勇人のコメントから思う高い意識の重要性

佐藤勇人「1点取ってからの戦い方が千葉は本当に問題だなと改めて感じた部分があった。例えば、自陣の左側のスローインで(渡邊)圭二がスローインしてフカ(深井)が頭で低いボールを落として、それで圭二が触る前に相手に触られてピンチになったところ。それからペナルティエリアのところでグチャグチャってなってクリアした時にボールを落とさずにクリアすればいいのに、村井くんかな?ボールを一回落としてから競って、それが相手ボールになったりとか、米倉がカウンター攻撃のところで敢えて相手がいる真ん中のほうに行ってボールを取られたシーンなんかは普通だったらスペースにドリブルすれば時間も稼げるし、味方のサポートも得られるし。」(J's GOAL

 勇人が「1点取ってからの戦い方」に関して、非常に細かく話してくれていますね。
 勇人が例に挙げたプレーに限らず全体的に攻守に置いて、集中力を欠いたプレーが多かったような気がします。


 自チームのスローインからボールをうばれたシーンでは、ボールの奪われ方が悪かったたため、そこからクロスを上げられただけでなく、その流れでのCKでもあわや…という形を作られてしまいました。
 米倉の判断は今期に入ってからか、強引なドリブルが目立ってしまっていますね…。
 この試合でも2,3回、そこで仕掛けるの?と感じたシーンがありました。
 ドワイト監督が積極的にしかけるように指導したのか、J2でプレーするようになって、強引に仕掛けても相手を抜けてしまうことが多かったり、ボールを奪われても大きなピンチにならずに済んだりするので、無理な状況でもどんどん仕掛けているのかもしれませんけど、あまりよくない傾向だと思います。
 若手と言っても米倉も、もうプロ5年目の23歳。
 勢いだけで戦う時期ではないと思うし、そもそもプレースタイルからしても強引なドリブルで一流選手を目指せるようなタイプではないはずで。
 深井のようなタイプならまだ分かりますけど、米倉には賢い選手として育ってほしいところだと思うのですが。


 米倉に限らずですが選手達がJ2慣れしてしまったのか、ボールを失う怖さだとか、小さなミスから失点する恐ろしさのような意識が、希薄になっているような気もします。
 鳥取戦でも試合終盤はそういったミスが多く、かといって鳥取の攻撃を見るとボールを持ち込めても得点の匂いはせず…といった状況が続いてしまって。
 だからこそ、試合直後に勇人が怒っていたのでしょうけど、それも納得ですね。
 本当はそういったところの甘さを監督が締めていかなければいけないはずなのですが、過去2年間はそれができていなかったということなのかもしれません。



 例えばJ2にいた頃の広島などは、その当時からJ1上位で戦えるチーム作りを徹底していたという話が有名で、そういった高い意識を持っていたからこそJ2独走状態でも緩さなどなくチームを強化できたのではないかと思います。
 昨年の柏も同様に周りに関係なく自分達のサッカーの強化を貫いていた印象で、チーム内での競争によって厳しい意識というものが保たれていた気がします。


 そう考えると、勇人の厳しいコメントは驚きを持ってとらえられたことも多かったようにも思いますが、むしろ勇人のような高い意識にクラブ全体がなっていかなければ、J1昇格もその後の成功もなかなか難しいのではないかと感じたりします。