中盤の攻撃参加と前線の動き出しと

ブラジルW杯3次予選タジキスタン戦は4-0で勝利。
 ウズベキスタンも1-0で北朝鮮に勝利したため、日本とウズベキスタンが最終予選進出を決めました。


 タジキスタン戦は立ち上がりピッチコンディションへの戸惑いと、タジキスタンが予想以上に前に出てきたことで、相手の攻撃を受ける時間帯も多くなってしまいました。
 ただ、それも最初だけで、徐々に日本の選手達も慣れていったと思います。 
 タジキスタンのMFラインの裏をとってトップ下の位置で憲剛がフリーになって、前を向いてボールを受けることが多くなっていきました。
 しかし、その後の攻撃がなかなか作れなかったですね。


 日本のホームで行われた試合とは違い、タジキスタンがサイドの選手をなかなかフリーにさせずに守っていました。
 その分、憲剛はフリーにしてもOKだったのかもしれませんけど、これが苦労した原因だったかなぁと。
 ハーフナーは前節でサイドからのクロスに対しては上手い動き出しを見せていましたが、トップ下にボールが入った時のパスの受け方には課題があるのかもしれませんね。
 トップ下の憲剛にボールが入っても裏を取る動きが出来ず、かといってポストでも相手の厳しいマークに合ってつぶされてしまう。
 このあたりを見るとコンスタントに代表戦で結果を出すには、まだ時間がかかるのかもしれませんね。
 これも良い経験なのかもしれませんが。
 また、チームとしてはウイングの選手による攻撃の形も作れず、憲剛にボールが入っても日本の3トップがタジキスタンの4バックに綺麗に吸収される形となってしまいました。



 前半36分の先制点は、相手の守備組織を混乱させることが出来たからこそのゴールだったと思います。
 今野が左サイドでボールを奪ったところから始まり、長谷部が高い位置でボールを持ち、憲剛が相手DFラインの裏へ飛び出したところにパスが通ってシュート。
 これはGKが弾くものの、ボールを奪ったところからそのまま高い位置に上がってきた今野がこぼれ球を拾ってゴールとなりました。
 今野の意表を突いた攻め上がりも良かったですけど、その前に長谷部がラストパスを出し、憲剛が前に飛び出してボールを受ける形を作れたことが、相手の守備を崩すきっかけとなったのではないかと思います。


 それ以降は劇的に改善されたわけではないですけど、危なげない勝利だったかなぁと思います。
 後半16分には香川が縦に仕掛けて、ファーの岡崎がゴール。
 一瞬相手の足が止まったようにも見えました。
 後半37分には途中投入の前田がDFに囲まれながら、シュートコースを見つけて見事なゴール。
 前回のように相手のサイドが空いているときはハーフナーがピッタリ合いますけど、やはり今回のように中央が空いて足元のポストが必要になってくると前田が活きてきますね。
 前田は守備でもすごく頑張っていたと思います。
 後半ロスタイムには途中出場の清武から、岡崎でゴール。
 終わってみれば4-0での勝利となりました。



 試合に関しては、あらためて1トップ全盛期だからこそ、MFによる攻撃参加と前線の動きだしの重要性を感じた試合だったように思います。
 この試合前半の日本代表は、ジェフの鳥取戦前半の状態と似たような印象を受けました。
 さすがにハーフナーは前線で待っていましたけど、中盤による攻撃参加や前線の動き出しが少ないという意味においては、同様の問題を抱えていたかなと。
 それを解決したのが長谷部の高い位置でのプレーと、憲剛の飛び出しだったようにも思います。


 そんなところで、本日は早くも次の試合。
 16時から北朝鮮戦だそうです。
 消化試合になってしまったのは残念な部分もありますけど、このあたりの攻撃の形がどう変わっていくのかにも注目です。
 …それにしても、キックオフ時間が困りますね(笑)