鈴木監督に期待したいポイント

 23日から行われていたジェフの石垣島キャンプが終了。
 昨日はオフで、本日31日から沖縄本島南城市でトレーニングが再開されることになります。


 指揮官が交代し今期から鈴木監督となるジェフですから、鈴木監督がどういったサッカーを目指していくのか、そのヒントがこのキャンプで見られればと思い、ジェフ公式サイトのレポートを見てはいるのですけど、石垣島キャンプはかなりフィジカルトレーニングをメインに据えた内容となっていたようです。
 そのため戦術面に関してはまだわからないですけど、それだけフィジカル面だとかスタミナ、コンディショニングの部分などを重視しようという考えなのかもしれません。
 ここ数年のジェフは比較的レギュラー選手の年齢層が高いこともあってか、夏場に疲労が見えたり崩したり、連戦でコンディションが低下したりという問題もありましたから、しっかりと初期段階の練習から走りこんでおくことというのはすごく大事なのかもしれません。


 鈴木監督がフィジカル面を重要視しているのかもしれませんし、もしかしたら江尻元監督が以前の反省を活かして対策に乗り出したのかもしれませんが、お2人で話し合って進めることでチーム全体が良い方向に行くといいですね。
 個人的にはコンディショニングと運動量の問題はここ数年ジェフに足りなかった部分だとも思っていますし、この時期の追い込みはすごく大事なことだと思います。
 湘南も大分も決して予算は潤沢ではなく選手層もそこまで厚くはなかったかもしれませんが、若さもあってか走り勝ってJ1昇格を決めた印象もありますし。



 石垣島キャンプでのトレーニング最終日には、地元メディアのインタビューを受けたそうで。
 なんだか千葉のメディアよりも、取り上げてくれているような気もしますが(笑)
 キャンプレポートVol.8では、その際の鈴木監督と山口智のコメントが掲載されています。


 鈴木監督の回答は一般的なものですけど、山口は「もっと厳しくやらなければいない」と話しており、「意識を高く」という言い方を2度もしていたようですね。
 この感じだとまだまだ納得いかない部分はあるのでしょうし、甘さみたいなものも残っているということなんでしょうか。
 山口レベルの選手になるとそこを指摘するだけでなくいかに変えていけるかも期待したいところですけど、現段階では山口がしっかりとそのあたりを問題視していることが大事なのかもしれません。
 それといまのところ怪我人がいないという話も朗報ですね。



 沖縄本島に移ってからは、2回の練習試合が予定されているそうです。
 ジェフの公式サイトによると2月4日に鳥栖と、7日には済州ユナイテッドと対戦するとのこと。
 鳥栖に関しては昨年、J1昇格1年目にして5位の好成績でリーグ戦を終了。
 一昨年ジェフもやられましたが素晴らしい堅守を誇るチームで、そのしっかりとしたチームのベースがJ1でも通用した印象です。
 Kリーグ所属の済州ユナイテッドは、先日ジェフが獲得を発表したジャイールの前所属クラブですね。
 こういった練習試合が組まれたということは、少なくともクラブ間ではジャイールの移籍は問題なく行われたということなんでしょうか。
 Kリーグのクラブの荒っぽいプレーは毎年この時期に練習試合をして問題視されますので、そこは気を付けてほしいところですが、一方で強い気持ちを持って戦ってくれるでしょうし、レベルの高い試合を期待したいところです。


 また、ジャイールに関しては先日、無事ジェフのキャンプに合流したとのこと。
 移籍を発表してからすぐに加入したことになりますから、交渉は着々と進んでいたのでしょうね。
 早い段階で外国人選手が合流できたのは良かったと思いますし、しっかりとコンディションと連携面を整えていって欲しいところです。




 J1のクラブやKリーグのチームと練習試合をやれることが、近年サッカーチームのキャンプ地としての誘致を積極的に行っているように見える沖縄キャンプの1つの良さになっているのかもしれませんね。
 しかし、キャンプの全日程を見るとほぼ2週間行われることになりますが、練習試合が2試合しか組まれなかったというのはちょっときになるところで…。
 初めの1週間はフィジカルトレーニングを重視したことを考えれば仕方がないのかもしれませんけど、トレーニングにおける試合形式の重要性はよく言われるところですし、監督交代1年目で戦術面の浸透も気になりますし、過去の例を見ても練習試合が少なかった監督というのはうまくいっていなかった印象もある上、千葉に戻ってくると高いレベルでの練習試合の相手探しにも苦労しそうですから、もう少し試合を組めた方が良かったのでは…なんてことも思わなくもありません。
 まぁ、細かなことは言っても仕方がないのかもしれませんけどね。


 ちょっと気になるのは、あまりここまで鈴木監督のキャラクターというか、カラーが出てきていないことですね。
 上で取り上げた石垣メディアからのインタビューでも一般的なお話しかしていなかったですし、キャンプレポートを見てもあまり目立たない感じもして…。
 普通は選手が監督に馴染んでいくケースが多い気がしますけど、ジェフは昨年から在籍した選手が多いこともあってそちらのコミュニティは出来上がっているため(しかも江尻コーチも復帰となりましたし)、監督がチームに馴染んでいないのか。
 それともまだ鈴木監督は様子見状態なのか…。



 ここ数年のジェフはなまじ選手たちにそれなりに実績があるせいか、しっかりと個性を持っている指導者だったり、選手たちに対して厳しい監督のほうが良いのかなとも思わなくもありません。
 木山監督も最後は選手たちの信頼を失っていたという話をちょこちょこと耳にしますし、言い方は悪いですけど選手たちが状況によっては監督を舐めてしまうところもあるのかなと。
 それは監督だけの問題ではないのかもしれませんけど、どちらにせよカリスマ性というのは重要なはずで。
 特によく「戦力は十分」と言われたりなどして、ちやほやされているようにも見えるジェフの選手たちにとっては、兄貴分的なキャラの監督よりも厳格な父親のような監督のほうがあっているのかなと。


 そういう意味で、しっかりと鈴木監督には厳しさを持って接してほしいというか。
 もちろん最近話題となっていますので言っておきますが、厳しさを履き違えてはいけないと思いますが。


 しっかりと自分の信念とサッカーを持って、それに向けて妥協しない監督が求められるのかなと。
 ここ数年のジェフはなかなか良い監督に当たらなかった印象もありますけれども、もしかしたら足りなかったのはそのあたりではないのかなと思わなくもありません。
 鈴木監督にはそこを期待したいところですね。