勝ち方が明確になってきた?

 ちょっと予定があってこの後に時間を作ろうと思って急いで文章書き終えたら、今度はアップするタイミングを悩んでしまいまして…(笑)
 twitterでつぶやいたら、思ったよりもリアクションいただきましたので、早めにあげたいと思います。
 リアクションありがとうございました。
 その代わり次の更新は18日です、たぶん。


 さて、九州では大雨による災害が発生し大きな被害が出てしまい心配ですが、関東は先週から非常に気温も高くなり今週末にも梅雨明けかという予想になっているそうです。
 日曜日に横浜FC対ジェフ戦が行われた横浜でも、その日には最高気温が30度を超える暑さになったそうで。
 これからはより一層、気温との戦いというのが重要になってくるのでしょうね。
 この日も、そのあたりがポイントの1つになったように思います。
■プレスの合間を抜けて
 ジェフは山口素弘監督の率いる横浜FCとは初対決。
 横浜FCは試合序盤、きれいな守備を見せてくれました。
 ジェフがDFラインでボールを持つとFWがうまく連動して、ジェフの中央、ボランチ方向にボールを渡さない守備をしていきます。


 そして、ジェフがサイドにボールをつないだところで、横浜FCはサイドの選手とSB、中盤の3選手が囲い込んで、潰しに来る。
 このプレスが非常に素早く、なかなか前を向けませんでした。
 一方のジェフのほうも、守備は安定していて、プレスのほうも安定。
 そして、何よりもゴール前での1人1人の強さを発揮していました。



 このため、試合は硬い立ち上がりに。
 しかし、前半20分頃から、横浜FCの選手たちの運動量が落ちてきてしまいます。
 これまでジェフの選手たちがなかなか前を向けなかったサイドの高い位置で、簡単に前を向けるようになっていき、全体のラインも下がっていってしまいます。


 そして、前半25分。
 ジェフの左サイド、スローインからの流れで、この試合左SHでプレーしていた兵働が抜け出し豪快にシュート。
 これが決まって均衡を破ります。


 その後も横浜FCの良さは甘く、中盤にスペースができており、ジェフとしてはチャンスだったと思うのですが、ジェフはこの時間にもう1点取れなかったですね。
 攻めてはいるのですけど、ギアをもう一段上げられないというか、思い切りのいいプレーというのがなかなか見られなかったかなぁと。
 1点取れてしまったことでの油断のようなものを感じたような気がしました。
■後半からはジェフの足もとまる
 前半途中からの流れのままならよかったのですが、やはり後半からはジェフのほうも疲れから動きが止まってしまいました。
 元々プレスの効かない時間帯は、中盤の選手たちがCB前でボールホルダーに対してギュッと集まって奪いに行くディフェンス。
 しかし、疲労からそこの寄せが甘いと、そこから展開された後が弱いですね。


 横浜FCは前半は比較的シンプルに細かくパスをつないで行く攻撃が多かったように思いますが、後半からはより積極的に裏をついてきましたね。
 特に攻められていたのが大岩の裏のエリア。
 大岩は相手サイドハーフの選手がボールを持つとどんどん人についていきますが、その分裏のスペースができてしまって、横浜FCのFWなどが中央からサイドに流れて斜めに走りこんでいく動きをすることで、裏を取られることが多発してしまいました。


 マンマークでの強さは十分J2レベルなら通用している大岩ですけれど、このあたりの対応やポジショニングに関してはもう少し工夫しなければいけないところもあるかもしれませんね。
 もちろん周りの選手との連携も大事ですけど、基本4バックはラインで連動して守ろうというイメージが強いはずですからね。
 ここ数試合は右SBを狙われることも多い印象があり、ウィークポイントになりつつあるのかな…とも。


 後半立ち上がりに何度も決定的なシーンを作られますが、この試合でも岡本は冷静に対応。
 一度、前に出すぎてロングシュートを狙われるシーンもありましたが、やはりここまでの堅守においては欠かせない存在だと思います。



