今週末Jリーグ開幕今期のチームに期待するところ

　いよいよ今週末Jリーグが開幕します。
　ジェフはホーム・フクアリで札幌を迎えての開幕戦。
　いきなりJ2降格組との対戦ですが、札幌は昨年J1でかなりの苦戦を強いられていましたし、そこから予算の問題もあって選手の放出もしていますので、そこまで特別に意識をすることはないんじゃないかなと思います。
　それよりも、開幕戦ですし自分たちのサッカーを出来るかどうかが、まずは大事ではないでしょうか。
　もちろん、どのチーム相手であっても油断してはいけませんが。

　今期のチームに関して最も期待するところは、昨日も言った通り得点力の向上です。
　ちばぎんカップで見る限りではシンプルな攻撃パターンも作れていましたし、鈴木監督も得点力の向上を重視しているコメントなどが出ていますし、ジャイールという個の力もありチームとしてもそこを使おうという意図が感じられてきますから、今年こそは得点力アップを期待できるのではないかと思うところがあります。

　ただし、ちばぎんカップに関しては柏の状態が悪かった上に、J2ではシーズンに入るとより上位チーム相手に守備を固めてくるチームが出てくるでしょうから、カウンターだけでは厳しいでしょうしジャイールも簡単には前を向かせてくれない状況が出てくると思います。
　そこで練習で行っているという「ボールをしっかりと動かしつつ相手の守備にできた綻びを見逃さずに突く（J's GOAL）」といったところなどが、どれだけのクオリティで出来てくるかが大事だと思います。
　以前、紹介したサカマガでのインタビューなどを読んだ印象だと、鈴木監督は「J2では下位チームが上位チーム相手に守備を固めてくること」、そのため「相手を崩すことが大事であること」などを問題点として、しっかりと認識されている印象でしたから、今年こそはぜひともその山を乗り越えてほしいと思います。

　それとともに個人的に今期のチームに期待するのは、動量豊富に走りまわって、局面でしっかりと体を張れる、戦えるチームになることです。
　ここ数年のジェフも確かに勢いがある状況であれば、しっかりと走って戦っていたと思いますが、それが継続的にはできない印象がありました。
　自分が"乗っている"状況ならどんどんいけるけど、そうでない状況では動きが鈍かったり、局面でも甘さが見られたり…。
　そういった部分があるから、どこかJ2を舐めているというか、悪い意味で斜に構えているような印象があったように思わなくもありません。

　今期ジェフの監督に就任した鈴木監督は、もともと新潟でハイプレスサッカーをしていたイメージが強くありました。
　ちばぎんカップで見る限りハイプレスではなかったですけど、選手たちの運動量や局面での激しさに関しては予想以上の部分があって、その点において今後に期待したい思いが強くなりました。
　実際そういった激しいサッカーというのは、すごくワクワクするものだなぁと改めて試合を見て感じましたしね。
　昨年の湘南なども激しさゆえの脆さみたいなものは感じましたが、敵ながら見ていて面白い部分がありましたし。
　まぁ、あそこまで極端にはならないにしても…（笑）

　選手たちが積極的に走りまわっている上で流動的に動くサッカーが、より組織的に出来てくれば課題である攻撃面の向上も、期待できるのではないかと思います。
　オシム監督も来日当初のインタビューで、リスクのある攻撃サッカーに必要なものはなにか？を聞かれて、走ることだと答えていた記憶があります。

　運動量の豊富さをベースとして、相手のマークを外し、守備を混乱させ、数的優位だとかスペースを作れるようになっていけば、引いた相手にもチャンスを作れるようになってくるかもしれない。
　そこまで行くためには、単純に選手たち走るだけではなく、選手たちの『連動した動き』というのが必要になってくるとは思いますが、まずはベースとして走ることが大事になってくるのではないかなと。
　もしかしたら、今のジェフに一番欠けていたのは、そういった部分だったのかもしれないな…と今更ながらに思うようになってきました。

　ここ数年、悪い時のジェフというは、選手たちがポジションも変えず、足元でボールを受けることが多かった印象もあり、走るにしても"連動性"だとか"流動性"などは感じず、直線的で単純な動きばかりで…。
　その結果、イメージとして停滞感を感じることもありました。
　しかし、ちばぎんカップでのジェフの選手たちはまだまだ課題は多かったですけど、選手たちは良く走り戦りピッチ上で動き回っていた印象がありますし、全体的に強い躍動感を覚え、鈴木監督の言う「楽しい」サッカーが出来ていたのではないでしょうか。
　個人的にはジャイールの突破力や兵働のパスなどよりも、米倉やナム、キムの運動量や当たりの強さのほうが、ちばぎんカップでは大きな収穫だったんじゃないのかな…なんて思ったりします。

　強かった頃のジェフは運動量だとか局面で戦えることが何よりもベースであり、チームの強みだったわけですし、そういった部分を取り戻し、それによってワンランク上のチームになることが出来れば、「ジェフのサッカーとは何か」、「ジェフのアイデンティティとは何なのか」といった答えにも繋がってくるのかもしれません。
　ということで、今年のチームへの個人的な期待は、運動量豊富に、ハードに戦えるサッカーになること。
　躍動感あふれるサッカーをしてほしいと思います。

　そして、それらが得点力の向上など、今までのジェフの課題の克服にもつながるのかどうかが、個人的に今年の大きな注目ポイントかなと思っています。
　1年は長いですから浮き沈みもあるでしょうけど、じっくりと…でも確実にチームが成長していってくれるといいですね。