谷澤の活躍で3-0の勝利
本当に久々の勝利でしたねぇ…。
ともかく良かった。
ジェフにとっては5試合ぶりの勝利で、日程を見返すと、この試合に勝たなければ8月の勝ち星はなかったんですね。
内容も思ったよりも良く、ジェフの選手たちがしっかり動けていたのが印象的でした。
これをきっかけに、ここから巻き返すことが重要ですけどね。
■谷澤の活躍で前半に2ゴール
ジェフは4-4-2に戻してきました。
4バックで右から高橋、竹内、山口智、坂本。
MFラインに田中、勇人、兵働、谷澤。
FWに藤田と荒田といったスタメンでした。
水戸は前半から、積極的に攻めてきた印象です。
鈴木隆行が少し引いてパートナーの星原を裏に走らせたり、前線でタメを作って小澤、橋本を活かす形。
鈴木は本当にうまくなったというか、気の利く賢い選手になりましたね。
もちろん昔からそういったタイプではあったのでしょうが、落ち着いてお兄さんタイプになったというか。
しかし、水戸は前に出てくる分、守備の後方にはスペースもあり、ジェフとしては攻めやすい状況だったと思います。
特にこの日のジェフは奪ったらすぐに藤田か、左サイドハーフに入った谷澤にボールを預け、谷澤の突破に期待する展開でした。
得点の決まったは前半9分。
左からのCKを谷澤が蹴って、久しぶりに竹内のゴール。
昨年ヘディングから得点を量産した竹内ですが、これが今季初ゴールとなりました。
このシーン、その前のFKからなんとなく相手セットプレーの守備があやしくは感じていたところがありましたが、谷澤のボールもすごく良かったですね。
谷澤はその前にも右CKからの跳ね返りを拾って、するすると狭いところを入って行って、得点につながるCKをゲットしていました。
その後、いつも通り若干ジェフの動きが慎重になり心配しましたが、前半41分。
谷澤が後方からのボールを受けると、中に切り込んでいくと見せかけてくるっと反転し、縦へ突破し最後は藤田がゴール。
後半に入ってからも谷澤は1人でチャンスを作るなど、キレキレの状態でした。
守備のほうでも穴を作らずしっかりとこなしていましたし、攻守において貢献度は非常に高かったと思います。
■しっかり守って追加点
後半になると、徐々にジェフの勢いも落ち着いていきました。
しかし、この日のジェフは守備組織がしっかりとしており、水戸の攻撃もあまり怖さはなかったですね。
水戸は連戦ということもあって、疲労の問題もあったのでしょうか。
この日のジェフは基本的にはゾーンへの意識が高い守備だったと思うのですが、鳥取戦の時のように前へのプレスに行けず、後ろで危ない状況を作られるようなことは少なかったですね。
特に鳥取戦では相手SBへのチェックに行けていませんでしたが、この日はしっかりとFWとSHでパスコースを消していくといった守り方ができていたと思います。
また、相手が後方でボールを持つと、相手ボランチに対して片方のFWが若干下がって守備に入るなど、組織的に守れていたと思います。
荒田の起用は、そういった守備面での細かなポジショニングを評価して…という部分もあるのでしょうか。
選手たちが相手を囲んで、強引にボールを奪うような展開はあまり多くなかったかもしれませんが、全体的に穴が少なくバランスよく守れていた印象です。
相手のロングボールに対しても、SBの絞り込みだけでなく、CB1人が下がって対応する感じに変わったのかな?と感じるところがありました。
基本的にJ2なら大きな穴さえなければ、個人能力で守りきれると思いますので、守備はセーフティなやり方で十分じゃないかなぁと思います。
坂本、高橋の起用も、守備時のスピード面の期待もあったんでしょうか。
単純なスピードではなく、アジリティというか上下左右への動きや、読みの部分などということになるのでしょうが。
これまでのジェフはサイドで裏を取られることも多かったですし、サイドへのスライドなど広範囲を守るという意味もあって、この2人だったのかもしれませんね。
坂本もスタミナなどが心配でしたが、90分間プレーできましたし、攻撃面でも積極的に早いタイミングで前に出ていくなど、良いプレーができていました。
この日、ボランチに入った兵働や勇人から左サイドに大きく展開ができたのも、坂本の積極的なオーバーラップがあったからこそだと思います。
前でプレーしていた谷澤をフォローするという意味においても、坂本の攻撃参加はかなり大きかったと思います。
攻撃に関しては停滞状態でしたが、後半25分に荒田に変えて深井を投入。
