一般的なジェフ対策を超えられず…
なでしこジャパンおめでとう!とか、ハリーポッターなかなか良かったですよとか、そんな話だけで終わりたい気もする今回の更新(笑)
でも、一応ジェフ系ブログですから、ジェフ対湘南戦も取り上げなければ、いけませんね。
■序盤から前回とは違う展開に
ジェフはミリガンが出場停止。
CBには変わりに茶野が入りました。
中盤ではゲッセルが怪我から復帰してアンカーに。
伊藤が右サイドに移るスタメンとなりました。
対する湘南は前回6月末に対戦した内容とは、大きく違う戦い方をしてきました。
前回はアジエルを右サイドで起用し、そこから自由にプレーさせるサッカーをしていましたが、今回はアジエルをベンチスタートとして、右サイドには菊池を起用。
右SBでスタメン出場となった昨年ジェフ所属の鎌田と共に、深井の前後のスペースを消す守り方をしてきました。
このあたりは前節対戦した熊本も警戒してきましたし、参考にした部分があるのかもしれませんね。
これに対して熊本戦ではサイドに追いやられた深井ですが、今節は試合序盤から動き回って、中央でも受ける動きをしていました。
オーロイをターゲットとして、米倉、深井が落しを受ける展開となったのですが、ただ、相手もそこは気を付けてきますから、オーロイの落としを2人が受けられても、相手CBを一発で抜ききるところまでは行かず、遠めからのミドルシュートばかり…といった状況となってしまいました。
一方、湘南の攻撃は前回FW田原へのロングボールが主体で、ゲッセルとCB2人で跳ね返す、守りやすい状況だったのですが、今回はショートパスを主体とし、そこからサイドを攻めるパターンとなっていました。
これに対してジェフは、中盤の守備が遅く、ラインも下がりがちな展開に。
ミリガンが不在でアンカーにゲッセルを置いた影響も大きいのかもしれませんが、相手を囲もうとするプレスどころか、その前のチェックすら遅れている状況で、簡単に高い位置までボールを運ばれる状況となってしまいました。
前半17分。
相手右サイドの深い位置から一度戻してアーリークロスを上げられると、岡本がファンブルして失点…。
直接的な原因は岡本のミスでしたが、クロスが上がった際のDFラインの位置がGKの位置の同じと、守り方の良くない状況だったと思います。
続いて、前半終了間際。
中盤からスルーパスを出されて、DFラインの裏を見事に取られ、そのまま中村がゴール。
DFラインのコントロールも若干良くなかったとは思うのですが、今回のスルーパスも1失点目のクロスもゲッセルの前で出されたラストパスでしたね…。
空中戦に関しては強いですけど、やはり地上戦では寄せが甘いかなと。
■今期2回目の完封負け
後半開始と同時に茶野に代えて坂本を投入。
良太をCBに起用し、坂本を左SBで起用してきました。
2点を追う形となったジェフは、中盤の選手が積極的ポジションを上げ、前半以上に攻めの姿勢を見せます。
後半10分過ぎには、ゲッセルに変えて久保を起用。
オーロイと久保の2トップのような布陣となりました。
しかし、ここでゲッセルを変えてしまったのは、良い策だったんでしょうか。
この時間帯はジェフが押せ押せの状況でした。
ゲッセルは相手を押し込めている状況なら、攻撃面で前に出ることが出来、そこからショートパスを展開することが出来る選手。
あれだけ押し込めていれば、アンカーからの展開力の課題もさほど気にならないですし、ゲッセルの時間帯ではあったと思うのですが…。
守備面を考えて変えたというのならば納得ですし、久保に期待したい気持ちもわかるのですが。
まぁ、このあたりは判断の難しいところですね。
ジェフの勢いは後半20分過ぎから、再び失速。
なかなかギアをもう一段上げることが出来ない状況となってしまいました。
試合終盤は相手守備陣の疲労も感じ、再びゴール前に迫る回数が増えていきましたが、湘南も最後まで冷静に対応しており、ジェフはアクセントをつけられず単調な攻撃が続いてしまいます。
そして、そのまま0-2で試合終了となってしまいました。
完封負けは今期2回目。
4月30日の徳島戦以来だったようです。
■一般的なジェフ対策
湘南は、前節と比べて戦術的な”整合性”をとってきた印象です。
前節は高さには強いジェフの守備陣に対してロングボールを多用し、ジェフ左サイド(深井)からの攻撃に対して右サイドハーフに守備を求めない選手を置くなど、戦術的にちょっと考えられないサッカーをしてきた印象でした。
まぁ、自分達のサッカーを貫いたと言えばそうなのかもしれませんけど、策士である反町監督が指揮を執っていることを考えると、「?」マークの多い戦い方だったかなぁと感じていました。
しかし、今節ではショートパスをつなぎ、しっかりと深井へのスペースを消すサッカーをしてきました。
ホームということもあってか、 ベストの状況だったかどうかはわかりませんが、選手達のコンディションも前回よりは持ち直していたんじゃないでしょうか。
総じて、現在考えられる一般的なジェフ対策をしっかりとこなしていた印象でした。
(もちろんそれをミスなくこなした湘南は立派だったと思いますが。)
逆に言うと、ジェフとすればその『一般的なジェフ対策』を超えられないという壁にぶつかってしまった印象があります。
まず深井を右SHと右SBで挟むことでスペースを消し、サイドからの攻撃を潰す。
すると、今度は深井が中央に走り込むプレーが増えていきました。
この場合、オーロイをターゲットとして深井、米倉が拾ってシュートを狙うサッカーとなります。
しかし、この”オーロイあて”攻撃に対しても、すでに相手チームはしっかりと研究してきている。
オーロイ自身はシュートを狙うパターンが非常に少なく、動き回って守備陣を混乱させることも少ないので、無理に競り勝とうとせず放っておけばいい。
ということは、相手の守備陣は大きく崩れず保たれたままということになります。
そこに対して、深井や米倉は個人の能力で、CB2人とボランチで守られたエリアに突っかけていくということに。
これでは当然ゴールは遠く、ミドルシュートなど、遠巻きからの攻撃がメインとなってしまいます。
戦術的な意味合いやアクセントとしてミドルシュートを狙っているのならばいいのですが、どちらかと言えば他に策がなく、相手守備陣を崩せないから仕方なくシュートを打っているようにも見えてしまいます。
結局は相手との個人技勝負と、スタミナ切れを待つような状況になっている印象ですね。
チームとしての攻撃の工夫が感じられない状況で、攻撃面においての積み重ねが出来ていない印象があります。
また、この試合では中盤の守備の遅さとDFラインの押し上げの問題も見られました。
まぁ、DFラインに関してはミリガンが戻ってくれば良くなるかもしれませんし、あれだけ中盤の守備が緩いと久々に出場した茶野も少し可哀想だったのではないかな…と思うのですが。
ともかく、守備面に関しても攻撃面に関しても、チームの伸び悩みを感じる試合だったかなぁと思います。
もともとドワイト監督は戦術的に何か特別なことをするタイプではないのでしょうし、そうなってくると選手達の成長次第…ということになるのかもしれませんが。
ただ、J2でもしっかりと研究はしてくるわけで、ジェフとしてはそれを乗り越えなければいけないはずですから、チーム全体としての成長はやはり必要不可欠だと思います。
現状維持ではなく、さらなる向上を期待したいところです。