監督交代における記者会見を読んで
BLOGOLAに22日に行われたという三木社長と神戸監督の会見の全文が、公開されています。
まずは読まれていない方は、内容をご確認ください。
一般的にはどう受け止められるのでしょうね。
個人的には三木社長のコメントが、すごく残念に思えてしまったのですが。
「一言で言えば残念の一言ですけどもケガだけはどうしようもないですよね」という話をされていること。
(そもそもオーロイが負傷したケースに関しては指摘されていたはずです。)
責任に関してを追及され、逃げるかのようなコメントをされていること。
(私も責任を取って辞任すべきというようなことは簡単には言いたくないですが、これだけ混乱の生じたクラブの問題を真摯に受け止めるつもりはないのか、それとも問題とすら感じられないのか…。)
アカデミーを大事にするという話をしながら、実質の監督である菅澤さんがユースから抜けることに関して、無関心にも感じるようなコメントをしていること。
クラブユース選手権直前に菅澤さんを”強奪”された今期のチームへの影響は少なからずあるはずで(トップチームの監督に当て嵌めて考えれば、簡単にわかることだと思います)、少なくともアカデミーを大事にするつもりがあるのならそんなことは簡単には言えないはずです。
「菅澤さんのクビを切るのはナンセンス」という話は出ていますけど、これを話しているのは三木社長ではなく来季どうなるかわからない神戸”監督”ですしね。
そもそも「子供たちも喜んで送り出してくれた」と、ユースの子供たちに気を使われるトップチームって…。
どれもが自身の保身のためのようなコメントに読めてしまいます。
特に「十分J2の中でも戦っていける選手を集めた」と自身の功績だけは持ちあげるようなコメントには、唖然としてしまいました。
実はこのコメントは今年初めのサポコミでも何度もされていて、社長がその話をする度にその場の雰囲気が悪くなったのを覚えています(たぶん厳しい経営の中、自分は頑張って予算を工面して選手を集めたんだ…という意図だったんだと思いますが)。
呆れかえる場内の雰囲気の中、最終的にサポーター代表のパネラーの方が「サッカーは選手だけでやるものじゃないんだ!」とはっきり言ってくださって、サポーターからは自然と拍手が湧きあがりました。
その時のサポーターの思い・拍手の意味を、社長はまったく理解されていなかったんですね。
これはもう変化を期待するのは、難しいのかもしれません。
なにせ直接話しかけてもサポーターの声が届いていないわけですから。
また、社長に就任してからの4年間に指摘されてこう答えています。
例えば、祖母井が辞めてから唐井、昼田、神戸と来ていますけどもあの祖母井だって10年やって最初の前半5年は結果は出ていないですからね。あとの5年ですから。
社長は一体ご自身の立場をどう考え、現場のチーム作りに関してをどう考えているんでしょう…。
単純に祖母井GMと三木社長の年数を比較するのもおかしな話ですが、これだけコロコロと強化部のトップが変わってしまっていることを自分の口で説明しておきながら、問題意識を感じていないのでしょうか。
これだけ多くの強化部長が変われば当然積み重ねなどできるわけがないですし、直接チームを作り上げるのは強化部であって社長ではないと思うのですが。
この言い分だと、やはりご自身で実質的なGMもやられているという自覚があるということなんですかね…。
実際、昼田さんや神戸さんがGMという肩書ではなかったことに関しては、違和感を覚えるところですが。
そして、不良債権の話をしている時に「リザーブズも思い切って整理できました」と、リザをつぶしたことを自画自賛するかのようなコメントをしていること…(統合したU-15や解散したNASPAサッカースクールも不良債権…ということなんでしょうか)。
確かになかなか結果は出ていなかったかもしれないけれども、1つのチームを解散させておいてその言い分をしてしまう…。
残念ですがサッカークラブの社長として、向いていないんじゃないでしょうか。
リザに現在いる選手やスタッフ、応援してきた人々、これまで築き上げてきた関係者の思いを考えると、本当にショックでなりません。