深井をカウンターで走らせて、攻撃のポイントを作る形でチャンスを作っていきます。
そして、後半39分。
深井がドリブルで切り込んでいって、中央の藤田に合わせて3点目。
3-0でジェフ、5試合ぶりの勝利となりました。
■前への意識が高かった水戸
冒頭でも言いましたが、選手たちのコンディションが良く最後まで走れていたというのが、まず大きなポイントだったと思います。
ここ数試合、前半だけで疲れてしまう選手もいたように感じるジェフですから、この差は非常に大きいですね。
ただ、ここ数年アウェイでのコンディションに苦しんでいますから、今後のアウェイゲームでどうか…というところは気になる部分ですが。
加えて、守備でもバランスよく守れていたこと。
足が止まらなかったこともあって、守備で大きな問題が起こらなかったことも重要だったと思います。
やはり今期のジェフは守備がベースとなるチームですから、そこを取り戻せたというのはよかったですね。
無視点で勝てたというのも、自信につながるのではないでしょうか。
ただ、これまで選手たちが走れていても、守れていても、得点が奪えず勝てなかった試合が多かったですから、3得点が奪えたというのはやはり大事だった…というか、応援する方としても一安心ですね。
この試合に関しては、やっぱり谷澤ではないでしょうか。
これまでの谷澤は"借りてきた猫"状態で、まだまだ本領発揮といった感じではなかったですが、ホーム・フクアリに帰ってきて本来の谷澤の良さを見せてくれましたね。
谷澤の良さは狭いところでボールを持っても、ドリブルで突っかけて行くことができるということ。
綺麗に抜き去る…というのはあまりないかもしれませんけど、粘ってなんとなく自分のボールにしてしまったりだとか(笑)
深井のドリブルは縦へのスピードがウリでスペースがあるところでは行けますけど、そうではないときつかったりするので、狭いところでも縦だけでなく細かく左右などにも揺さぶれる谷澤のプレーというのは、やはりこのチームにとってプラスにになるのではないでしょうか。
あとはこの調子を維持できるかどうかが、重要なのかもしれませんが。
兵働がボランチに入ったことで、低い位置で兵働がボールを回し、高い位置で谷澤がチャンスメイクする関係性も出来ていたと思います。
これまでは兵働がチャンスメイクもゲームメイクも期待されてところがありましたが、谷澤が入ったことによってようやく分業化できる可能性を感じるようになりました。
まぁ、まだ1試合しかうまくいっていないわけですから、可能性の段階ですけどね(笑)
加えて、前線で荒田がアップダウンすることで、相手を混乱させる…と。
これまで深井や兵働が高い位置の中央でボールを持って強引に仕掛ける形しかなかったので、そこに頼っていた印象でしたが、逆にそこが前線の蓋にもなりかねない部分もあったと思います。
この試合では谷澤が左からチャンスを作れていましたから、中央は動ける藤田・荒田のコンビを置いて、前線に流れを作るというのがうまくはまったように思います。
これが攻撃が停滞した状況では物足りなさを感じてしまい、実際に後半に入ってからは攻め手がなくなり、荒田に代わって入った深井がいい仕事をする展開にはなりましたが。
中央の渋滞を解消するという意味でも、谷澤の左サイドが機能したというのはすごく大きかったんだろうなぁと思います。
ともかく、久々の勝利ですからそれだけでも嬉しくなってしまうわけですが、ただ、試合展開としては京都戦と同じような状況だったのかなぁとも思わなくもありません。
実に7月8日の京都戦以来の複数得点となったジェフですが、あの試合は京都がどんどん前に出てきたからこそ、3得点を奪えたという部分がありました。
今回の水戸戦も3得点だったわけですが、試合全体としてスムーズに戦えたのは、相手が予想以上に前に出てきてジェフがカウンターを狙える形になったからこそ、という部分があると思います。
水戸はあまり後方に人数をかけることなく、ジェフに攻められても最終ラインが高く、サイドも簡単にフリーの選手が作れる状況でしたし、京都ほどではなかったとしてもかなり前への意識が高い戦い方をしてきたと思います。。
ジェフ最大の課題はともかく"引いた相手に勝つ"ことですから、この試合でその点の問題が解消したかどうかに関しては、まだ結論は出せない状況だと思います。
とはいえ、ジェフに復帰した谷澤が機能して3ゴールもあげられたわけですから、この試合に関しては言うことはないでしょう。
この流れを維持して、次につなげられるかどうかが、何よりも大事ですね。