キム・ヒョヌンとナム・スンウを獲得

 昨日ジェフが若い韓国人選手2人の獲得を獲得しました。
 今日が新体制発表会&サポコミですから、それに合わせての発表だったのかもしれません。
 他の選手も本日発表ができればいいのですが、もし補強が間に合わなければずいぶんと寂しい発表会になってしまいますね。


 韓国人選手の2人はどちらも大学生ということで、Kリーグのドラフトを避けてのジェフ入団でもあるのでしょうか。
 2人ともデンソーカップ日韓大学定期戦に出場しているようで、栗山のこの大会に出場しているようですから、栗山あたりをチェックに行って2人を見つけたという流れなのかもしれません。


新加入選手のお知らせ(ジェフ公式サイト)


金荽訓(Kim Hyun Hun キム・ヒョヌン
 キム・ヒョヌンはDF登録となっています。
 184cm75kgということでCBということでしょうか。
 若いCBと言うと、今年からジェフに入団することになる栗山もいますから、ライバルということになりますね。
 また大岩と高橋の使い方によっては、昨年と同じように大岩もCBとSBのバックアップを兼ねることになるかもしれませんから、大岩とも被る可能性が。
 その他のCBには不動のレギュラーである山口智と竹内、青木良太がいるということになります。
 今後移籍ということがなければ、ですが。
 大岩、栗山にとってはいい刺激となる可能性はあるかもしれませんけれども、昨年山口智が怪我で戦列を離れ竹内のコンディションも崩れた時にチームがバタバタしてしまったことを考えれば、全体的なバランスも考えてこれ以上若いCBが必要なのかな?という疑問もなくもないかなぁと思います。
 なかなかCBでは途中出場で育ててあげる…ということもできないですし。


南昇佑(Nam Seung Woo ナム・スンウ
 こちらはMF登録でデンソーカップでもアンカーを務めていたようです。
 ジェフはアンカーのポジションで、なかなか主軸となる選手が出てこずに苦しんできましたから、この補強は楽しみでもあります。
 キム・ヒョヌンもU-22韓国代表に選出された選手なのだそうですが、ナム・スンウは更にU-13からユース代表に長らく選出され続けた選手だそうで、エリート選手ということになるのでしょう。
 もちろん試合に関しては2人ともまだ見ておらず、実績だけでは何とも言い難いところがありますが。
 やはりアンカーはチームの中心だと思いますし、アンカーに実力のある選手を長らく起用できれば、チームの安定も図れると思いますし、将来性も含めて期待したいところかなと思います。



 基本的に若い外国人選手の育成というのは、どのチームにとっても簡単なことではないと思います。
 チームにとっても貴重な外国人枠を何年も遊ばせておくわけにはいかないですし、選手にとっても海外のクラブまで来て「じっくり時間をかけて育っていきたい」とはなかなか考えられないと思いますし、向上心が強いからこそ海外移籍しているのでしょうから、うまくいかなければ移籍を考えるのは当然の流れだと思います。
 ジェフで言うとパク・ジョンジンもエリートで若い韓国人選手ではありましたが、活躍は出来ませんでしたしね。
 ですから、京都でのパク・チソンのように若くとも1年目からそれなりに試合に出場して、早期に結果を残していくことが重要なのかなと。
 J2レベルならそれなりに出場機会も得られるかもしれませんから、そこに期待したいところなのかなと思います。


 韓国人選手ということで、欧州やブラジルの選手と比較すると、日本のサッカーに適応しやすいのではないかというメリットはあると思います。
 日本のサッカーのレベルも平均的には上がっているのかなと思いますし、外国人選手も活躍しにくい状況になっているような印象もなくはないですから、適応しやすい韓国人選手というのは無難ともいえるのかもしれません。
 ただ、昨年ほぼオール日本人で戦ったジェフが、攻撃などの変化をつけにくかったところがあったように、うまく外国人選手を取り込んでアクセントをつけることも大事だと思います。
 したがって、あと2人の外国人枠をいかに使うかも大事になってきますね。
 もちろん、日本人FWの補強なども期待したいところですが…。


 それと韓国人選手でかつ若い選手ということで、かなり予算が厳しいのかな…とも思わなくもありません。
 プロ経験もなく実績はほぼゼロに等しい2人ですから、比較的安価に予算を抑えることができたのでしょうし。
 日本人監督が続いたというのも予算の影響もあるかもしれませんし、ベテラン選手の多いジェフはそれだけでも維持費がかかっているのではないかと思いますから、ちょっと心配ですね。
 今年、選手の出入りが少ないのも、予算的に動きたくても動けない部分があったりするのでしょうか。



 そして、最後に今期以降の方向性について。
 今期J1昇格を目指すのか、それともじっくりとチームを作っていくのか。
 先ほど若いとは言っても外国人選手なのだから、今後を考えてもいきなりの結果を期待したいと話しておいてなんですけど、それでもプロ1年目は苦しむこともあるでしょう。
 そういった選手を2人も外国人選手枠で補強しておいて、今期J1昇格を目指す…というでは、またも矛盾するチーム作りということになってしまうように思います。


 …と、なるのであれば、今年は準備期間なのか。
 しかし、日本人選手は今のところ動きがなく、ベテラン選手も多く残っています。
 そこを見ると、今期の結果を追及するようにも見え、果たしてどちらなのか?という疑問も残らなくもありません。
 なんだか筋が通っていないというか。
 クラブ内部の一貫性のなさが、こういったところにも見えてしまっているような気も…。



 ここ何年も中途半端なチーム運営をして、失敗を繰り返してきました。
 昇格を目指しながらも新米監督を据えたり、チームのベースができていないところに中途半端な補強をして結果を求めたり…。


 そういったミスを繰り返さず、一貫した方向性を作り上げること。
 それが今期において大事なところなのかなと思います。
 自分は残念ながらいけませんけど、そのあたりのクラブビジョン、チームビジョンが今日の新体制発表会とサポコミから見えてくるといいですね。