なでしこ、アメリカに敗れて銀メダル

 つい先ほどまで、ロンドンオリンピック女子サッカー競技決勝戦が行われておりました。
 生で見ていた方も多かったと思いますが、日本代表はアメリカ代表に1-2で敗れ、銀メダルに終わりました。
 この試合もこの2チームが対決するいつも通りの展開で、パワーのアメリカ、テクニックの日本といった展開だったかなと。
 試合序盤の日本はアメリカの厳しいプレスに苦しみ、なかなか縦にパスを出せないシーンも目立ちました。



 前半8分。
 左サイドからの展開で、ニアにグランだーのクロスを通されると、そこから反転されて、ファーのエリアに後ろから入ってきたMFロイドが先制ゴール。
 このシーン簡単に反転されたのも残念でしたし、ファーのエリアのスペースを開けてしまったのも悔しいですね。
 試合序盤の失点だっただけに、もう少し集中できれば…と思ってしまいます。
 守備に関してはなかなかアメリカのフィジカルを止められず、当たりに行っても奪いきれずに逆に裏を取られ、その怖さからかどうしても下がって受けてしまう傾向もあったように思います。


 一方、アメリカの守備は一対一が強く、身長も高い。
 ただし、スペースの消し方に関しては日本のほうが上で、アメリカは中盤が空いていたり、サイドに若干の隙があったりと、穴もなくはなかったと思います。
 それでも中央で守れるという考え方だったのかもしれませんし、逆に日本の方は一対一では勝てない分、穴を作らない守備をする…と、このあたりも両者のカラーが出ていたといえるのかもしれません。
 アメリカのボランチが空きそうになったところでしっかりとFWの一枚が下がって守るところなどは、男子代表ができていなかっただけに、「さすが」と思ってみていましたが(笑)
 やはり本当に強いチームを作りためには、完璧というのは難しいにしても、大事なところの穴は空きっぱなしには出来ないですよね。



 アメリカは前半の途中から中盤のプレスも弱まっていき、澤がボールを持てばチャンスが作れる状況ができてきました。
 前半のうちにも数回チャンスがあったわけですが、決めきれず…。
 後半に入ってからも惜しいシーンはあったのですが得点を奪えずにいると、後半9分に再びロイドが今度はミドルシュートを決めて2-0に。
 決めきるところで決めきれないと、やはりやられてしまいますね…。
 後半に入ってからも日本の流れだったと思うのですが、アメリカは守り慣れつつあるのかな?と感じていたところでの失点でした。


 しかし、後半18分。
 右サイドでボールを持った宮間が、裏に飛び出した大野にスルーパスを出すと、マイナスのボールを澤に出して、シュート。
 これは決まりませんでしたけど、最後は大儀見が押し込んで1点返します。
 大柄な選手が多いアメリカに対して、大野がCBとSBの間の裏をついて走り出し、そこを宮間が見逃さずにパスを出す…。
 これが相手を崩せたポイントだったのではないでしょうか。


 後半38分には岩渕が相手DFからボールを奪って、GKとの一対一のシーンなどを作りますが、GKソロのファインセーブもあって決めきらず。
 日本代表は鮫島を変えて前の選手を起用するなど、今までにはあまり見られない積極的な交代をしてきましたけど、どうだったんですかね…。
 まぁ、難しいところではあるのでしょうし、このチームは佐々木監督が育ててきたのですから最後に動いたことに関して文句は言えないですけど、やはり積極的に動けばいいというものではないな、というのは改めて感じた部分もありました。


 試合終了残り数分は日本も攻めきれず。
 そのまま試合は、1-2で日本代表の敗戦となってしまいました。



 アメリカ代表はやはり強かったですね。
 基本的には長いボールを使ってフィジカルを前面に押し出す攻撃をしてくるアメリカですが、悪い時間帯になるとショートパスをつないで落ち着かせるところなんて言うのは、さすがでした。
 単純にフィジカルや一対一の強さだけでなく、しっかりとしたゲームプランというか、勝ち方を知っている。
 男女関係なく、このあたりは学ばなければいけないチームは多数ありそうですね。
 

 しかし、その相手にも日本代表は相手のちょっとした隙を狙ってパスを通し、技術やスピード、連携面で戦っていきました。
 男子と同じように要所要所のドリブルも通用していましたが、それにプラスして攻撃においてコンビネーションプレーも出来ていたというのが、大きかったのではないでしょうか。


 いい試合をしていただけに、それでも勝てなかったというのが悔しくもあります。
 しかし、大会前は澤を初めとして、コンディションの悪い印象が合ったチームだけに、ここまでよく頑張ってくれたと思います。
 W杯に優勝してプレッシャーは相当なものだったと思うのですが、そのプレッシャーから逃げることなく戦っていたように見えた精神力も素晴らしいものがあると思います。
 もちろんそういったプレッシャーはアメリカ代表も抱えていたはずで、それでも負けてしまった悔しさ、足りない部分の反省は今後必要になってくると思いますが。


 しかし、今はともかく「お疲れ様でした!」ですね。
 なでしこの目標を考えれば「おめでとう!」とは言いにくいところもありますけど、いい試合を見せてくれて本当にありがとうと言いたいところです。




 週末から実家に帰る関係で、出来れば明日は更新をして、次の更新は月曜日の夜か火曜日あたりを予定しています。