 耐える時間帯が続いていたジェフですが、後半19分に右サイドの大塚に代えて米倉を投入。
 シンプルに右サイドでアップダウンさせることで、これまで押し込まれ続けていたジェフが、攻撃のポイントをそこで作れるようになり、防戦一方だった状況を脱することになります。


 その後は一進一退の攻防となりますが、なかなか両チーム、決定的なチャンスまでは作れず。
 兵働に代えて伊藤を投入したジェフが、もう一度守備を持ち直して、逃げ切りに成功しました。
 最後はよく踏ん張った、といった感じでしたね。
■最終的に強みのあるチームを
 両監督、半袖の白い服を着られていて、非常にさわやかな印象を受けましたが、ジェフの木山監督は40歳、山口素弘監督が43歳ということで年齢も同世代と言っていいところだと思います。
 だからというわけでもないんでしょうけど、サッカーも比較的似たような感じだったかなぁと。


 基本的にプレスをかけて、ダメなら引いて守って。
 攻撃でもスピードで裏を狙いつつも、ショートパスもつないで行って。
 まぁ、日本人監督らしいサッカーと言うか、日本のトレンドがそんな感じともいえるのかもしれませんが。


 どちらもバランスを考えたサッカーだと思うのですが、課題はプレスが効かない時間帯の守備なのかもしれませんね。
 横浜FCも後半はプレスが効かなくとも、ある程度後方に人数を固めて守れていたとは思うのですが、前半20分以降の守備はまだ前に行くことを前提としていた時間帯だったこともあってか、中途半端に奪いに行ったりラインを上げてしまうことで、逆に相手にスペースを与えてしまいました。
 その修正がなかなかうまくいかず、相手の時間帯がハーフタイムまで続いてしまったと。
 逆に言えばその時間帯に1点しかジェフが奪えなかったというのは、大きな課題だとも思いますが。



 ジェフのほうはその点はっきりとしていて、プレスが効かないときは、多少は形が悪くとも後方に人数を固めると。
 そういう意味で守備のやることは、明確になっているのかもしれません。
 ただし、前半にも2度ほど一度攻められた後に少し戻されたところからフリーな選手を作られて、そこからパスを出されて危ないシーンを作られてしまいましたし、後半はチェックのずれから更に広く展開されてサイドなども付かれてしまいました。
 それでもCBの守備力と岡本の反応で、何とか凌いだといった状況かと。



 課題もあるとはいえ、そろそろジェフの勝ち方が明確になってきたのかもしれませんね。
 ここから気温も上がってきて各チーム苦しくなるでしょうし、相手は攻めていれば今回のように疲れから、1試合に何回かは守備においてミスをしてくれるかもしれない(笑) 
 そのミスをしっかりと付くことで点を奪って、後は堅守で守りきる…と。
 問題は引いた相手で90分間ミスをしないチームが、J2にどれだけいるかどうか…ですけど、今後さらに気温が高くなって行く可能性を考えれば、相手のミスや足の止まる時間帯も増えていくかもしれない。
 もちろんだからといって、引いた相手から得点を奪う対策というのも並行して、考えていってほしいところではありますが。


 今後、『堅守サッカー』の方を推し進めていくのであれば、守りのほうも更に高めていってほしいところですね。
 この試合でも一度押し込まれた後の中盤における対応や右サイドの守備などから、かなり相手にチャンスを作られてしまいましたので、『堅守』をウリにするのであればそういった穴はしっかりと埋めていかなければなりません。
 それと気温からの疲労は当然ジェフにも影響を与え、この試合の後半初めも動きが止まってしまいましたし、『リアクションサッカー』を中心としていくのであれば、ゲーム運びやコンディショニングもさらに重要になってくると思います。


 夏場はそのあたりで乗り越えて、シーズン終盤にはしっかりとした強みのあるチームを作りあえげていって欲しいなぁと思います。