そういった思いを感じ取ることが出来ないクラブに、成長なんて期待できるんでしょうか。
私は何度も言っていますが、経営面に関してもあまり評価はしていません。
社長が変わってスポンサーが増えたと言っても、その分減ったスポンサーも多く広告料収入はそこまで大きくは変わっておらず、頻繁な監督交代による違約金から差し引けば大きなマイナスとなっているような状況です。
特に外部からのスポンサーが減っており、JR系スポンサーは単なる親会社からの穴埋めといった印象も受けます(例えば夏の緊急補強前後に急にJR系スポンサーが増える…とか)。
そして、親会社からの依存度が増しているということは、社長自らが掲げた『自主自立の経営』からは逆行していることに他なりません。
しかも、外部スポンサーが減りJR系のスポンサーが増えれば、どうしてもクラブはJRとのパイプがある三木社長から離れられなくなる…という悪循環が生まれる。
例えばクラブ消滅の可能性もあったアムカルなどは、複数のスポンサーを持っていた前会長が好き放題やって経営難に陥ったという見方もあったようですが、それでも切るに切れない状況だったのでしょう…。
経営者で重要なのはコストカットをすることではなく、いかに効率良く生産性を高めて、質の高い成果物を通繰り上げていくかです。
しかし、実際のところ近年のジェフは長期的なビジョンもなく迷走続き。
2年間黒字だった経営も、三木社長が就任してから3年連続で赤字に転落(特に一昨年、昨年はそれぞれ6億円以上、3億円の大赤字)。
会見で”ホームタウン”をアピールしつつも、観客動員数は低迷…。
もちろん経営面や観客動員数はJ2降格の影響などがあったとしたとしても、ジェフというクラブが良い方向に進んでいるようにはなかなか見えないのではないかと思います。
「魅力あるクラブ」と答えた後に、「もう1つは有名な選手がいるということです」と話しているのもね…。
「魅力あるクラブ」ってなんだろなぁと感じてしまいます。
いくら「勝てるクラブ」・「強いクラブ」を目指すと言っても、その方法論がなければ何年たっても「魅力あるクラブ」にはならないわけですし、実際のところ将来へのビジョンは不透明なままです。
今回の一件というのは、ただ単純にドワイト監督が成績不振で解任となったと言うだけでなく、ここ数年のジェフに置いての長期的な迷走の中での一コマだと思っています。
ですから、今回の会見でも注目したのは「どういった経緯で監督交代となったのか」などよりも、フロントがクラブの問題をどう考えて、どういった方向にクラブをもっていきたいのか…についてでした。
しかし、今回の会見を読んでやっぱりこのクラブはフロントが変わらなければ、いつまでたっても根本的な部分は変われないんじゃないかと感じてしまいました。
クラブが変われなければチームも変われないし、アカデミーだって宝の持ち腐れになってしまうんじゃないでしょうか。
社長がどうあってもクラブは成立する…というのであればいいのでしょうけど、実際にはそうではないのでしょう。
現場には口を出さないと言いつつ、得点者には社長賞を出し、得点力不足だからと言ってユースにシュート専門コーチを付け、今年はついにレディースチームでベンチ入りも果たし、ご自身曰くリザも解散させた…。
それだけ現場に関わってきたわけですから、当然影響はあるはずですし。
しかし、じゃあ、どうすれば変われるんだろうか…。
フロントが一新すれば変われる可能性はあるかもしれないけれど、現実的に可能なのかどうか。
実際問題として、このクラブはJR東日本と古河電工に支えられているという変えられない事実もある。
サポーターはどうすべきなのか?と考えても、やれることは限られている。
例えば過激な行動をしたところで、クラブが良い方向に進むとは思えない。
もちろんスタジアムに行けば応援するのは当たり前として、その先に未来があるのかどうか…。
こうやって悩んで離れていくサポーターも多い…ということなのでしょうね。
しかし、それでもサッカーは続く…。
開き直ってダメなクラブだとわかりながらも応援していく。
それしか道はないということなんでしょうか。