斉藤、米田、菅原、真田コーチ、解任へ

J2千葉が18日の江尻監督に続き、26日は斉藤ヘッド、米田、菅原両コーチ、真田GKコーチの計4人が今季限りでの退任を通告された。 (スポニチ

 既にちらっとは報じられていましたし、監督も退任となりましたから可能性はあるのだろうなとは思っていました…が、思ったよりも多い印象を受けます。
 これにより澁川コンディショニングコーチ以外、トップチームの全コーチングスタッフが退任となるわけですね。
 気になることがいくつか。



 まずは後任に有力なコーチ陣などの招聘が決まった状況で、大量解任となったのかどうか。
 それと共に、次期監督の意思を把握した上での判断なのか。
 次期監督の要望があった上で、かつ次期監督が良いコーチを連れてくる、あるいは、新監督が状況の変化を求めた上での今回の動きならばわかるのですが、そうでないのであればどうなのかなぁと。
 もちろん例えばヘッドコーチなどは外国人監督ならその国のコーチを…という考えも納得できますけど、それにしても多くのコーチが解任となりましたから、これだけの人数となると果たして次の良い人材が見つかるのかな?と悩んでしまいますね。
 それに次期監督がどういった方針を求めるにせよ、今期のコーチが残ることでこれまでのチーム状況を伝える役割というのも必要ではないかと思うのですが…(外国人監督ならなおさら)。
 これで現場トップチームのスタッフはいなくなったわけですけど、今期の反省は誰がするのか…という点も気になります。
 江尻監督がスタッフとして残ってくれるというのであればいいのかもしれませんけど(もちろん出来れば残ってほしいですが)、責任感が強い人だけにどうなんでしょ…。
 


 それともう1つは、コーチ陣の評価はしっかり行われたのか?ということ。
 連帯責任なんて日本社会らしい言葉ではなく、1人1人の適切な評価をしたのかどうか。
 確かに例えば斎藤コーチなどは、もしかしたらヘッドコーチとしては江尻監督を支えきれていなかったのかもしれません。
 サテライトチームを主に見ていましたし、ベンチでも監督と深く話し合っていることはあまり見なかったような気もします。
 だから、「若い監督を支えるヘッドコーチ」としては違ったのかもしれませんけれども、そもそもそういった役割が得意な方だったのか。
 練習では若い選手を見ていることが多かったですし、もともと若手育成に長けた人材だったはずですから、求められている部分と役職が少し違ったのでは…?
(そもそも「1年でJ1昇格」を目指すヘッドコーチとしては、違和感のある人選だったのかもしれません。コメントでいただいたように管原コーチも育成経験の長いコーチであり、このあたりはコーチ招聘時にどのような判断で獲得したのか。結果と育成とという問題はもちろん、育成に長けたコーチを1年で解雇するというのもどうなのか…。)
 そして、もしも「若手選手担当のコーチ」ではなく「若い監督を支えるヘッドコーチ」として評価されて解任となったのであれば、それはちょっと現場とフロントが噛み合っていないようにも思います。
 もちろんどのように判断したのかについては憶測を含んだ話ですから断言するものではありませんが、このチームに「若い監督を支えるヘッドコーチ」を招聘できなかったことは私も残念に思っているだけに、そこは食い違わないようにしてほしいな…と。


 そのあたりを踏まえた上で、斎藤コーチも含めコーチ陣を評価するのであれば、しっかりと結果だけでなく現場や選手達の話も聞いて判断してほしいと思います。
 例えば真田コーチなどはGK陣などからの評価も高かったはずですし、斎藤コーチ、米田コーチなどは1年での解任となってしまったわけですが、本当にこの1年だけの評価で来季必要でない存在であると言いきれる判断材料は揃ったのかな?と思います。



 まぁ、それとこれがフロントによる責任逃れではないよね…ということは、どうしても思ってしまいますね。
 『1年でJ1復帰』を高々に明言していただけに、目先を変えたのではないか…と。
 加えて、「ダメだったから人を変えよう」、「人材を変えれば良くなる」という安易な発想でないことも祈ります。
 F1ではよく本社による“トカゲのしっぽ切り”何て言われ方をされますが(ヘッドをころころ変えて、継続性がないチームへの皮肉的な意味合いですね)、それにより責任を転換して変わったスタッフに全てをかける…なんてことのないようにしてほしいと思います。
 コーチ陣の起用も含めてしっかりと長期的な視野に立って、行われてほしいと思います。



 もちろん今期のコーチ陣に責任がないとは思いません。
 もっと若い監督に言うところは言ってほしかったとはずっと思っていましたし(言っても監督が突っぱねた可能性もあるでしょうが)、コーチの評価というのは外からでは難しいところもあります。
 しかし、このタイミングでのコーチ陣総退任は、“なにか”を感じざるを得ないですし、来季以降に関しても若干の不安を感じてしまいます。
 それと共に、こういったことが起こると「フロントと現場の信頼関係はどうだったのかな?」とも思ってしまいます。


 同記事によると社長は「辞めない」と話していたそうで、それ自体には反対しません。
 辞めても次の社長が心配であることは一緒ですし、社長が代われば全てが良くなるとも思いませんし。
 ただ、こう言っては失礼かもしれませんが、社長にも変わらなければいけない点はあるように思いますし、そのあたりはしっかりと考えてほしいなぁと私は思います。



 最後になりましたが、コーチ陣の皆さん、ありがとうございました。
 「ぜひとも今後のジェフを見守っていてください」…とも言いづらい状況ですのですね。
 みなさんの今後のご活躍をお祈りいたします。