チームの『変化』がほしいところ

 先週末のアウェイ岐阜戦に続いて、昨日は札幌ドームでアウェイ札幌戦が行われました。
 結果を先に言うと、0-4で大敗ということに…。


 さすがに振り返る意欲もそがれてしまいますね。
 この1試合だけ試合内容が悪いのなら、きっぱりと忘れて次につなげたいところですが、そうではないですし時期も良くないかな…と思います。
■前半早々の失点に焦るジェフ
 ジェフのスタメンには、岐阜戦の後半から途中出場で活躍し、ゴールも決めた青木孝太が入りました。
 前節は負傷交代となった久保もスタメン。
 オーロイが戦線を離脱しており、大島もまだベンチ入りメンバーに入ってこない状況ですから、久保の怪我も心配されましたがなんとか大丈夫だったようですね。
 しかし、今さらですが、ここ数試合ベンチに青木良太、茶野、福元とDFが3人も入っているという点も、気になりますね。
 前節ではそこに苦しんで、村井の右ウイング起用なんてことになったわけですが、修正はなし…ということに。


 札幌はスタメン1トップに新加入のジオゴ
 元ジェフの芳賀も先発出場となりました。
 怪我で途中交代となってしまったのは残念でしたが、勇人とのマッチアップは見ていて面白かったです。



 試合は開始早々に、ジェフが失点してしまいます。
 序盤から積極的に攻め、どんどん裏を狙ってくる札幌の攻撃を抑えきれず、流れを相手に奪われていました。
 すると、前半3分のCKからマイナスのボールを出されて、ミドルシュートを決められてしまいます。
 ジェフはCKの守備時、ゴール前でゾーンを張って守りますから、その裏を突かれた形でした。



 それでも、時間は十分にあるわけで失点は気にせずプレーすれば良かったはずなのですが、ジェフの選手達はそこからかなり焦りだしてしまった印象でした。
 無理に前へ前へとロングパスを出そうとし、質の低いボールを出してボールを失うシーンが目立ちます。
 また、守備に関してもチームの奪いどころがはっきりとせず、悪い流れが続いて行きます。


 そして、前半26分。
 坂本がボールを奪われたところからカウンターを受けると、最後はクロスをゲッセルが跳ね返せず2失点目となります。



 札幌は前節に比べて、しっかりとラインをキープしていました。
 ジェフからすれば、やはりオーロイがいない問題もあったのか…。
 久保にボールが入っても孝太だけしかサポートに行けていなかったり、サイドにボールが入ってもそこからの工夫が見られなかったり。
 もう少し久保の良さを活かすためにも、DFラインの裏を狙う形を作るとか、無理に頭に合わせるボールをけらないとか、オーロイの時とは大きく意識を変えて戦わなければいけないと思うのですが…。
■後半にも2失点を受け大敗
 流れが悪いジェフは、前半のうちに坂本に変えて青木良太、久保に変えて林を投入。
 トップ下だった孝太を1トップとし、右ウイングの米倉をトップ下に戻して、林を右ウイングに起用しました。


 しかし、大きな改善にはつながらなかったかなぁと。
 孝太の1トップからの前へのプレーは思ったより良かったですけど、チーム全体として攻守に選手間の距離が広く、連動して動くというシーンが見られませんでした。
 オーロイがいない分、ウイングの選手を使おうという意図は感じましたけど、どうウイングを使うか…というところまでははっきりしていない印象で。
 長いボールを背の低い深井、林にあててもあまり効果的ではないですし、ウイングが裏を突く形を作るのか、ゴールに背を向けてポストをするのか、ウイングに入ったとしてその後にどういった攻撃を作るのか…というところが、曖昧な状況だと思います。



 後半8分。
 またも札幌のCKから、ゾーンの間を上手く付かれて失点。
 シーズン序盤から言っていますが、やはりセットプレー時にゾーンだけで守るのは無理があるんじゃないですかね…。
 このシーンでもゲッセルの前を取られてしまいましたが、ゲッセルにせよオーロイにせよ、高さはあるけど機敏さはなく、相手の一瞬の動きを捉えられないことが多いですし。


 3点が入っても大きく何かが変わったわけではなく。
 さすがに札幌が守りに入ってきた分、ボールの保持率は上がって行きましたが、最後は個人でのドリブル突破などに頼る傾向が目立っていました。
 それでもある程度のチャンスが作れてしまうのが、逆にチームにとっては良くないのかもしれませんね。


 そして、後半41分にも4点目を奪われて、止めを刺されてしまいました。 
■07年ぶりの大敗を受けて
 4点差をつけられての大敗…となると、いつ以来なのか、ちょっと記憶にないくらいですね。
 昨年も0-3で敗れていて、それも札幌戦だったわけですが。
 ざっと調べてみたところ、エメルソンにやられた04年の浦和戦以来でしょうか(その試合も0-4)。
 そんな試合もありましたね。



 ただ、今回の大敗も予兆が無かったわけではなく、前節岐阜戦の前半の酷さもそうですし、それまでの試合でも課題は多かったと思います。
 まさかチームが「勝っているからOK」なんて思っていたわけではないとは思いますが、シーズンを通して大きな向上が見られないのが現状です。
 ビルドアップもそうだし、攻撃の最後の質も、守備戦術の構築も、あまり変化を感じない。
 強いて言えば、ウイングがバランスをとって中と外両方を使うようになったとか、SBが状況に応じて上がるようになったとか小さな変化はありますけど、大きな改善にはつながっていないんじゃないかと思います。



 戦術面以外で考えると、やはりアンカーと、攻撃的なMFが必要だったんじゃないかなぁと思います。
 アンカーに関しては、サイズがあって運動量豊富で、ある程度パスを増せる選手。
 攻撃的なMFに関しては、ラストパスを出せて、変化を付けられる選手。
 今は深井がラストパスを出す仕事もしている印象ですけど、やっぱりもともとは使われる側の選手だと思いますし。
 SBも薄いポジションではありますけど、どちらにしても「守備的なSBを置く」というのはドワイト監督の基本線ですから、変化は少ないかなと思います。
 補強できないのであれば、そういった選手を育てていければよかったのでしょうけど、そういった選手候補も少ないのが現状かなと。



 この2試合に関しては選手達の動きの重さも目立っていましたし、次戦ホームとなればある程度コンディションは改善できるのかもしれません。
 しかし、アウェイでこれだけ勝率が悪ければ、いくらホームだけで勝点を稼いだとしても、J1昇格は難しくなるわけで。


 そう考えると、やはり『変化』がほしいところですよねぇ。
 戦術にせよ、人選にせよ…。
 でも、どちらも簡単ではない状況なのでしょうね。
 戦術面でもここまで大きな向上が見られないですし、選手選定も変えずに戦ってきたわけで、ここで大きく変えるには勇気もいるし、連携面の問題も出てくるかもしれない。
 オーロイと久保を変えただけでも、上手くいっていないわけですから。
 


 この大敗を受けて、ドワイト監督も含めてチーム全体が変わってくれることを、祈るしかないのかなと思います。
 本当ならば大敗の中でも次につながる何かが見えてくれれば良かったと思うのですけど、この試合ではいいところを見つける方が難しいかなぁと。
 ここで気持ちを切り替えるのではなくて、しっかりと1つ1つ問題を解決していってほしいと切に願います。