テクニカルディレクターとゼネラルマネージャー

 今さらですが、神戸さんの前役職であるテクニカルダイレクター(ディレクター)。
 今回はテクニカルディレクターとゼネラルマネージャーに関してのお話です。



 サッカーにおいては馴染みの薄いテクニカルディレクターですが、F1では非常に良く聞く役職です。
 F1においての技術面…ということは、もちろんマシンに関してのことであり、チームにもよりますがマシンのデザイン、製造、開発、運用などマシンの全てに関しての責任を持つ役職であり、F1チームにおいて花形的な役職と言えます。
 一流のテクニカルディレクターともなれば、ドライバーよりも年俸が高く、数十億円を受け取っている人物もいます。
 現在F1をリードするレッドブルも以前は弱小チームでしかなかったのですが、飛躍の裏にはマクラーレンのテクニカルディレクターであったエイドリアン・ニューウェイを獲得したことが非常に大きいと考えられています。 
 それほどまでにチームを左右する、非常に重要な役職ということになります。


 レース戦略を担当する場合もありますし、サッカーで強引に当てはめるとすれば、チーム監督に当たるでしょうか?
 ただ、ドライバーの管理などはチーム代表が行う場合が多く、チーム代表が予算面なども含めてチーム全体を見渡す役割を担っている場合が多いはずです。
 チーム代表は英語圏ではチームマネージャーと言われることも多く、こちらはチーム全体を統率するという意味でも名称からしてもゼネラルマネージャー的な役割なのかもしれません。
 しかし、やはり競技が違うだけにそのまま当てはめるのは無理があるかもしれませんね(笑)



 となると、一般的に言われているサッカーにおけるテクニカルディレクターとは何なのか?ということになりますが、こんな検索結果が出てきました。

サッカーにおけるテクニカルディレクターは、チームが設定した短期・中期・長期の目標をそれぞれ達成するために必要な選手のスカウトおよび契約に関わる業務を担当する。日本語では『総監督』と訳される場合が多い。(Wikipedia

 なるほど、総監督。
 そういえば、オシム監督が病から復帰し始め、ジェフがアマル監督を解任した後に、札幌がオシム氏をテクニカルディレクター(総監督)とし、アマル氏を監督にするというような報道もありましたね。
 あるいは海外ではジェフが一時期そういった関係で指導していると、間違って報じられたこともあったという情報を耳にしたこともあります。
 あちらでは実績のあるアマル監督が、コーチとしてサポートしているということが、ピンとこなかったのかもしれませんね。
 他に総監督の例で言えば、オシム監督が日本代表時に五輪チームに対して総監督に近いポジションだったのかもしれません。
 オシム監督に関わる例ばかりですけど、他ではジーコ氏がフランスW杯でブラジル代表のテクニカルディレクターを務めていたり、ジーコ氏が日本代表監督就任時に時にエドゥ氏がテクニカルディレクターとしてサポートしていたり…といった例もあります。


 ようするに、「より現場に近い形で、監督をサポートする・アドバイスする」役職が一般的な、テクニカルディレクターなのかなぁと思います。
 それに対してゼネラルマネージャーは、経営面などにも大きく関わり、よりクラブ全体にかかわっていく役職と考えられているのが一般的ではないでしょうか。
 祖母井さんなどはよく「社長と監督をつなぐ役割」という話をしていたと思いますし、現場と経営者の中間を担いながら、クラブ全体を統括するポストということではないかと。



 「監督が解任されてゼネラルマネージャーが監督になった」と聞くと大きな違和感を覚えますが、「監督が解任されて総監督が監督となった」というのであれば、至って自然なのかもしれませんね。
 もちろん神戸さんは一般的な総監督以上の仕事をこなしていたのではないかとは思いますが、ゼネラルマネージャーほどの権限はなかったのかなぁとも推測できなくもないのかもしれません。