なでしこはメダル確定 男子は本日準決勝メキシコ戦

 ロンドンオリンピックサッカー競技、日本女子代表はフランス代表に2-1で勝利し決勝に進出。
 日本女子史上初のメダルを確定しました。
 おめでとう…はまだ早いですね。
 ぜひともアメリカ代表に勝って、金メダルを奪取してほしいと思います。


 試合内容のほうはダイジェストを見ただけで、まだじっくり見ていないので割愛。
 本日準決勝でメキシコ代表と戦う、男子のほうもこれに続いてほしいですね。



 男子の準々決勝となったエジプト代表戦は、3-0で日本代表の勝利となりました。
 "スペイン風"だったスペイン代表、モロッコ代表、ホンジュラス代表と互角以上の試合ができていて結果も残していいたわけで、エジプト代表相手にも本来の力さえ出し切れば勝てるんじゃないかと、試合前から思っていたところがありました。
 楽観視していたというわけではないけれども、前向きに期待していたというか。
 オリンピックの初戦であり、かつスペイン代表相手にも浮足立たなかったチームですから、もうそういった部分での心配はあまりなかったですし。
 この世代のエジプトがエジプトサッカーの中でも飛び抜けたチームであるのなら怖いですけど、エジプトレベルのエジプト代表チームならば、何も恐れるような相手ではないはずだろうと。


 今回の日本代表は、しっかりと日本サッカーのレベルを見せてくれていると思います。
 そこが重要ではあるのでしょうけど、大きく外れさえしなければ、もうそんなに"世界"をビビる必要はなくなっているんだろうなぁという部分は、改めて感じることができました。
 W杯でも十分戦えたわけですし、むしろ今トップレベルで心配なのはACLで結果が出ないこと?
 もちろん今回のベスト4というのはすごいですけど、トーナメントにも恵まれているのも事実だと思いますから(まぁ、強豪が少ないことも含めてが五輪の特徴ともいえるのでしょうが)、1位抜けが決まったところで目標はベスト4ではなくメダルですよね。



 試合のほうは開始数分で、いまいちエジプトの攻撃力に迫力があるところを感じました。
 技術はあるのだけれども、そこから持ち出せないというか、攻撃の勢いを殺してしまっているというか…。
 まるで昔の日本サッカーのような。
 逆に言うとこのチームの…というよりは、日本の若い世代の選手たちのすごいところは、技術をしっかりと強みに変えられるところなのかもしれませんね。
 永井なども確かに速いんでしょうけど、速い選手というのは今までの日本にもいたはずで、トップスピードでも技術を活かせるところが永井の本当の強みではないかと思いますし。


 しかし、前半14分に先制点をあげた直後にその永井が負傷交代。
 先制点もサイドからの展開とはいえ、永井を裏に走らせて生まれたもので、攻撃においてターゲットがいなくなってしまいましたね。
 その後1トップに大津が入り同じタスクを求められていたんだとは思うのですけど、永井は最終的にはゴール前にいるのに対して、大津は監督の指示通り真面目にサイドに流れたりして…。
 そういう意味では永井は根っからのFWなのかもしれませんが、そのスピード件ターゲットとなれる選手がいなくなってしまうというのは大きいのでしょうね。


 また、永井不在の問題だけでなく、大津が1トップに移ったことで、サイド攻撃の連携の部分も落ちてしまったのかなと。
 斉藤も徐々にこのチームに馴染む努力はしていると思うのですが、サイドからゴール前に入っていく部分に関しては、どうしても大津パワーにはかなわないでしょうし、1トップなだけに大津が外から中に入ってくるタスクというのは非常に重要になっていると思います。
 そういった代わりの選手が作れていないというのが、このチームの不安材料の1つではありますよね。
 チーム作りにおいていろいろと回り道をして結局戻ってきたという経緯がある分、控え選手がベースとなるスタイルにあっていない選手が多いというか。



 また、1点を先にとったことで、若干全体が引き気味になってしまった部分もあったと思います。
 メンバーが変わってすぐに引き気味のサッカーになってしまったこともあって、なかなか元に戻すのに苦労したのかなとも。
 加えて、先制点を取ってからは、守備のほうも課題が感じられました。
 グループリーグからそうでしたが、このチームは相手DFが悪い状況でボールを持っているときはうまくチェイシングをかけてボールを奪うことができますが、疲れてくるとリトリートした状況で相手ボランチをフリーにしてしまう場面も珍しくない。
 前の選手たちがチェイシングするかしないかを迷った、裏のスペースができてしまうということではないかなと。
 エジプト戦の悪い時間帯も相手ボランチから前に展開され、ピンチを作られてしまっていましたし、このあたり引くときの約束事をはっきりさせたいところですね。


 ただ、エジプトの方もボランチの前が空いたことで、逆にそこから中央突破を強引に狙うばかりの展開になってしまって、吉田や鈴木といった日本の守備陣を揺さぶることができなかったですね。
 むしろサイド攻撃のほうが怖かったですけど、そこまで徹底してやってきた印象はなく、全体的に中途半端な印象の残るチームでした。


 ともかく、しっかりと日本代表の守備陣が守って、最後は退場者も出たエジプトのスタミナ切れで勝利といった感じでした。
 2点目のFKからの吉田のゴールもどフリーでヘディングを合わせられました、3点目も扇原がサイドでフリーになったところからの大津のゴールでしたし、相手の集中力が切れていた印象がありました。
 3-0というスコアではありますが、試合展開は粘り勝ちともいえる内容だったかなぁと思います。



 このチームはやっぱり清武のチームなんでしょうね。
 まぁ、吉田が入ったことで守備は吉田、攻撃は清武といった感じになりましたが。
 先制点後、日本が劣勢に立たされた状況などでも、一発のパスで清武がチャンスを作って、一気に流れを変えたシーンがありました。
 全体的に押し込まれて、勝負のパスを出して奪われてはますます流れが悪くなる状況で、自信を持って周囲の状況も見極めてスルーパスを出す。
 あれは本当にすごかったと思います。


 ラストパスだけでなくビルドアップにも貢献もするし運動量もあるしで、あのピッチの中で1人だけ世界が違うというか。
 得点シーンも清武のパスからでしたし、本田、長友の世代の次に清武や香川が出てくるんですから、やはり日本サッカー界は本物になりつつあるということなのでしょうか。
 こうなってくると清武がドイツでも成長して、フル代表でもうまく融合されるところを期待したくなってきますが。


 ここまでの4試合、正直大会のレベルが低いのかな?と感じるところがあって、実際強豪とも戦えていたのですけど、逆に言うと日本の平均値が上がっているともいえるのでしょうか?
 そのあたりの判断材料の1つにするためにも、ぜひとも決勝か最悪3位決定戦で、ブラジルかイギリスとやりたかったのですけど、イギリスは韓国相手に敗退したとのこと。
 こうなってくると韓国には悪いですけど、ブラジルに頑張ってもらって決勝で戦いたいところですね。



 まぁ、その前にまずはメキシコ戦。
 小林可夢偉を応援するものとしては、他競技でもついついメキシコの名前に反応してしまうところがありますので、勝手ながらメキシコだけには負けてほしくなかったりします(笑)


 テレビ中継はTBSで、本日深夜24時25分から放送。
 キックオフは25時からとなるそうです。
 メキシコには2-1で勝っていますし、しっかりと自分たちのサッカーをして決勝に駒を進めたいですね。