兵働完全移籍、今期の新体制に関して

 昨日、新体制発表会及びサポーターコミュニケーションが行われました。
 自分は行けなかったのでわかりませんけど、例年通りで行けば新体制発表会でユニフォームやら選手やらが公開され、サポコミの方でフロントからのお話があったのかなと思います。
 一気にすべてを取り上げると大変ですし…というか、現時点でジェフの公式サイトには何も新着情報としては出ていないこともありますし(笑)
 今期の新体制に関して、わかる範囲で取り上げたいと思います。


千葉:新加入選手記者会見(J's GOAL)


 まずは今年のユニフォームに関して。
 この写真だとわかりにくいですけど、赤と緑のストライプが入っている感じなんですかね。
 ストライプ自体は決して悪いわけではないと思うんですけどね、横浜FMの今年のユニにも入ってますけどかっこいいと思いますし。
 でも、そのストライプの感覚が近すぎると、襟や袖の緑の使い方によってなんとなく安っぽいというか野球のユニのような気もしなくもないです(笑)
 見慣れてくれば違和感はなくなるんでしょうけど、ユニというのは大事な大事な商品でもあるわけですから、当然デザインというのもすごく大事ですよね。
 kappaがサプライヤーになった初めの頃は欧州っぽいかっこいいデザインだったわけですけど、年々そこからずれている印象があるのは個人的には少し残念かななんて思わなくもないです。
 まぁ、Jリーグでは数少ない供給先ですし、kappaがユニを供給してくれるだけありがたいとも思うわけですけど。
 なお、J's GOALでは「会見でのコメントは明日掲載予定です」とも書かれているので、そこにも期待したいですね。



 そして、ここからが本題。

兵働昭弘選手の完全移籍について(ジェフ公式サイト)


 こちらは昨日の日中に発表になっていました。
 昨年柏からレンタルで加入していた兵働が、ジェフに完全移籍。
 柏は中盤の選手がたくさんいますし、移籍するのなら1年経験を積んだジェフということでしょうか。


 木山監督の教え子ということで期待されて昨年ジェフに加入したわけですけれども、中盤の軸にまではなりえなかった印象だったかなと思います。
 その一番の課題は甲状腺機能障害を発症したこともあるせいか、フルシーズンを通してのコンディショニングや90分間を通してのスタミナに問題があったことだと思います。
 また、運動量豊富に動き回ってボールを触るタイプではないこともあって、「パサータイプなのにパスワークの中心にはなりきれない」という印象も残りました。


 もちろん1試合に1,2度はある決定的なスルーパスやFKでのチャンスメイク、シュートなどには非凡な才能を感じるわけですが、それ以外の時間は消えてしまうことも珍しくはなく。
 守備に関しても穴になることがありますし、先ほども言った選手としての安定感を考えても、兵働を中盤の軸と考えているのであれば、今年も不安材料になりかねないのかなと…。
 むしろ中盤のメイン構成やパスワークの中心は他の選手に期待して、兵働はあとから付け足すようなチーム作りをしていったほうが良いような気がします。
 単純にパスワークの中心…司令塔として考えるのなら、より継続したプレーが期待できる伊藤あたりのほうが、タイプとして向いているんじゃないのかなぁと思わなくもありません。
 兵働はある意味で外国人選手的な起用方法で。


2013年トップチーム(ジェフ公式サイト)


 新着情報には掲載されていませんが、公式サイトの「チーム」→「トップチーム」の方で、2013年の選手一覧と背番号がアップされています。
 田中が「6」で伊藤が「8」なんですね…。
 なんとなく逆なイメージですけど、本人たちの希望もあるのでしょうか。
 他には戸島が「18」を背負っていたり、「22」が空いているのは将来的な久保の復帰も考えられるのでしょうか。
 また「2」、「27」、「30」あたりも空いていますが、「10」は兵働がつけていますし、外国人選手のために良い番号を空けるというようなことはしていないような印象です。
 こちらのニュースによると、外国人選手の補強は「進めている」ということですので、当然考えていないわけではないのでしょうが。
 アシスタントコーチも、今のところ江尻コーチ1人なんですね。



