サッカー日本男子、準決勝メキシコ戦で敗れる

 試合中はテンションが異様に高かったのですが、さすがに眠いですね…。
 ただ、体は眠いんですけど、悔しさで眠られないもやもや感もあって(笑)
 もちろん誰が悪いでもない、自分が勝手に期待して寝れない状況になったわけですけど、悔しくて眠れない感じは久しぶりかもしれません。
 そういった思いをさせてくれているということだけでも、このチームに感謝しないといけないのかもしれませんが。



 試合の方を振り返ると、先制したのは日本代表。
 前半12分、日本代表が左サイドでボールをつなぎ、東にボールを預けた瞬間に徳永がダッシュ。
 これに相手DFがつられて東が前を向けるようになり、そこから中央の大津にパス。
 そして、その大津が見事なミドルシュートを決めて先制します。


 その時間までの日本代表はボールを持たれてもしっかりと守り、カウンターを狙う展開でした。
 メキシコの守備は日本側から見て右サイドもSBにつられて全体が下がる印象もあって、そのあたりがチャンスかなと感じていました。
 しかし、前半途中から徐々に日本代表の動きが止まり、なかなかボールを高い位置まで持ち込めなくなり、逆に守備において中盤が空いてきました。
 前節でもそうでしたが、やはり相手のボランチに高い位置で前を向かせてしまうところがあり、そこからチャンスを作られてしまう印象で。
 特にこの試合では日本の左サイドで数的優位を作られ、そこにボランチ扇原が流れて対応することで中央が薄くなってしまったかなと。


 ボランチがサイドに流れるだけならよかったのでしょうけど、永井、東あたりが守備で頑張れず相手ボランチを簡単に行かせてしまうことが多かった印象があります。
 このあたりのズレから、相手のパスワークに翻弄されることが増えていきます。
 相手ボランチを前に行かせてしまうシーンに関してはエジプト戦などでも何度かありましたが、それでもエジプトはそこまでそこを有効に使えていませんでした。
 中盤の選手のうまさはありましたけどそこからの強さというものは感じず、その穴がそこまで大きな問題にはならなかったですけど、メキシコはしっかり前線のドリブルの鋭さ、タメなどもあり、中盤の選手もそこから前に効果的なパスを出してきました。


 メキシコは守備でも「激しいプレスからボールを奪取する」ということはなくても、無理せずしっかりと相手に体を寄せてパスコースを消してきました。
 この辺りは日本がもう少し頑張ってほしいかったところの1つであり、そこの差を感じなくもありませんでした。
 日本の守備に関しては、もちろんリトリートして行けるときだけ行く守備でもいいとは思うのですけど、リトリートするのであればしっかりと穴を消して、高い位置ではフリーにさせない。
 そのあたりの守備組織が、もう1つだった気がします。



 CKから失点して1-1の同点で迎えた後半に入ってからは運動量を取り戻して、前半途中からよりは良い状況だった思うのですけど、後半20分。
 権田からのスローを扇原が受けたところでボールを奪われ、相手のミドルシュートで失点。
 このシーンでは相手に押し込まれていましたし、権田の扇原へのスローは軽率だったようにも思います。
 扇原に対してもしっかり周りが声をかけてバックパスを選択させていれば…とは思いますが、その前の判断がちょっと悪かったかなぁと。
 もったいないシーンでした。


 その後は東に変えて杉本、清武に代えて宇佐美、扇原に変えて斉藤とカードを切っていき、攻め込む時間帯もありましたが、得点は奪えず。
 逆に後半の残り数分は相手に攻め込まれる時間も増えて、3点目を奪われて試合は決まってしまいました。




