デ・ラ・ロサ、HRT加入決定

 HRTが来季のドライバーとして、ペドロ・デ・ラ・ロサと契約することが発表となりました。
 デ・ラ・ロサは95年に全日本F3チャンピオン、97年にはフォーミュラ・ニッポンのチャンピオンに輝くなど日本で成功したドライバーの1人です。
 そして、98年からF1に舞台を移しジョーダンでテストドライバーに。
 99年にはアロウズからフル参戦を果たします。
 この時のチームメイトが高木虎之介ですね。
 01年、02年にはレッドブルの前身チーム(といってもだいぶ中身は変わっていますが)ジャガーで出走していました。
 転機になったのは03年。
 名門マクラーレンンでテストドライバーとして活躍。
 2009年まで長くマクラーレンに所属し、レギュラードライバーの代役としてF1に出走し2位表彰台に上ったこともあります。


 そして、2010年には小林可夢偉と共に、ザウバーに加入します。
 しかし、予選では可夢偉を上回ることが多かったものの、決勝では可夢偉に先を越されることが多く、シーズン途中にハイドフェルドにシートを譲る結果に。
 これに関してザウバー首脳は両ドライバーのポテンシャルを疑っての行為だったことがわかっていますが、ハイドフェルドに対しても可夢偉は決勝で前に立ち、結果的に可夢偉の速さを証明する形となりました。
 デ・ラ・ロサは「可夢偉を過小評価するな」と話していたそうですが、それが正しかったということになります。
 …可夢偉に関しては、2010年から2011年前半がピークだった、なんてことにならないように頑張ってほしいものですが(笑)



 今夏、HRTは野村証券の間接的なサポートもあって、スペインの投資会社テサン・キャピタルによって買収されました。
 デ・ラ・ロサはスペイン人ドライバーということもあって、今回の起用になったということでしょう。
 加えて、デ・ラ・ロサの経験面も期待しての起用ということなのでしょうが。
 しかし、アロウズなどではスペインの石油会社レプソルの大きなバックアップのあったデ・ラ・ロサですが、ザウバーでは思ったよりスペイン系スポンサーが付かなかった印象があります(向こうから言わせれば、可夢偉は結果を出しているのに予想以上に日本系スポンサー付かないなぁ…と思われていたでしょうけど)。
 小規模チームのHRTにとってはペイドライバーは必須となるはずだけに、少し意外な選択でもありました。
 しかも、来年で41歳のベテランに2年契約とのことで。
 何かしらの長期的なバックアップが付いたということなのでしょうか。
 ともかく、日本との関係の深いドライバーでもありますので、成功を期待したいと思います。