 メンバーを見ると、意外なほど昨年と変わらない選手構成になりましたね。
 木山監督は退任ということで、100%の継続性よりもそれなりの変化、あるいはパワーアップを求める年になるわけで。
 それ自体は理解できるもので、昨年ベテラン選手たちを補強して結果が出なかった。
 しかも、チームの成績は右肩下がりの傾向にあったことを考えれば、致し方ないのかなとは思います。


 しかし、だからこそ、昨年のチームに何が足りず、どこを変えプラスにしていくかが大事だと思うのですけど、今のところ監督が変わっただけという印象かなと。
 主軸にベテラン選手の多いチームですから選手個々による伸び代もあまり期待できないでしょうし、戦力的にもプラスどころかマイナスな印象もなくはないですし、監督も交代したとはいえ日本人同士のバトンタッチ。
 これが日本人監督でも有数の指導者だったり、外国人監督のような大きな変化が期待できる指導者なら、選手は変えずとも変化を期待できたかもしれないわけですが、そこまでを期待するのは酷でしょうし…。


 昨年に限らずジェフは中途半端な戦力などで戦って失敗してきたわけですから、一度贅肉をそぎ取ってやり直すくらいの気持ちが必要なのかなとも思っていたのですが、大きくその予想とは離れてしまいました。
 根本となる昨年のチームへの評価が違うのでしょうか。
 確かにリーグ終盤は完成度は上がってきましたけど、それはチームのポテンシャルが高まったというよりは、慣れだとか時間の経過によるものではないかと自分は思ったのですが。
 天皇杯鹿島戦に関してはあまりにも特殊なケース過ぎて、ちばぎんカップ並に評価には入れにくいというか。
 天皇杯基準で考えるのなら前回大会で準優勝した京都は、昨年もっと良いチームになっていなければいけなかったはずですしね。


 あるいは予算の問題や2013年への準備が遅れたために、無難な選択をしざるを得なかったのか。
 例えばとして、同じレベルの選手を同じ予算で(言い方は悪いですが)"買い替える"にしても、雑費などを考えればコストはかかってしまうでしょうし。
 それならば現状維持を考えたほうが、大きな変化は期待できないけれども、費用はかからないし補強失敗などのリスクも少ない…と。
 まぁ、そのあたりに関しては、心情としては理解できる部分もあるとは思います。
 しかし、予算がない中での工夫というのが感じられず、毎年クラブ規模の差で(といってもそこまでの大差はないのでしょうが)ごり押そうとして失敗しているようにも見えることが、今のクラブの大きな問題なのかなと。



 総じて過去3年間のやり方と比べて何が変わって、何が良くなったのか少なくとも現時点では私にはわからないというのが正直なところで…。
 結局のところ単年でのJ1復帰を目指さなければいけないからこそ、大きな改革はしにくく、クラブは変われない状況が続いているのでしょうか。
 昨年なども選手は入れ替わったとはいえ、よくよく戦力を見るとさして変化はないというか、本当に"入れ替わった"だけだったと思いますし。
 いっそ「今年は様子見なので現状維持でいきます」といわれた方が、理論上は納得できるような気すらします。


 今年のスローガンは『絶対J1!』という直球ど真ん中のものになったそうですけど、監督やTDが新しくなった1年目のチームにおいて、そのスローガンも妥当なものなのかどうか。
 その『絶対J1!』という目標に囚われてしまって、苦しんだ3年間ではなかったのかなとも思うのですが。
 毎年予算規模の少ないクラブ(鳥栖や札幌、湘南や大分など)に先を越されているのも、あちらの方がプレッシャーが少なく積極的なチーム作りに出られるからではないかとも思わなくもないですし。


 結局のところ、過去3年間の何がダメで、その反省を踏まえた上で、今期のチーム運営ができているのかどうか。
 そこの反省ができておらずに次のステップに進もうとしても、当然同じ連鎖の繰り返しになってしまうのではないかと私は思うのですが…。
 もちろん鈴木監督や韓国人選手などの活躍にも期待したいですし、それによって意外な化学変化というか、大きな向上が見込めれば言うことはないわけですが。
 3年間昇格に失敗したとはいえ、3年ともあと一歩までは行ったわけですから、プレーオフからの昇格も含めて今期も可能性は十分にあるのでしょう。
 ただ、そのあと一歩がすごく大きな一歩であることもわかっているだけに、ここからのより一層の努力が必要になってくるように思います。