日本代表2連勝でベスト8を確定!

 可能性としては十分考えられましたが、やはりモロッコのほうがスペインよりも嫌な相手だったと思います。
 スペインは第2戦となったホンジュラス戦でも敗れて2連敗。
 初戦で日本代表に敗れて、眠れる獅子が目を覚ますのか?とも思っていましたが、そんなこともなくグループリーグでの五輪敗退が決まってしまいました。



 さて、日本代表対モロッコ戦。
 決して快勝というわけではなく、内容も良くなかったですけど、何とかものに出来た試合といった感じだったでしょうか。
 そこにはスペインに勝ったことによる自信もベースとしてあったりして?
 日本代表によっては、名前はあるけれども中身はいまいちなスペイン戦が初戦で、自信をつけるという意味でも結果の面でも、良い日程ということになりましたね。


 前半はモロッコの綺麗に整備されたブロックに苦しみ、なかなかチャンスも作れない展開が続きます。
 もともとスペイン戦でもカウンター主体のサッカーだったわけで、スペインほど前に出てこないモロッコはやりにくい相手だったといえるのではないでしょうか。
 モロッコがやりにくかったというよりは、スペインが特に守備において日本をさほど警戒していなかったともいえるのでしょうが。


 守備においても、スペイン戦同様に前から奪いに行きますが、モロッコはロングボールも交えてくる攻撃だったので、うまく奪いきれず。
 逆にそこから広いスペースに展開されることも多かったですね。
 相手の中盤に対してもうまくプレスをかけられない場面も多く、そこからFWに向けてラストパスを出される展開も目立っていました。


 しかし、最後のところでしっかりと吉田、鈴木、権田といった守備の要がカバー。
 吉田も素晴らしいですけど、鈴木も予選の頃に比べてすごく安定感が出てきたんじゃないでしょうか。
 今のところの試合では、安心してみていられますね。



 後半に入ると、モロッコの選手たちの運動量が落ちてきます。
 前半までは4×4の守備ブロックが等間隔に保たれていて、そこから先にボールを入れることに対して苦労していましたが、徐々に中盤の選手たちのポジショニングが悪く局面でも頑張りきれないことが増えてきて、ずるずると下がることが増えてきました。
 それに対して、積極的にドリブルでの個人突破で攻めたてる日本。
 あぁ、やっぱりこのチームは、組織的な攻撃はまったく作れていないんだなぁと感じましたが(笑)


 個々の選手の判断だけで、どんどん強引に仕掛けていく日本の選手たち。
 それが疲れの見えてきたモロッコに、効くようなっていきました。
 後半18分には右サイドの清武が切り込んでいって相手選手をかわし、左足で強力なシュート。
 後半25分には大津がドリブルで持ち込みシュートを放つものの、これは相手GKがセーブ…とチャンスが増えていきます。


 そして、後半39分。
 相手ゴールキックからの展開で、清武が中盤高い位置でボールを拾うと、モロッコ最終ラインの位置はかなり高い状況に。
 その裏にうまくボールを出すと、永井が縦に走りこんでいき、GKが飛び出していたところを、うまくボールを合わせてゴール。
 今まで決定機を決めきれないシーンもあった永井ですが、この非常に難しいボールを長い距離を走っていって、トップスピードの状況で見事に合わせました。
 値千金のプレーでしたね。
 この得点が決勝点となって、日本の勝利となりました。



 モロッコは前半のうちは守備組織も出来ていたしボールも散らせていたし、悪いチームではなかったとは思うのですけど、攻撃においてのゴール前の詰めが甘かったというか…。
 Jリーグでも監督を務めていたピム監督が指揮していたわけですけど、ピム監督の指揮したチームは割とこういったチームになりがちな気もしますね(笑)


 日本の勝因としては、前の選手たちの仕掛けのキレ。
 ゴール前の選手たちの守備力。
 それとスタミナの部分も大きかったと思います。


 前半の日本代表の動きだと、やはりスペイン戦からの連戦における疲労は当然抜け切れてなかったように感じていましたが、それでも先に大きく失速したのはモロッコの方だったと思います。
 その間に攻め立てて、なんとか得点を奪うこともできたと。
 モロッコとしては勝ちたい試合だっただけに、前半からある程度飛ばしていたところがあったのかもしれませんね。



 これにより日本代表は3試合目を残して、早くもグループリーグ突破を決定。
 次の試合のホンジュラス戦も8月1日と休みなく行われ、トーナメント初戦も8月4日に予定されていますから、選手を休ませたい気もしなくもありません。
 大津などは怪我も抱えており、この試合もベストフォームではなかったように思いますし。


 ただ、日本代表の所属するグループDは、2位抜けだとグループC首位とトーナメント1回戦で対戦、首位抜けだとグループCの2位と対戦。
 グループCは現在のところブラジルが勝点6で突破決定、2位にはベラルーシで勝点3、続いて3位エジプト、4位ニュージーランドが勝点1で続いています。
 ブラジルは今季優勝候補にあげられているようで、このままいけば首位抜けと言うことになるのかなと思います。
 そうなってくると、日本代表も首位でグループリーグを抜けたいですね。 
 ベラルーシには直前の強化試合で勝っていますし、ニュージーランド辺りが来ても日本で対戦した時は勝ちはしませんでしたけど、弱かったですしね。
 もちろん両チームとも状況が変わっている可能性は否定できませんが。



 日本代表の勝ち点は現在6。
 続いて次に対戦するホンジュラスが勝点4で、モロッコは勝点1ですから、首位抜けのためにはホンジュラスだけ見ていればいいと。
 日本代表は引き分け以上で首位抜けが決まるわけで、焦らないことが大切な試合になってくるのかなぁと思います。


 ともかく、グループリーグ突破を決めて、面白くなってきましたね。
 ホンジュラス戦ではうまく選手を休ませつつ、今まで乗り切れていない選手や出場機会のなかった選手を起用することで、トーナメント戦に向けての準備としても役立てればいいですね。
 正直、現状だとベストメンバー意外の選手を起用することの不安のほうが、かなり大きくなってしまっているような気もしますし。
 ちなみに、首位で抜けられれば次はマンチェスターオールド・トラッフォードでの試合となるそうです。