の方は互いにボールを回すチーム同士の戦いで、一進一退といった感じだったかなと。
G大阪の守備がいまいちピリッとしない分、ジェフにやりやすさはあった気もしますが、逆にG大阪の攻撃は鋭く確実にゴール前まで持っていける能力も感じました。
攻撃に関しては、ジェフも学ぶべき部分もあるのかなぁと。
しかし、そのベースにあるのはやはりテクニックであり、そこは真似しようとしてもどうしようもない部分もあるのでしょうけどね。
パススピードと、それを止めるトラップ技術と、細かなエリアでの正確なボールタッチと…。
試合が動いたのは前半18分。
G大阪の攻撃を凌いだ直後、G大阪に一度奪われたボールを中盤で奪い返すと、ボールを奪ったジャイールがそのままドリブルで切れ込んでゴール。
その前にプレスバックしたナムの貢献度も高かったですね。
逆にG大阪としては、もう少し粘り強く守りたかったところではないかと。
ボールを奪われた時点でボランチ2人は後追い気味にな貼っていましたが、強く体を寄せれば遅らせられたようにも思いますし、最後に対応した岩下も簡単にやられてしまいましたね。
しかし、続く前半26分。
G大阪のミドルシュートのこぼれから、最後は左サイドから走りこんできた倉田がゴール。
ジェフにレンタル移籍して成長した倉田にやられてしまいましたね…。
遠藤不在もあってか、相手がジェフということもあったのか、かなり気合は入っていたように思います。
倉田らしい振りのコンパクトで鋭いシュートを、決められてしまいましたね…。
けれども、このシーンもペナルティエリア内までラインが簡単に下がっての対応でした。
やはり最終ラインの下がりやすさというのは、ちょっと問題な気がします。
■怪我から兵働が復帰
前半終了間際はG大阪に押し込まれましたが、逆に後半からはジェフが攻めこむ時間帯が増えていきました。
しかし、相手は守り慣れてきたというか、全体的に(たぶん自然と?)最終ラインが下がって守るようになってしまった分、スペースも減ってチャンスも作りにくくなったかなぁと。
その間にもう1点が取れないジェフ。
徐々に相手も巻き返してきます。
開幕戦からここまでの試合を見ると、G大阪もスタミナが不足がちでジェフもスタミナ不足は深刻。
そのため、後半途中からはオープンな展開になっていきます。
両チームともに全体が間延びしていき、ゴール前での展開が増えていきます。
ジェフは71分に勇人に変えて怪我明けの兵働を投入。
相手がプレッシャーに来ない分、自由にボールを持ち、そこからパスを展開します。
ジャイールという左ウイングと、米倉、谷澤、ナム…あるいはケンペスといった、高い位置でボールを受ける選手で攻撃の形を作っていこうというジェフですから、その分中盤から後方でのビルドアップを構成する選手は少なくなります。
そのために、兵働がボランチで起用され、そこから前の4人にパスを展開するという構想なのでしょうね。
この試合で兵働が途中投入されてからも、そのあたりは見えていた部分があると思います。
ただし、やはり兵働の守備は不安で、中盤でボールホルダーに対面しても一歩前に寄せられなかったり、アプローチが遅かったり。
ジャイールという守備の穴もいる分、全体のバランスがなかなか難しいですよね…。
守備専門のアンカーというのもいませんし、その分SBのところで我慢するしかないんでしょうか。
試合は70分に投入のケンペスが粘って結果的に相手GKのキックミスを誘い、それを拾ったナムがバー直撃のシュート。
さらにそのこぼれ球をケンペスが押し込んだ…かのように見えましたが、これがハンドでノーゴールに。
さらには後半ロスタイムにFKから山口智のヘディングシュートもバーへ…と惜しい展開を作りました。
基本的には引き分けの試合内容だったかなぁとは思いますし、G大阪相手にアウェイだったことも考えれば勝点1で悪くない試合だったとは思いますが、やっぱり勝ちたかったですね…(笑)
ここまでの悪い雰囲気というのもありますし、G大阪も動けていなかったですしね。
■メンバーを変えたことによる意外な変化
なかなかG大阪も、守備が大変そうだなぁというイメージで…(笑)
長谷川監督はそこを期待されての招聘だったのでしょうけど、その効果は今のところまだ見えないですね。
特に前半はマンマーク気味の守備でジェフ攻撃陣の動きに相手のボランチなどがついていってしまうのだけど、ジェフボランチ2人は完全にノーマークだったりして全体のバランスがバラバラ。
前節今野のボランチに上げた理由の1つに、そのあたりにもあるんじゃないかなと感じたりもしました。
ただ、これが他人事には思えないのがジェフで、今節はまだ動けていたのでまだ良かったですけど、昨日のG大阪の守備を見て前節鳥取戦のジェフを思い出してしまいました…。
たぶん今節と前節のジェフの違いは出場メンバー以上に、対戦相手の違いが大きいんじゃないかなと思います。
G大阪に比べて鳥取の守備はしっかりと組織化されていましたしね。
選手に無駄なプライドなどがない分、J2でも中位以下のチームのほうが組織的な守備を形成しやすかったりするんでしょうか…?
そのメンバー構成ですが、前線の形はちばぎんカップ柏戦と同じでした。
強豪チームと思える相手に同じ前線の形で戦うことになったわけですけど、これは偶然ではないのでしょうか。
ケンペスがいると明確なターゲットが出来て、厳しくなったらそこに預ければいいし、ポストプレーをしてくれることで、周りをフリーにしやすい。
しかし、G大阪や柏などの強豪相手だと、相手も攻め込んできてスペースができるし、カウンター気味の攻撃が予想されるから、ポストプレーヤーはそこまで必要なかったり…?
まぁ、そこまで考えてのスタメンだったかどうかまではわかりませんけど、実際相手の守備問題もあってスペースが多く出来ていたため、ナムや米倉などを起用していつもよりも裏に飛び出す回数が増えたのはこの試合ではよかったように思います。
これが相手が引かれたらどうか…という問題はあり、実際後半序盤相手が引き気味に守ってからは、うまくいかなかなったところもあると思います。
ただ、この裏を狙う動きが積極的にできたことで、攻撃の停滞感も減りパターンが増えていったのは事実で、これが今後の成長のヒントになるといいですね。
それとともに、流動的な前線にして、守備も流動的な形に変わっていました。
状況に応じて、ナムや谷澤あたりがジャイールの守備の穴を埋めるべく、守備時のみ左サイドの位置戻って守っていましたね。
これが大岩にとってはかなりの助けになったと思います。
その分、ナムなどの仕事は増えますし、逆に中央に残ったジャイールが守備の穴になっていたりもしましたが。
それでもサイドの守備は安定したと思いますし(ただ、G大阪が中央突破型のチームだったためサイド攻撃がメインではなかった…という部分も大きいとは思いますが)、逆にジャイールが中央に攻め残っての攻撃のポイントになっていたようにも思います。
メンバーを変えてのメリットをうまく残しながら、次に進めるかどうかが何よりも大事ですね。
ナムがジャイールの穴を埋める形も面白いとは思いますけど、その分ナムへの負担は大きくなりますし、連戦などになってくるときついかもしれないし…。
守備に不安を掛かるG大阪と対戦してみて、やはりあれではなかなか勝ち点を伸ばすのは大変だろうなぁと感じましたし、ジェフも守備の不安は抱えていますから反面教師ではないですけど、最低限の守備の安定というのは必要になってきそうですね。
1-1の引き分けでしたが、この状況から上がって行けるのはジェフなのか、G大阪なのか。
今後を楽しみに見ていきたいと思います。