 悔しいですけどこういう試合こそ、なぜ勝てなかったのかをいろいろと考えてしまいました。
 まず、中盤の守備。
 リトリート時は相手ボランチの1枚に対して(もう1枚はボランチが見るとして)、しっかりとトップ下、あるいはFWが連携して、どちらかの選手より先に簡単には行かせてはいけないはずで、そこの守備が作れていなかった印象があります。
 ハイプレス時はいいのですけど(それもメキシコ戦では見られませんでしたが)、リトリート時の前目の守備の穴は埋められないまま来てしまいましたね。
 これまでも相手ボランチが高い位置で前を向いてしまう場面というのはあったわけですか、ここまでそこまで強いチームとやってこなかっただけにそこが問題視されなかったということなのでしょうか。
 しかし、相手が強くなかろうともそこの問題は解決しなければいけなかったはずで、そこに甘さを感じなくもありません。


 続いてスタミナの問題。
 この試合は前半の早いうちから運動量が下がり、体を寄せられないシーンが目立ち、簡単なミスも多かった印象です。
 ここが一番の敗因ではないかとも思うのですが、ではなぜ動けなかったのか。
 もちろんこれまでの試合数は同じで、メキシコは前戦セネガル戦で延長戦を戦い抜いてきているわけですからね。
 1つ考えたのが、サブ組を有効に使えなかった問題。
 この試合でも怪我の永井や酒井宏樹、疲労の見られた東などを使わざるを得なかったわけですけど、それも代わりの選手がいなかったという問題があります。
 

 加えて、サブ組の選手に関して言えば、試合途中からのオプションとしても有効活用できていなかった印象で。
 例えばこの試合途中出場の杉本は長身FWにも拘らずサイドに流れることが多かったですけど、これは杉本が代表に選出されてからもこの傾向があったと思います。
 大津や永井がサイドに流れる分にはわからなくもないですけど、杉本があまりにもサイドに流れるようでは「有効に使いこなせている」とは言えない…。
 このあたりはチーム作りの遅れから、"ベースとなるサッカーとオプションの使い分け"がはっきりしておらず、「レギュラーの代わりとなる選手」と「オプションとなる選手」の区別がはっきりしておらず、選手選考やサブ組の役割が不明瞭な部分があるまま来てしまったのかなぁとも思います。
 そこが曖昧だから、スタメン11人もなかなか変えられず、休ませるのも難しい状況になってしまったのかなぁと。
 もちろんこれに関してはチーム作りに関しての問題だけでなく、サブ組の選手のレベルの問題というのもあると思います。
 フル代表でも本田や遠藤がいなくなったらどうするのか?という課題は残されたままですし、日本全体の選手層の問題というのもなくはないのかもしれません。
 ただ、その傾向がより強いチームにはなっているのかなぁとは感じましたが。


 最後に試合終盤、負けている状況で頑張れず、点の取る術が見せられずに、気持ちのほうも見えてこなかったかな…という部分。
 先ほども言ったように杉本を投入してどういった攻撃をするのかあいまいな部分も大きかったと思うのですが、それにしても選手個々の「自分が決めるんだ」という部分がなかなか見られなかったかなぁと。
 逆に焦りからか小さなパスミスも増え、ますますボールを失うことが多くなってしまった印象もありました。
 これまでビハインドの試合がなかったということもありますが、失点してから後半に焦る、点を取りたい終盤に迷って思い切っていけない…という試合展開はフル代表などでもよく見られますし、日本サッカーの課題なのかなぁとも思います。
 これに関しては精神的な問題だったりもするんでしょうか。




 とりあえず今思うところの課題の部分をまとめてみました。
 三位決定戦ではしっかり勝って終わりたいですし、その時はあまり課題などを指摘することなく終わりたいですし、今のうちにね。
 メキシコとの差はそこまで大きくなかったと思いますし、コンディションが良い状況なら行けたのではないかとも思わなくもないですが、だからこそ悔しさを感じる展開でもありました。
 しかし、その小さな差でも少しずつ埋めて追い越していくことが大事ですしね。
 ともかく三位決定戦。
 次までの時間は長くはないですけど、選手たちはしっかりと切り替えていい試合をしてほしいと思います。
 三位決定戦の相手は、ライバル韓国代表ということになったそうです。